西側のスタートと新年パーティー
打ち合わせの日がやって来ました。
大体の路線図は宰相閣下に提出してあったので、その沿線の領主に来てもらいました。
勿論宰相閣下と西の辺境伯も来ています。
「この鉄道計画は塩の子爵家の緊急輸送に対応するためが1つの目的ですが、その様な事が起きるのかはわかりません。無い方が良いです。
通常は旅客や貨物で人の移動や物流で使う事にします。
話しで聞いているかもしれませんがホーデン、スバル間が馬車で2日の所を4時間、ルバス、キズス間は22時間で結ぶ予定です」
私は目的と現状の説明をした。
「セリカ嬢の言う通りだとキズス、塩の子爵間はどれ位になりそうかな?」
西の辺境伯が聞いて来た。
「一応2日半をみています。そこから西の公爵領の領都迄は1日半を予定しています。
今の所は概算ですので前後します」
「工事は何時からの予定だ?」
塩の子爵が言って来た。
「キズスの開業が終わってからになりますので、春からの予定です。
整地で4〜5ヶ月、レールの設置調整で半年、試運転で3ヶ月以上ですね」
「多く見積もっても1年半だな。その計画で行こう。
路線図は有るのか?」
宰相閣下が言った。
私はバッグから路線図を机に出す。
「これが路線図です。これは私が最短距離で描いたルートですが多少の変更は出来ます。
ただ全ての領都に寄る事は出来ません」
「どうして駄目なんだ」
ある領主が聞いて来た。
「先程話した通り塩の輸送ルートが優先となります」
「なら儂のところは抜けよう。これはメリットが無い」
先程の領主が言って来た。
この意見に賛成したのが3領主いました。
その方々は退出して行きました。
3領地が通れ無くなったので別ルートを模索します。
「閣下、此処と此処の領地の方はいらしゃいますか?」
「此処は来ているな。呼んで来よう」
宰相閣下が2領主を呼び、変更した路線図をを見てもらいました。
2領主は領都から離れているが、自分の領地に鉄道が通り物流が良くなる事を選んだ。
これでとりあえず話しは纏った。
良かったよ〜。
ー・ー・ー・ー・ー
年が明け新年になりました。
新年の年開けに花火が上がる予定でしたが取りやめになっています。この予定は国王が1人で言っていたものであり国や王都での行事ではありません。
担当の第1王女は頑張ったのですが1人で50発が最大でした。
お姉ちゃん達が手伝っていたので私も少しだけ手伝いました。
◆
新年のパーティーが始まりましたが、国王の長い話しを聞いていて寝そうになっています。
結構どうでも良い話で、中身も薄っぺらです。
早くおわらないかな〜。
話しの後は報奨の授与等がありましたが、私達には関係ありませんでした。
長いどうでも良い話しが終わった後は控室に戻りカリーナお姉ちゃんと話しをしていますが、周りの目が怖いのですが何かあったのでしょうか?
「お姉ちゃん、周りが何か怖いのですが?」
「セリカのやらかしで皆セリカを狙っているのよ。
息子の嫁とか養女とか」
「えー嫌ですよ。刺身の無いところは」
「基準がそこなの?」
「そうです。海産物が無い所は不可です」
「そう。それで鉄道はどうなったの?」
「キズス領迄は来月の中旬の予定で、春から西の工事が始まって1年半後に開業予定です」
「私達の卒業迄には間にあわないのね」
「そうですね、ごめんなさい」
「謝らなくても良いわよ」
「あのぉ東側には鉄道を伸ばさないのですか?」
カリーナお姉ちゃんの友達が聞いて来たので。
東側に伸延の予定が無い事を伝えた。
塩の緊急輸送の様な事が無いと難しいと言った。
東側で誰かが頭になって計画すれば路線の工事のみ受ける事は出来ると伝えた。
彼女はがっくりしていた。
◆
パーティーが始まりました。
お父さんと一緒に南の貴族に挨拶周りです。
話題は鉄道の事が多かったです。
お父さんの所に南の公爵様が来ました。
確かサンニッチとか言っていたよね。
「ダイナ久し振りだな」
「ご無沙汰しています」
「聞いたぞ、鉄道とか言うのを始めたそうだな」
「塩の緊急輸送用に作っています」
「西に繋げると言う事だな。王都には繋げるのか?」
「その予定はありません。塩の子爵領迄作ったらそのまま西の公爵領の領都迄となります。その先は馬車です」
「そうなると南の西側と中央の南は西から王都に入るのか?」
「そうなりますね。家から西の公爵領迄は7〜8日の予定です」
「それだと南の門を使うのが少なる事だよな」
「そうですね。東側でも家に近ければ鉄道に行くかもしれません」
「それはマズイぞ、家の方にやってくれないか?」
「やっても2年以上後になりますよ。そこから工事をしても3年以上かかりそうですね
まずは塩が優先ですので、急ぐのなら自分で始めた方が早いと思いますよ。
家もパーティーが終わり次第戻ってキズス迄の開通させないといけません。春からは西の工事に入りますので他には手が回らないのですよ。昨年末には路線図を決めてきましたから止まれません」
「どうかしましたか?」
宰相閣下がが話しに入って来た。
「鉄道を私の領地に持って来てもらおうと話していました」
「今は無理でしょうね、西側でやる事が決まってますから」
「閣下は知っておられたのですか?」
「西を纏めて欲しいと相談がありましたから最初から入っていますよ。では」
宰相は別の所に向かった。
「少し考えるわ」
「その方が良いですね。家は無理なので、東側と共同でやればどうですか?」
「それを含めて考えるわ」
サンニッチが別の所に行った。
お父さんに今の人がキックボードのコピー品を作った人なのかを聞いたら、国王に言われて作ったそうだ。大赤字になったと聞いた。
「最初からちゃんとやれば今頃ボロ儲けだったのにね」
「言葉使いが汚いよ」
「は~い、お腹が空いたから食べて来るね」
私は1人で料理コーナーに行った。
お皿とフォークを貰い、何にしようか見ていると。
「あなたがホーデン家の3女ですの?」
「そうですが、どちら様でしょうか?」
「私を知らないのですか?」
「今回初めて王都にきましたから殆ど方は知りません」
「どこの田舎者ですの」
「南の田舎者ですが」
「キー、私に歯向かうなんて、私はバイオレット・サンニッチです。覚えておきなさい」
「気が向いたら覚えておきます。そんな事よりこれからの事を考えた方が良いですよ」
「どういう事ですの?」
「鉄道が西の公爵領に繋がれば南の門は寂れますよ。私に構っている暇があるなら対策を考えた方が良いですよ。先程家の父と公爵が話していて困った困ったと言っていましたよ。どんどん寂れますね」
「フン!!」
令嬢はどっか行って仕舞いました。
あの人は結局何をしたかったのだろう。まぁどうでも良いや。
それよりも美味しいのは有るかな?
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