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助けよう

 船に乗って4日目の朝、朝食の後は甲板でまた海を眺めておりましたが、コロナお姉ちゃんが嫌な事を言って来た。

「このままだと運動不足になる。剣の訓練をしよう」

 そのまま甲板で全員で剣の訓練になりました。

 私とミウラちゃんは素振りと打ち込みを主にやって、他の人達は派手に打ち合っています。

 パレットさんと侍女さん達は見ています。

「セリカちゃん、私と打ち合いをしよう」とステラお姉ちゃんが言って来たので、打ち合い打ち合いを始めたのですが、瞬殺されました。あれ?

 ミウラちゃんはコロナお姉ちゃんと打ち合いをしています。

 結局全員と打ち合いしたのですが全敗でした。

 そして毎日朝食後に訓練をする事になった。

 思わず「えー」と叫んで皆に笑われた。


 剣の訓練で疲れたので、午後は甲板でトロピカルなジュースを飲みながら休んでいました。

 海をぼーっと眺めていると。

「ねぇシンディーさん、彼処の木に掴まっているのは人だよね?」

「そうですね、5人位いますね」

 向こうも気がついた様で手を振っている。

 直ぐに皇女様に電話をすると直ぐに行きますと言って電話が切られた。

 皇女様が来るまでは、こっちに引き寄せてみよう。  

 サイキックスで少しずつ引き寄せないと、手を振った人以外が脱落しそうです。

 漂流者をこちらに寄せていると、皇女様が兵士を連れて来た。

「セリカさん漂流者ですか?」

「そうです、こちらに近づけていますので助けても良いですか?」

「海は助け合いなのでお願いします」

「はい。それとパレットさんはポーションを持っているのかな?」

「聞いて来ます」と言ってシンディーさんが走って行った。


 近く迄寄せたので、1人ずつサイキックスで甲板にあげた。

 全員で5人、男性1人で女性が4人だった。手を振った人も力尽きた様でダウンしてしまった。

「5人ですか。近くで船が沈んだのでしょうか?」

 皇女様は周辺にまだ漂流者がいないか見張りに情報を伝えている。

「セリカさん、初級ポーションを持って来ました」

 パレットさんがシンディーさんと一緒に来た。

「ありがとうございます。助かります」


 暫くすると1人目が目を覚ました。先程手を振っていた人物だ。

「はっ、此処は?」周りをキョロキョロしながら言った。

「此処はフソウ国に向かう貿易船の甲板です。漂流者みたいだったから一度此処迄あげてみた」

「助かった!! ありがとうございます。3日前に船が沈没して、どうにか脱出して協力しながら流されてました」

「皇女様、この人達は3日前から食べていないそうなので、お粥みたいのを作ってもらえますか?」

 皇女様は了承して、侍女を食堂に行かせた。

 他の4人も目を覚ました。

「皆気がついたみたいね。先ずはこのポーションを飲んで、少しは回復するから」

 5人にポーションを渡して飲んでもらい、その後は事情を聴くために食堂に移動した。

 パレットさんにはお礼を言って、部屋に戻ってもらった。

 食堂に着いてからは、落ち着かせるためにお粥を食べてもらいました。

「落ち着いたみたいね。一応あなたたちの事情を聴かせてちょうだい」

「私達は南アキ国から奴隷として東の大国のナーシ帝国に送られている所で、奴隷は100人程いました。

 途中で嵐に合い、船が沈没して、どうにか脱出して5人で協力してました」

 私はスマホのマップで国の位置を確認する。

 南アキ国はエンジプトより東に7つ向こうか、ナーシ帝国は東の端ね。


「私は同じ大陸のエンジプト王国の人間よ。

 貴方達の国より7つ程西にある国ね。

 それで貴方達はこれからどうしたいの?」

「私達は国に帰ってもまた奴隷となってしまうので、別の場所で暮らしたいです。でも奴隷紋があるのでまた奴隷になってしまうかもです」

 漂流者で手を振っていた娘が言って来た。

「一応2通り有ります。これから行くフソウ国、私の国のエンジプト王国の2国です。それは好きに決めて下さい。それと奴隷紋を消す方法は探しましょう。

 貴方達の健康状態を含めて鑑定させていただきますが、これは拒否権無しで行います。男性からやって行きましょう」

 男性の方を向き魔法を発動する。

「鑑定」

○ レイ  18歳 奴隷 転生者(日本)

