2日目〜市場に行く〜
今日はどうしようかなと思い、考えているとやっぱり市場を見ておかないといけないと思ったので、朝食の時に提案してみたらOKが出ました。
やったぜー。
朝食後に案内をしてくれる侍女さんが来たので、今日は市場に行きたいと伝えたら了承され、向かう事になった。
市場は宿からそんなにも遠くなかったので、歩いて行きます。
◆
市場に着くと大きさと広さに驚いてしまった。
ホーデン領の市場の5倍程有ったのです。
流石皇都だけあるな。
入り口に案内図が有ったので貰ってから入場しました。
案内図を見ると海産物、肉、野菜、穀物、加工品、商会の事務所棟、食堂街が有った。
先ずは魚から見て行くと、あまり変わらない様なので簡単に見て回った。
次に肉を回ったのですが、牛、豚、鶏を扱っている所が多く有りました。
面白いところでは熊や鹿等のジビエを豊富に扱っている所も有りました。
ジビエは扱った事はないんだよね。
肉コーナーで目を引いたのが馬でした。そう桜肉です。
エンジプト王国では馬肉は扱っていないので食べれません。
前世では良くお取り寄せをして食べていました。
生姜醤油で馬刺しを食べたい。
「ん~~どうしようかな?」
「どうかしましたか? お嬢様」
シンディさんが声をかけて来た。
「馬肉を買おうか迷ってる」
「宿の夕食に出してもらえる様に頼んだらいかがですか?」
「それだ、食べて気に入ったら最終日に買うことにしよう」
肉のコーナーを後にして野菜のコーナーを見て回り始めた。大体一緒なのだけど、何かあれば良いな。
順番に見て行くと胡麻を見つけました。それも白と黒の両方です。
「おー胡麻が有ったよ。案内図に書いておこう」
大体の位置にペンでチェックを入れる。
胡麻の所を過ぎ、今度は豆類になりました。
大豆、小豆、そら豆、黒豆、えんどう豆等が有りました。あんみつ用は何だったけかな? これもチェックしておこう。
後は枝豆があればいいな。
・
探したけど見つかりませんでした。
豆類を後にして穀物のコーナーに行きました。
米、麦、雑穀等が有りました。
米を見ているとシンディさんが聞いて来ました。
「お嬢様、この細長いのもお米ですか?」
「そうだよ、長粒種と言う品種で炒めたり煮たりして使うんだよ。サラサラする感じになるよ。私はいつもの方が好き何だけどね」
米、小麦が終わると雑穀が有った。そこに蕎麦が有ったのです。これもチェックしておこう。
穀物が終わり、今度は加工品のコーナーに来ました。
先ずはきのこ類の加工品でした。干しシイタケが山の様に積んで有りました。
他に無いか見るとなめ茸の瓶詰めが有ったので、店員さんに聞いて試食させてもらい、小さいのを1つ購入しました。
きのこが終わると海産物になりました。
干し貝柱、干しアワビや佃煮等が有った。
「まずいよ、此処は欲しいのが多すぎるから厳選しなければ」
今回は海苔の佃煮の小瓶を1つだけ買いました。白いごはんで食べなければ。
海産物から調味料のコーナーになった様で最初に醤油が有りました。
普通の醤油から淡口、たまりそして中国醤油迄有った。
「お嬢様、此処は醤油ですが淡口やたまりとかはどう違うのですか?」
「淡口は色が薄いけど塩分が普通のより多いのが特徴で、野菜の煮物に最適だね。たまりは普通のより濃い物だね。刺身や照り焼きに良いよ」
「醤油にも種類があるのですね」
「帰る前に来て少量買って気に入ったらクオンさんに頼めば良いわ」
醤油の横は味噌でした。麦味噌も有ったよ。麦味噌のラーメンが食べたくなるよ。
「味噌もイロイロと種類があるのですね」
「そうね、2、3種類を合わせて味を作っても良いしね」
「そんな事をしても良いのですか?」
「しちゃいけない理由がわからないわ。
ちょっとずつ舐めて味を知るのも料理人の仕事よね〜。でも今日は見るだけにしましょう」
味噌の横は調味料だった。名前を見ても良く分からないので鑑定を使って見ると豆板醤、XO醤、オイスターソース、コチュ醤、ラー油等の中国系の物だった。
「見つけた」と言ってしまった。
「どうしたのですか?」
シンディさんが聞いて来た。
「欲しかった調味料が有ったの、これでエビチリがもっと美味しくなるよ」
「もっと美味しくですか? 今でも十分だと思いますけど」
「この調味料を使えば今のエビチリは子供同然ね」
「そうなのですか? とても気になります」
「これも次回来た時に買いましょう」
最後は油だった。
油にもイロイロな種類が有るけど、今のままでいいかな。でも胡麻油があればいいけど。
油を見て行くと最後に胡麻油が有った。
「見つけた」と叫んでしまった。
「お嬢様、今度は何ですか?」
「胡麻油を見つけたよ。これで料理の幅が広がるよ。特にドレッシングが増えるよ。絶対に買って行くよ」
欲しかったのは、全て案内図にメモ書きした。
周りを見ると私とシンディさんだけだった。
「他の皆は何処に行ったの?」
「途中で飽きて食堂街に行っています。お嬢様が食材に夢中になっていたので、つまらなかったみたいですね」
「私達も行こうか、お腹も空いてきたし」
◆
食堂街に行くと屋台がいっぱい並んでいてフードコートの様になっていた。
「セリカ遅いよ。もう皆食べ終わっているよ」
コロナお姉ちゃんが言って来た。
「気づいたら皆が居なくなっていました。気付いたのは5分前ですけど」
「いいものは有ったの?」
カリーナお姉ちゃんが聞いて来た。
「はい、料理の幅が広がります」
「本当に? いつ作るの?」
コロナお姉ちゃんがワクワクしながら言って来た。
「さっき文句を言われたので作りません」
「え〜謝るから食べさせてよー」
「気が向いたらにします。先ずは家に帰ってからですね」
「え〜、今日作ってよ!!」
コロナお姉ちゃんがしつこいぞ。
「買って無いので作れません。買うのは最終日位です」
「そんな〜」あからさまにがっくりしている。
さて昼食にしましょう。何にしようかな?
屋台を見ていると中華料理みたいのが有ったので、そこに決めました。今まで食べれなかったからいいよね。
選んだのは、麻婆豆腐、青椒肉絲、回鍋肉でシンディさんと分けて食べます。
ごはんとワカメスープもセットです。
先ずは麻婆豆腐を小皿によそってから食べました。
ひき肉が多めで、ちょっと辛めでした。
箸に持ち変えて青椒肉絲、回鍋肉と食べていきます。
「美味しいね〜、シンディさんはどうですか」
「美味しいです。お嬢様はこれを作れるのですか?」
「さっきの調味料があれば出来るよ。それは帰ってからだね。
フソウ国に居る間は見て、食べて、味を覚える。
あっ、写真を撮るのを忘れた。今から撮ろう」
食べかけだけど写真を撮った。
シンディさんに今まで撮ったかを聞かれたので全部撮っていると言ったら、これからやると言っていた。
写真を見れば味を思い出すからね。
今日は大収穫だった。これでもっと美味しい料理が出来るよ。嬉しいな。
宿に戻ったら馬刺しをお願いしないと。
フソウ国の食は、和風と中華なんだよね。
建物は和風で、服や生活スタイルは洋風。
やっぱりチグハグだよね~。
でもそれも良いね!!
ご覧いただきありがとうございます。




