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鉄道が始まる

「セリカ、今週の末に鉄道を通す領主が集まるから準備をしといてくれ」

「はい」

 資料等の準備は出来ています。何時でも大丈夫です。

 鉄道模型は応接室に飾って有り、動かして遊ぶ事が出来ます。


       ー・ー・ー・ー・ー

 鉄道事業の話し合いの日になりました。

 出席者は、両親、隣の男爵、スバル夫妻、キズス領領主、スバル領とキズス領に挟まれた領主2名、宰相閣下とミウラちゃん、クオンさん、リンダさんです。

 

 先ずは、私から挨拶と話をします。

「本日はお集まりいただき、ありがとうございます。

 これから南部地域の西側に、鉄道と言う新しい乗り物を作って行きたいと思っています。

 これは、塩の子爵領迄の緊急輸送に対応した物で、通常時では旅客や貨物の輸送を行います。

 最終的には、西の公爵領の領都迄繋ぐ予定です。

 ホーデン領から王都迄の3週間から7〜8日を目指したいと思っています。

 先ずは、スバル領迄、その次はキズス領と段階的に試験をして開業としていきます。

 一応停まるところは、スバル領領都、キズス領領都、他は領に1つ駅を設置して、お客様を乗せたり荷物を運んだりしたいと思っています。

 路線としては、最短距離で動く様にします。

 私が描いた地図に路線図を追加して有ります。これを見ていただいて意見をいただければと思います。

 まだ、若干の変更は出来ます」

 皆が地図に描いて有る路線図を見ている。


「これは、儂らにメリットがあるのか?」

「メリットとしては」

○ 魅力的な物があれば、観光の誘致が出来る。

○ 特産品を別の領でも販売出来る。

○ さとう大根の輸送に多くの荷馬車での長距離移動が無くなる。

「以上がメリットになります」

「んーーー」

「そう言う事だったら、家の領都に寄せなくても良かったのでは無いか」

 キズス領主が意見してきた。

「それは、パレットさんが帰るのに便利かなと思っていただけなので、領都から離しても問題有りません」

「そうか、では馬車1日分を外に動かしてもらおうかな。その方が後々便利そうだ」

「わかりました」

 その後も話し合いが続き、大体の路線が決まりました。

「それで、線路で土地が分断されてしまうので、横断出来るところを作りたいのですが、領民の方々と話し合いを持っていただきたいです。全部は無理かもしれませんが、出来るだけ作ります」

「それに関しては、こちらで纏めよう」

 各領主が言ってくれた。

「ありがとうございます。クオンさんはどうですか?」

「物流が変わるのは、わかります。私共としては、嬉しいです」

「クオンさんには、レールを作っていただきたいです。仕様書はちゃんと出します」

「お待ちしています」

「リンダさんはどうですか?」

「魔導具に関しては大丈夫ですが、制御系が手間取りそうです」

「閣下はどうですか?」

「第一歩としては、いいだろう。先ずは、スバル領迄をしっかりとして欲しい。今までの事を思えば、それ程心配しておらん」

「ありがとうございます。最後となりますが、鉄道模型を準備していますので見ていただきたいです」

 部屋の隅に置いて有った模型を乗せているテーブルをサイキックスで、近くに持って来る。

「えっ」

 両親とミウラ以外が止まった。

「セリカ嬢、今のは船を動かした時と同じ魔法か?」

「そうですよ」

「そうか後にしよう。先ずは模型を見るから、説明を頼む」

 セリカは、鉄道模型の説明を始めた。

 先頭の車両に魔導具を付けて引っ張る車両として、後ろに客車や貨車を付けて走る事を伝えた。

 コントローラーが有るので体験して欲しいと言った。

 ミウラちゃんが最初にやり始めた。

「面白いね、魔力だけで動くんだ」

 他の人達も順番にやり始めた。

          ・

 話し合いと模型の体験が終了して、スバル家と宰相家以外は帰って行った。

 キズス家領主は、研究所に寄ってから帰って行った。


 応接室に残った人達で話しを始めた。

「セリカ嬢は、呪文を使わないのか?」

 宰相が聞いて来た。

「はい、最初の基礎の時だけです。後はイメージ、想像で行っています」

「お祖父様、呪文はもう古いですわ。セリカちゃんの寺子屋では、基礎を覚える時に使っているだけで、全てはイメージでやっています」

「ミウラもできるのか?」

「私は無属性が無いので移動は出来ませんが、属性魔法はイメージでやってます。セリカちゃんに習った方は皆そうです。お姉さん方、スバル姉妹、皇女殿下、フソウ国の人はイメージですよ」

「船の移動の時に近くにこさせなかったのは、隠すためか?」

 宰相閣下が聞いて来たので、答えた。

○ 集中力と魔力量が必要だったため邪魔されたくなかった。

○ ちょっとでも集中力が切れると船がひっくり返る。

○ 制御も8つ使っていた。

○ 人は解らないと相手が何をしていても、必ず聞いて来るので、それを避けたかった。

「以上の理由で、外から見てもらいました」

「聞いてばかりで悪いが、どれくらい制御できるんだ」

「全て違う大きさのウォーターボールで20ですかね」

「ミウラは?」

「同じ大きさで12迄出来る様になりました。

 違う大きさだと3で、それ以上だと大きさが変わったりします」


「ダイナ、どんな訓練をしたんだ。教えてくれ」

 ダイナは何も教えておらず、セリカが1人で魔法の訓練をしていた事を話した。

 最後にステータスの事をホーデン家とスバル家の秘密にしていた事を言い実際にやってもらった。

「訓練はともかく、これは言えんな。ステータスは秘密にしておこう。

 それで寺子屋の訓練は同じなのか?」

「そうです。毎日やる様に言っています」

 セリカが答えた。

「ミウラはこの訓練をやってどうだった?」

「スムーズで呪文より早く発動します。今までの訓練は何だったのだろうかと思います」

 話しが終わったので夕食になりました。

 この日はうなぎの蒲焼だったため、皆が喜んでいた。特にミウラが喜んでいた。

 宰相閣下は初めて食べたと笑顔で言っていた。







ご覧いただきありがとうございます。

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