お姉ちゃんが帰って来た
暑い日が続き、夏本番です。そしてカリーナお姉ちゃんがもうすぐ帰って来ます。嬉しいな。
皇女様は王都なのかな?
魔導具はついに、籾摺り器が完成しました。これでお米が簡単に食べれる様になるよ。
これから試験運転だ。
それと、オーブングリルと床置きの掃除機が販売になりました。
勿論、家のキッチンにも2台設置しましたよ。これで料理が増えるぞー。
新規の開発では、魔導三輪車、冷蔵庫、冷凍庫の仕様書を提出して話し合いをして、開発がスタートしました。
化粧品関係はパレットさんが、イロイロと始めました。自分からこれを作りたいと言って来ていますのでOKを出しています。毎日楽しそうにしている。
貿易ですが、秋から定期便になりそうです。細かいところは、まだ協議していますが大体の合意が出来ているそうです。
町中にフソウ国を知ってもらうためにパイロットショップを開くそうです。時期を見て王都にも開きたいと聞いています。
キックボードの関係は教育施設が出来上がりつつあります。お姉ちゃんの話を聞いてからルールづくりの最終決定となります。
今日は、カリーナお姉ちゃんが帰って来る日です。
シフォンお姉ちゃんや皇女様も一緒に帰って来るそうです。2日前に先触れがあり、コロナお姉ちゃんと一緒に玄関の外で待っています
馬車の音が聞こえてきました。
「コロナお姉ちゃん、もうすぐだよ」
門を通って玄関の前で止まり、カリーナお姉ちゃんが降りて来ました。
私とコロナお姉ちゃんは、抱きつきに行きました。
「お帰りなさい」
「ただいま、2人共元気そうね。変な事はしてない?」
「「してません」セリカはしたかも」
「ブーブーブー」
「セリカ、そんな可愛い顔しても駄目よ。
変な事は後で聞くわね。
お父さん、お母さんただいま」
両親に挨拶をしていた。
同じ馬車からスバル姉妹と叔母様、お祖母様、辺境伯様が来た。
一通り挨拶をして、中に入った。
カリーナお姉ちゃんに夕食は何が良いのか聞いたら海鮮が良いと言っていたで、新調味料を使った物にしよう。
キッチンに行って、海鮮のオーダーをもらったので、エビチリ、エビマヨ、魚のフライ、厚揚げで蒲焼風にしようと提案。サラダと豚汁、ご飯、刺し身を追加しよう。ユーナさんと段取りを決めてからスタートです。
夕食は、カリーナお姉ちゃんが喜んでいました。
良かった。ルバス家も喜んでいるようだ。
夕食後、子供達はセリカの部屋に、大人達はリビングにいた。
「ダイナ、ウナギが食べたいのじゃ」
「数日かかりますけど、宜しいですか? 通常では売っていませんので」
「この人数ですと25から28匹が必要となり、その後は泥吐きの行程があるので5日から7日ですかね」
「明日には帰るのじゃ、どうにかならんのか?」
「なりません。どうしてもと言うなら、御自分で取って来て下さい」
「ならレシピはどうなのじゃ」
「領内のみの公開になりましたよ。先日のギルドとの話し合いで決まりました。何故そんなにレシピに拘るのですか。どうしても欲しければ、セリカと話して下さい。それとレシピの写しは御自分で行なって下さい。秘密保持がありますから」
「キックボードはどうなのじゃ」
「先ず、製造はまだして無いので、在庫は0です。購入時に学科と実地の教育があります。それをしなければ登録出来ません」
「何故そんな面倒な事をするのじゃ」
「人の命を守るために教育をするのです。
キックボードはぶつかり、当たりどころが悪ければ簡単に死んでしまうこともあります。なので教育をします」
「ワシは乗れんではないか」
「販売が開始してからで、お願いします」
「もう良い、ワシは寝る」
リビングを出て、客間に向かった。
「義父上には、困ったものだ。自分さえ良ければ良いと思っている。もっと周りを見て欲しいよ」
セリカの部屋では、
「カリーナお姉ちゃん、学園はどうですか」
「楽しいわよ。シフォンちゃんと同じ部屋で隣が皇女様よ。反対側は同じ南の子」
「南部は南部で固まるのが通常なの?」
「そうよ、東西南北と侯爵家以上の王都に分かれるわね」
「そうなんだ。そういえば、荷物は届きましたか?」
「ちゃんと届いたわ、ありがとう。
石鹸とリンスは凄いわね、ツルツルでツヤツヤになるわ。シフォンちゃんと皇女様も喜んでたよ」
「お姉ちゃんに送ったのは最高ランクので、売り出すのとは少し成分が違ってるの。
お姉ちゃんのは、お米の糠を使ってますが標準品は木の灰を使っているのです」
その後も、公爵令嬢に絡まれた話、クラスで注目を集めた話、ドライヤーやキックボードの話の等いっぱいしてくれました。勿論、授業の話も聞きましたよ。
「セリカちゃんは、あれからウナギは食べたの?」
「1度だけ食べましたよ。1人1匹で」
「良いな。私達まだ食べて無いの」
「叔父様が、簡単に入る様に言ってましたよね」
「そうなんだけど。扱っていないって言われた」
「家もそうでしたよ。頼むと取って来てもらえる様にしてもらいました。泥吐き迄すると数日がかかりますね」
「もう一度行って頼んでみるよ」
ステラお姉ちゃんが少し元気になりました。
サンマやイワシで蒲焼風をやってみようかな。
「ステラお姉ちゃんは領都内でキックボードを使っているのですか」
「使っているよ。用事がある時は何時も使ってる。 最初持って帰った時、お祖父様が私のを持って行きそうになったのだけど、個人登録が有るから乗れませんと言っても聞かなくて、危うくタイヤがロックしそうになったよ。お姉様も同じ事されてる」
「本当にどうしようも無い爺さんだ。目先の事と自分さえ良ければ後はどうでも良いと思ってる」
「セリカさんと仲が拗れてから余計にそうなりましたね」
シフォンが呆れ顔で言って来た。
「フソウ国の物とか、手に入ら無いのが多くなって来たので、イライラしてるのかも?」
ステラも言った。
「今頃、お父さんにウナギとレシピ、キックボードを強請っていると思いますよ。却下されて客間に篭っているんじゃないですか?」
「セリカも言う様のなったわね」
カリーナが呆れている。
「あの人は、人の話を聞きませんから。それに自分は何があっても悪く無いと思っていますよ」
「それ、わかります。先日お父様に言われて反省すると言っていたのですが、今日同じ事をしてました」
シフォンが同調してきた。
廊下を歩いていた辺境伯はこの話を聞いてしまいショックを受け部屋に閉じこもった。
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