お祭ですⅡ①
今年も豊漁・豊穣のお祭がやって来ました。
屋台とかをやるつもりはありませんでしたが、1か月前に商業ギルドとカゼットさんに頼まれて、やる事を決めました。 少し規模が大きくなり、甘味屋さんと一緒にやる事になっています。
昨年のラインナップに加えて、軽食と数種類の甘味を追加しました。
○復活のお好み焼き (ソース、マヨ、鰹節付き)
○フルーツ白玉あんみつ
○ホットケーキ (クリーム、バター、ハチ蜜)
○ホットドッグ (ケチャップ、カラシ)
○カレー (野菜とチキン、ライス 限定50食)
(レシピに無いセリカスペシャル)
○唐揚げ串 (醤油にんにく味)
○栗ようかん ○モンブランケーキ ○フライドポテト ○フルーツサンド ○寒天ゼリー ○肉まん ○あんまん
以上が追加商品です。
テイクアウトだけでは無く、イートインスペースも作りました。
参加者は私、ユーナ、シンディー、パレット、サツキ、メグ、甘味屋全員です。(敬称略)
カゼットさんは他の露店とかけ持ちです。
「それでは始まります。今日はいっぱい売りましょう。オープンします」
私は皆に声をかけた。
周りの屋台や露店も時間になったので、続々とオープンしていきます。 呼び込みをいたしましょう。 「いらっしゃい、美味しい甘味と軽食は如何ですか? 今年は沢山の種類が有りますよ〜。 見本を見て注文して下さい。見本を持って行った人には、お尻ペンペンしに行きますよ~」
周りの人達は笑っている。上手くいったかな?
今年の1番乗りはやっぱりコロナお姉ちゃんと友人達でした。
「セリカ来たよ。壺焼きとお好み焼き、肉まんをちょうだい」
「はい、ちょっと待って下さい」
お姉ちゃんの友人達も注文してます。 今年は最初から、行列が出来ています。
「お待たせしました。横にイートインスペースが有るので使って下さい」
「そうするよ、ありがとう。また後で来るね〜」
友人達とイートインスペースに行った。
1時間程やっていると、ユーナさんが声をかけて来た。
「お嬢、カレーが終わったぞ」
「えー、早いね。まだ1時間だよ」
「皆、限定品が好きなんだよ。見本の所にバツ印を入れて来てくれ」
「は~い」
見本の所で、売り切れのバツ印を入れていると、ステラお姉ちゃんが来た。
「セリカちゃん来たよ。何をしてるの?」
限定カレーが売り切れたので注文されない様にしてた事を説明した。
スバル家は、シフォンお姉ちゃん以外全員で来ていると言っていた。
「今年は、種類を増やしたので色々食べれますよ」 「種類が多いと迷いそうだよ。注文して来るね」
ステラお姉ちゃんが行った後、叔父様と少し話をした。話が終わるとイートインに行った。 叔母様に自分の分を頼んでいたようだ。
お昼近くになると、両親と視察団の人達が来た。 「セリカ、売れ行きはどうだい?」
「とても良いです。皆様に喜んでいただいています」 話をしていると、ユーナさんに呼ばれた。
「お嬢、もう少しで全部終わるぞ」
「嘘でしょう? 昨年の倍以上の仕入れだよ」
お父さんの方を向いてから言った。
「お父さん、早くしないと無くなるよ」
お父さん達は注文をしに行った。
お父さん達が注文を始めたので、私は最後の呼び込みをします。
「残りが少なくなっています。早いもの勝ちですよ。美味しい甘味と軽食は如何ですか?」
30分後、完売した。
「完売です。皆様ありがとうございます」
お客様や周りの人達にお礼を言った。
拍手や掛け声をいただいた。とても嬉しかった。
片づけをしていると、カゼットさんとコロナお姉ちゃんが来ました。
「様子を見に来ました。どうですか?」
「全部売り切りましたよ」
「「えっ」」
2人が固まった。コロナお姉ちゃんは膝から崩れ落ち、カゼットさんは直ぐに復活して、店長の所に行った。
私は、残しておいた壺焼きを持ってお姉ちゃんの所に行来ました。
「お姉ちゃん、1本だけ取っておいてもらったよ」 「セリカありがとう」
復活したみたいだ。美味しそうに食べている。
食べ終わったお姉ちゃんを巻き込んで片づけをしてから、女将の食堂で打ち上げと反省会です。
◆
食堂に着いてから、各々注文して揃った所で挨拶です。
「皆、お疲れ様でした。過去1の売り上げでした」
そう言って食事を始めました。
「やっぱり今年もパレットさんパワーがあったね。新しい化粧品を使って美人度が増したから」
「セリカさん、何を言っているのですか? そんな事は有りません」
真っ赤になって、照れながら言って来た。
「コックの2人はどうだった?」
「種類が多すぎで疲れた。もう少し少なくても良いな。それよりもカレーが出すぎだよ。お嬢何をやった」
「セリカスペシャルです。8種類の香辛料にリンゴとハチ蜜とウスターソースをプラスして、やっと納得のいく味になりました」
「お嬢様、コソコソやっていたので何かと思ったら、そんな事をやっていたのですか? レシピは残しといて下さい。再現させますから」
話をしていると、カゼットさんが来た。
「セリカお嬢様、ありがとうございました。見本市でもお願いしますね」
「今回だけじゃないの?」
「セリカお嬢様は、お祭の名物ですからやっていただかないと」
「え〜、折角甘味屋さんにメニューを移譲したのに。やっぱりお尻ペンペンが無いと駄目なの?」
全員が笑った。まぁ良い終わり方だから良いか。
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