釣ったど〜と奴隷解放
漂流者騒動も落ち着いて来ました。
私は2日間部屋に閉じこっもって奴隷紋の消し方を考えていましたが、全然解らないので気分転換に釣りを始めました。
モデリングで釣り竿やリール、擬似餌等を作り、糸は船員さんにもらった物に強化を付与しました。
何回か海に投げていると、ヒットして竿が大きくしなっています。
「ん、ヒットしたけど重いぞ。物凄い引きだよ、身体強化しても体が持っていかれるよ」
ポンピングしながら少しずつ糸巻いていきます。
かれこれ1時間程、魚と格闘している感じだ。いつの間にか見物人がいっぱいいる。
お姉ちゃん達も見に来ていた。
段々と魚の姿が見えて来たので、魚と周りの海水を一緒にして持ち上げるイメージをして、ウォーターボールを発動させて甲板に運んで来る。
甲板迄来たらウォーターボールの海水を海の方に逃がすようにして解除する。
海水が無くなったら魚のみにフリーズをかける。
「解除」+「フリーズ」
魚は一瞬で凍った。
「ふう、終わった。それにしても大きいな、なんて言う魚かな?」
あまりの大きさに見物人が近く迄来ている。
長さは5m位かな? それに結構な太さだ。
「これは南大マグロですね。あまり目にしない貴重な魚です」
皇女様が私の側に来てその様な事を言って来た。
「そんなに珍しいのですか?」
「私も食べたのは1度だけで、此処迄大きいのは初めてです。コックに解体させましょう」
「お願いします。でもその前に自撮りしてお母さんに送ろうっと」
スマホで自分とマグロの写真を撮り母親にメールを送った。
船員達もここぞとばかりにマグロを釣っていた。
◆
ホーデン家では。
「あら、スマホが鳴ったわ」
ルシーダはスマホを見て見る。
「セリカからメールが来ているわ。何かしら?」
メールを開いて見ると、釣ったど〜と書いて有り、大きな魚の写真が何枚かあった。
「アハハハ、あの子は何処に行っても変わらないわね。楽しそうで良かったわ。ダイナに見せましょう」
◆
船上では南大マグロの解体していた。コックが来てから魔法で解凍してからお願いをした。
コック達もあまりの大きさに大興奮である。
「あの魚はセリカが料理するの?」
コロナお姉ちゃんがワクワクしながら聞いて来た。
「コックにお任せです。やり始めると邪魔しそうだし、船の厨房は狭いから」
「そうなの? 残念だな」
◆
夕食になり食堂に行くと、マグロ料理がいっぱい有った。なんとお寿司の握りや鉄火巻も有った。
今日はバイキング方式になっており、握りは部位ごとに並んでいた。
私は大トロを2貫、中トロ3貫、赤身3貫、赤身の漬け2貫、ネギトロ2貫、鉄火巻を5つを取ってから、おかずに漬けのステーキ、煮物、アラ汁を取って1回戦目です。
席に着き、先ずは写真を撮ってから実食です。
中トロからいきます。醤油をつけて一口で食べます。
「おいひ〜い、此処は天国です」
と言ったら周りの皆に笑われた。何で〜?
コロナお姉ちゃんは5回目のおかわりに、行っています。お腹はすでにポッコリとなっているので、写真を撮ってお母さんに送っておきましょう。
私は鉄火丼にして2回戦目です。
「シンディーさんどう?」
「美味しいです。特にこの握りが良いです。部位ごと別れているので味の違いが良くわかります。それに漬けもねっとり感が出てそれが美味しいです」
刺身が好きになったパレットさんもニコニコして食べてる。ミウラちゃんも笑顔で食べている。
救助者の5人も美味しそうに食べている。
釣って良かったよ。
◆
夕食の後は部屋でのんびりです。でも頭の中は奴隷紋の解除の事でいっぱいです。
コンコンとドアがノックされました。
「どうぞ」と返事をした。
シンディーさんがドアを開けるとサシャちゃんがいた。
「どうしたのですか? 入ってきて良いですよ」
サシャちゃんが入って来てので来た理由を聞くと、他の4人が前世の漫画やアニメ、ドラマ等の話しをしているので話しが解らず、話しに入れないと言って来た。
「多分最初だけですよ。その内その様な話は少なくなりますから」
そう言って安心させて、サシャちゃんの今後の事を聞くと、薬師として早く役に立ちたいと言っていた。
今までどの様な事をやっていたのかを聞くと、準備や薬草の採取、初級ポーションの製作をしていたそうだ。
「初級が出来れば凄いですよ。私にも薬師のスキルがありますけど、まだ作った事は無いのです。
家庭教師の方に座学だけは受けてますけど。
それと魔法はどれぐらい使えますか?」
サシャちゃんは魔法が得意ではなく、発動迄に時間がかかってしまうと言っていたので、私の所に来てくれるなら練習しましょうかと言っておく。
領地では寺子屋をやっていて読み書き、計算、魔法を教えていると言ったら。
「その寺子屋で勉強がしたいです」と言ったので、私のところに来る様に誘ってみた。
「やってみたい事があるのですが、奴隷紋と言うのは何処にあるのですか?」
サシャちゃんは左手を出し手首の内側を見せてくれた。そこには○の中に★マークの様な絵が書いて有った。
「鑑定させてもらいますね」
鑑定をしてみると。
[本契約迄の仮契約で有り、本契約程の強制力は無いので簡単に契約破棄が出来る。奴隷紋が消えれば契約は無効となる]と出ていたので、私の左手を奴隷紋の上に置き、サシャちゃんが自由になるイメージをして魔法を発動させる。
「奴隷解放、契約破棄」
そう言うと手首が光、その光が数秒後に消えた。
私の手をとって見ると奴隷紋が消えていたので、もう一度鑑定をすると。
[奴隷から完全に解放され、契約は無効になり契約書も破棄となる]と出ていた。
「サシャちゃん、奴隷から解放されて契約は無効になったよ。これで自由だね」
サシャちゃんは左手の手首を見てから私を見て泣き始めた。
「ありがとうございます、ありがとうございます、とても嬉しいです」
お礼を言って来たので、私はサシャちゃんの頭を撫でた。
その後はサシャちゃんが他の4人を呼びに行き、連れて来たので、仮契約だと消えるが本契約だと消えないかも知れないと説明した。
4人を鑑定すると全員仮契約で有ったので、直ぐに奴隷紋を消して契約の解除をした。
「これで全員解放されました。おめでとう」
5人はとても喜んでいたが、声が大きかったので皇女様が来られた。
「セリカさん夜ですので、もう少し静かにお願いします」
「すみません、もう終わりますから」
皇女様に奴隷の解放をした事を言った。
「セリカさんは何でも有りですね。それでは静かにお願いしますね」と言って帰って行った。
5人も自分達の客室に戻って行った。
無事に解放出来て良かったよ。
5人の笑顔が見れたし、とりあえずOKだね。
ご覧いただきありがとうございます。




