夕食の時間です
夕食の場所に行くとバイキング方式になっていた。
船では魚がメインになっていたので、お肉三昧といきましょう。
先ずは牛のステーキに和風っぽいソースをかける。
豚の生姜焼き、肉じゃが、ミートオムレツ、きんぴら、豚のピタカ、チキンの入った煮物、おひたし、漬物を少々で白いごはんと味噌汁で第1回戦といきましょう。
フォークとナイフ、箸を持って席に着きます。
席に着いたら写真を撮ってから食べましょう。
「いただきます」
箸で食べやすい様にお肉類は先に切っておき、切り終わったら、実食です。
箸を持ちステーキから食べます。
ソースを絡めてからごはんにバウンドさせてパクっと一口で。
お肉は柔らかく、ソースは醤油ベースのさっぱり系でした。
次は生姜焼きをごはんにバウンドさせて食べました。
そしてごはんを食べ、味噌汁を飲む。
思わず前世を思い出してしまう。
食べ進めていると、何やら視線を感じるので周りを見ると皆が私を見ている。何故?
目の前にいるカリーナお姉ちゃんが言って来た。
「美味しそうに食べるのは何時もの事何だけど、その2本の棒で器用に食べるなと思って」
周りの人達も頷いている。
「えっ箸の事?」
「そう、その箸と言っている棒の事」
「フォークの横に有ったので使ってみました」
「簡単に使える物なの?」
話しをしていると女将さんが声をかけて来ました。
「どうしましたか?」
「妹が箸を使って器用に食べるなぁと思って」
女将さんがお姉ちゃんにこう言った。
「箸はフソウ国の文化の1つですから、もしよろしければ使い方をお教えいたしますよ」
「お姉ちゃん、折角だから挑戦してみたら? 異文化を知るチャンスだよ」
何か面白い事になりそうなので進めてみた。
「女将さん、使い方を教えて下さい」
全員が挑戦するみたいだ。(日本組を除く)
仲居さん達が箸を配り始め、全員に渡すと女将さんが説明を始めた。
私は気にせず食べ進める。
女将さんの説明が終わり、各々で箸を使い始めている。
私は食べ終わったので2回戦目にいきます。
◆
先程は無かった炊き込みごはんをよそり茶碗に入れ、玉子焼きを2切れ、茶碗蒸しを取り他に何にしようか見てると、お蕎麦が有ったのでつゆと一緒に取った。
かき揚げ、海老天、さつま揚げの普通のと紅生姜入り(大根おろし、おろし生姜付き)を取ってから席に戻った。
◆
席に戻るとカリーナお姉ちゃんが箸に挑戦中だった。
何かプルプルしながら使っていたので、面白そうと思いスマホを取り出して撮影をしてお母さんに送ろうと決めた。
どうにか口に入れたところで撮影していた事に気付いた。
「んーー」
口の中の物を飲み込んでから。
「何をやったの?」
「お姉ちゃんが箸を使っているところを記録させていただきました」
「恥ずかしいからやめて」
「後でお母さんに送ります。異文化挑戦中として」
「ムー」
カリーナお姉ちゃんが膨れました。
パレットさんとシフォンお姉ちゃんは上手く使えているようです。
コロナお姉ちゃん、ステラお姉ちゃん、ミウラちゃんは諦めてフォークで食べている。
さて2回戦目をいただきましょう。
炊き込みごはんから食べると、とても美味しかった。帰ってからやってみようと誓った。
お蕎麦はズルズルと音をたてるとサツキさんに怒られそうなので、上手く誤魔化しながら食べよう。
「蕎麦の香りが良いね」
つゆをつけて食べると鼻から蕎麦の香りがします。
海老天とかき揚げも美味しかった。
さつま揚げはおろしとすり生姜を乗せて醤油をかけて食べた。
「最高だね」
2回戦でお腹がいっぱいになってしまった。
デザートの甘味が食べたいので1つだけ取りに行った。
デザートは果物のビワにしました。久し振りのビワは美味しかった。
ほぼ日本食を堪能した。此処に来て良かった。
◆
部屋に戻ってからお母さんにメールを送り、もう一度温泉に行った。
◆
「あらメールが来てるわ、誰かしら?」
メールを開いて見るとセリカからだった。
<無事にフソウ国に着きました>と書いて有った。
「良かった、ほっとしたわ」
これは何かしら? 此処を押せばいいみたいね。
画面の三角形の様なところを押すと再生が始まった。
「面白い食べ方をしてるわね、でも美味しそうね。帰って来たらセリカに作ってもらいましょう」
再生が終わり、メールの続きを読むと<カリーナお姉ちゃん異文化に挑戦中>と書いて有った。
ついでにコロナのポッコリお腹の写真も有った。
「楽しそうで良かったわ。ダイナに見せましょう」
執務室で一緒にメールのビデオを観た。
ご覧いただきありがとうございます。




