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門出とサンニッチの計画

 昼食を食べてからサツキさんと一緒にシンディーさんが始めたお店に向かいました。

 サツキさんは何度か休みの日に行っているそうです。

 お店に着いたので中に入りましょう。

「こんにちは」

 挨拶をしながら入って行った。

「いらっしゃいませ。お、お嬢様!!」

「ユーナさんに聞いて来ました」

「急に辞めてすみません」

「良いの良いの、シンディーさんがやりたかった事でしょ。応援するよ」

「ありがとうございます」

「それと屋敷にあるレシピは写してもらっても良いからね。

 あれは3人で作った物だから自由に使ってよ。

 今日のおすすめの丼でごはん少なめでちょうだい。サツキさんの分もね」

「ありがとうございます」

 今日のおすすめ丼を食べながらシンディーさんと話しをしました。

 私から開店祝いとしてパスタマシンと蕎麦粉10kgをプレゼントしました。

 シンディーさんはフソウ国ですき焼き丼の話しをしてから少しずつ興味を持ち始めたらしい。

 私が親子丼を作った時に、やってみようと決めたと言った。

 食べ終わった後は、蕎麦粉を使って蕎麦、ガレット等を教えた。

 蕎麦つゆを作った時は、蕎麦つゆを使ったカレーは丼に合う事やフソウ国で食べた麻婆豆腐を使った丼も教えた。

 また来る事を約束して市場に向かった。

 市場ではエビチリ用のエビだけ購入して屋敷に戻った。

 屋敷に戻りキッチンに行って、今日の夕食の打ち合わせをしてから簡単にレシピを書いてユーナさんに見せた。

「今日は本格エビチリと酢豚オークです。

 エビチリはフソウ国の調味料を使います」

 2人で材料を集めて下ごしらえしてから作っていきます。

           ・

           ・

           ・

「ヨシ!! 完成。試食しましょう」

 小皿に取り分けて食べます。

 先ずはエビチリから。

「ん〜美味しい、買って来て良かったよ」

「本当だな、今までのエビチリと全然違う」

 次に酢豚を食べる。

「これも成功だね。この甘酢が良いよ」

「さっぱり目で良いな。肉も衣があるから味が染みてる」

 夕食は今回も大好評でした。

 お父さんが珍しくおかわりをしていた。


       ー・ー・ー・ー・ー

 王都では国王と宰相が話しをしていた。

「無事開通したらしいな」

 国王が言ってきた。

「えぇ開通しましたので人の流れも物流も変わります」

「と言う事はホーデンの所も終わったと言う事だな」

「工事は終わりましたが、運行、保全、経営が有りますので終わりと言うわけではありません」

「実はサンニッチから相談されて、鉄道をサンニッチの所迄伸ばして欲しいと言って来た」

「計画書や周辺領主との話しは着いているのですか?」

「いやまだだ」

「今の状態だとホーデン家にメリットはないですね

 それにセリカ嬢は来年には学園に入学しますので工事が卒業する迄ストップすると思いますよ。

 これからサンニッチ公爵が計画を出してもレール等の準備を考えても開通がホーデン領からスバル領より少し先位迄の距離しか出来ませんね。

 先ずは計画書を作らなければ何も出来ませんね」


       ー・ー・ー・ー・ー

 3日後、宰相の元にサンニッチが来た。

「どうしましたか」

「事業計画書を書いて来たので見てもらえるか?」

「わかりました。良いでしょう」

 宰相は計画書に目を通す。

「サンニッチ公爵、悪いが路線図が無いぞ。

 これだけではよくわからないが、東側の南と中央部の南だと西経由の方が早そうだ。

 後各領主の承認は貰っているのか?」

「まだだ、西の時はどうやったのだ?」

「緊急輸送があったから最短距離で路線図を書いてから調整した。

 キズスはわざと領都より離して、物流を加味している。どちらにしてもやり直すか、此処で書いてくれ」

「やり直して来る」


       ー・ー・ー・ー・ー

 2日後、サンニッチが再び宰相の元に来た。

 宰相は渡された路線図を見て呆れてしまった。

 中央部、東側の全部の領都に駅があったのだ。

「サンニッチ公爵、全部の距離はどれくらいだ?

 どう見ても西側の路線の5倍近くはあるのだが」

「まだ距離とかは出していない」

「それでこの距離を何日で走らせるのだ?」

「5日だ」

「では西側の路線を今スバルから5日半だがそれを1日で走らせると言うことか? できるのか?」

「・・・・・・」

「それに折り返しになっている所もその速度で走れば遠心力で車両が外に吹っ飛ぶぞ。

 西側は今は最高80キロだ、サンニッチ公爵のだと単純計算で400キロになるぞ。制御できるのか?

 それにこれは複線なのか単線なのかも書いて無い、物流用の貨車も走るのか書いて無いから計画にもなっていない。それに西側の速度に合わせるとホーデン領からは単純に35日かかるから馬車の方が早く着くぞ。

 路線を見直した方が良いぞ。

 ちょっと考えたい事があるから2日後にまた来てくれてそれまでは書類を借りておく」

 サンニッチは退出して行った。


 サンニッチが出て行った後にスマホで写真を撮り説明文と一緒にメールをした。

 自室にいたセリカは着信音がしたのでスマホを見てみる。

「閣下からだけど何だろう?」

 メールを開いて見ると意見が欲しいと書いてあった。

 メールの本文を読んで見るとサンニッチ公爵の計画らしい。

 添付の路線図を見るとつづら折りと言うかミミズがのたくった様な路線図だった。

 これを考えた人は馬鹿じゃないかと思った。

 これを5日とか、きっと何も考えていないのだろう。

 一旦写真を保存してから、南の公爵から真っ直ぐホーデン領に来る線と東側廻って行く線、2本の線の中央部で繋げる線を赤線で書いておく。

 これも別の名前で保存しておく。


 閣下への返答メールを書く。

 写真を添付して本文に5日で可能だと思うと書いておきました。

 追伸で笑わせてもらいましたと書いておきました。

 閣下に送信した。

 着信音がしたのでメールを見てみるとセリカ嬢だった。相変わらず仕事が早い。

 メールを開いて見ると写真に赤線が書いてあった。

 これがセリカ嬢の考えた路線図だ。

 とてもシンプルになっているので後は必要な路線を足しておけばいいのだろう。

 追伸を読んだ時は同意してしまった。


      ー・ー・ー・ー・ー

 2日後にサンニッチ公爵が来た。

 地図に写真と同じ様に線を入れてサンニッチ公爵に見せた。

 この様な形から5日は可能ではないかと言った。

 納得しないなら最初の案でも構わないと言った。

 工事は自分達でやるのかを聞いたらホーデン家にやってもらうと言っていたので、多分無理だぞと答えておいた。

 セリカ嬢が学園に入ったら工事がストップするので、やるなら自分達でやった方が良いと言っておいた。ストップすれば6年は何も出来無いからどうするのだろう。

 後日ダイナからメールが来た。

 サンニッチ公爵は最初の案で進めているようだ。

 話しを聞いて断ったと書いてあった。

 さてどうするのだろう。

 

 


 

ご覧いただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
ぼくの考えた素晴らしい路線図だろうと現実的な路線図だろうとおたくの娘さんが田舎と貶したところなんだよね。
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