パーティーの翌日
新年パーティーの翌日、国王は宰相と話しをしていた。
「昨日のパーティーにはホーデンの3女が来ていたそうだな」
「えぇ来てましたよ。私も顔を合わせました」
「それで近日中に家の第3王女と第4王子と合わせ様と思う。どうだろう」
「ホーデン家ならもう帰路についていますよ。
もう王都には居ません」
「何!! 早すぎないか、通常なら王都見物とかするだろう」
「彼女は忙しいのですよ。本当は来る予定では無かったのを私が西の調整のために来てもらったのです。
戻れば直ぐに鉄道の工事に入るのでしょう。
来月にはキズス迄の開業がありますから。
新年の花火は家の孫にやってもらっています」
「宰相の孫は花火魔法ができるのか?」
「出来ると言っておりました。
それから第1王女を怒らないで下さい。
王女は物凄い努力をして連続50発迄は出来る様になっています。
もう少し魔力量が有れば100迄行けそうです。
そうなればホーデン領に比べれ少ないですが、名物として行けそうですね。
最近ではミラージュ皇女とも話が出来る様になっています」
ー・ー・ー・ー・ー
陛下に呼ばれました。新年の花火が出来なかった事で何か言われるのでしょうか?
気が重いです。
「お呼びでしょうか?」
座れと指示があったので座って話しを待ちます。
「新年の花火の事は聞いた。残念だったな。
王女が物凄い努力をしていると聞いた。
花火魔法とはそんなに難しいのか?」
陛下に質問されたので答えました。
呪文では多人数になるので呪文を使わずイメージによる魔法を使う。
今やっている訓練をやって50発連続が出来る様になった。
ミラージュ皇女、スバル姉妹、ホーデン姉妹の協力をしてもらった。
昨年末には実際にやっているセリカ嬢に助言をもらう事ができた。
今は魔力量を増やす事と制御を中心に訓練をしている。
「呪文を使わないとはどの様な事なのだ?」
「頭の中でイメージ、想像をする事で魔法を発動します。
花火魔法は呪文でやると1発につき1つの呪文が必要ですがイメージで行うと連続で行えます。
例えば1秒間で3発発動とイメージすればその様に発動します。呪文だと3人必要になります。
イメージは人によって変わりますのでどれが正解かはわかりません。セリカ嬢は魔法が発動すれば良いのですよ。結果が全てですと言われました」
「良くわからんなぁ」
「説明が難しいのです。他の光魔法で[ポインター]があります。指先から光が出て、指の指している所がわかるだけの魔法ですが、今からやります。
あちらの壁を見て下さい。緑の光を出します」
王女は壁に人差し指を向け発動させる。
「ポインター」
発動して緑の光を出す。
「えっ?」
国王は驚いた、呪文を使わず魔法名だけで発動した事に。
「この様に呪文無しで発動します」
「では呪文は要らないと言うことか?」
「いえ、基礎を学ぶために必要です。最初に呪文で発動してイメージに落とし込んで基準を作りそこから大きさや魔力量を変更して発動させます」
「今の訓練をやってどうなのだ?」
「魔力の移動がスムーズで発動が早くなり余裕が出来たので正確さも出て来ました」
「王女としては学園でもやった方が良いと思うか?」
「私個人の意見としては入学前にイメージの取得をした方が良いと思います。
ホーデン領では数年前より寺子屋と言うものを開いて領民に読み書き、計算、魔法を教えているそうです。最近では近隣の貴族の子も通っています。
宰相の孫のミウラも行っています。
フソウ国の魔法はセリカ嬢がミラージュ皇女に教えたのが始まりで、元魔法室長も教えています」
「わかった、ご苦労だった。下がって良いぞ」
私は退出した。
怒られなくて良かったです。
ー・ー・ー・ー・ー
サンニッチ公爵のタウンハウスでは。
「困った、困ったどうしたら良いんだ。このままでは南の門前も領都も寂れてしまう。どうにかしてこちらに繋げられないか。
ダイナは2年は無理と言っていたがそれでは遅い。
西よりも先に繋げないと。
陛下に言って南を優先させる様にしよう。
そうすればダイナも従うだろう。
後は全ての領都を繋げれば人が集まる。
これで行こう」
ご覧いただきありがとうございます。