      高速鉄道の機械技師

 魔法属性 火水土無

 スキル  物作り 修理 ダイヤ作成 

      鉄道業務全般

 状態健康 空腹 その他正常 漂流での疲れ有り

 その他  レイナの兄 レイナは元婚約者


 女性も見ていきます。

○レイナ  15歳 奴隷 転生者(日本)

      高速鉄道業務チーフパーサー

      車内販売の経験有り

 魔法属性 火水風無

 スキル  接客対応 販売士 教育者 

      鉄道業務全般

 健康状態 正常 漂流での疲れ有り

 その他  レイの妹 レイは元婚約者


○アンリ  13歳 奴隷 転生者(日本)

      大手和洋菓子店で製造、販売、商品開発

 魔法属性 火水風無 

 スキル  接客対応 パティシエ 酪農 生活魔法

 健康状態 栄養失調気味 漂流での疲れ有り 


○エーミ  16歳 奴隷 転生者(日本)

      薬剤師 化粧品製造の経験有り

 魔法属性 火水風光聖無

 スキル  薬師 錬金術 農業林業 薬剤師

 健康状態 正常 漂流での疲れ有り


○サシャ  12歳 奴隷 南アキ国 孤児

      薬師見習い

 魔法属性 火水風光聖無

 スキル  薬師 錬金術 農業 生活魔法

 健康状態 栄養失調気味 漂流での疲れ有り


 鑑定が終わった5人中4人が転生者とはなんてこったい。さてどうしよう。

「んーーー」

「セリカさんどうしましたか?」

 皇女様が心配そうに聞いて来た。

「一度この5人と私だけの6人で話しをさせていただけますか? 少しデリケートな部分があるので、第三者がいない方が話しが出来るのですが」

「わかりました。セリカさんがそう言うのであれば余程の事ですね。

 救助者とセリカさん以外は一旦外に出て下さい」


 私と救助者以外は外に出た。

「サシャさん以外久し振りのお米はどうだった?」

「美味しかったです。あっ」アンリが口を押えた。

 鑑定の結果サシャさん以外は転生者と伝えた。4人は自覚があったそうだ。

 それで5人を私の国に誘った。

 レイとレイナを鉄道に。

 アンリを甘味屋か屋敷のコック。

 エーミとサシャを研究室に。

 最後にレイとレイナが元婚約者であった事も言っておいた。本人達は知らなかった様でイロイロと確認している。

「私の自己紹介がまだでしたね。セリカ・ホーデンと言います。前世では機械メーカーに勤めていました。今はホーデン領領主の3女です。領の発展のためイロイロとしています。

 貴方達の奴隷紋は消す予定ですが、やり方がわからないので少し時間を下さい。

 今日はゆっくり休んで」


 私は一旦食堂を出て、皇女様に5人の部屋を借りた。最後の1部屋だったので5人一緒になってしまった。レイさんゴメンね。


 食堂の中ではアンリが言った。

「皆はどうするの? 私はあの人の所に行こうと思っているんだけど」

「皆で行ってみない? 信用出来そう出し、これからの事も考えてくれているから」

「そうね奴隷紋を消してくれると言ってたし」

「また鉄道に触れるのは良いな」

「サシャも一緒に行きます」

 エーミ、レイナ、レイ、サシャの順で言って来た。

「とりあえず2、3日考えようか、今は助かった事を喜ぼうよ」

 アンリが話しを纏めた。




 


ご覧いただきありがとうございます。

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