熱中症と海水浴
教会からお詫びの使者が来て手打ちと成り、私に言って来た人は他所の教会に移動になったそうです。
それと、お母さんには偽装がバレて仕舞いました。
私の様子を見ていて何かをしてると感じ取った様です。そこからお母さんの尋問が始まり、結局は話してしまった訳です。流石母親と言う事ですね。
そして季節は夏になりました。
魔導具のコンロ、湯沸かし器、アイロン、スティックタイプの掃除機が販売となりました。
人数が増えたので、開発スピードが早くなりました。暑くなってきたから冷蔵庫と冷凍庫を作ってもらおうかな? 帰ったら仕様書を書こうかな。
今日は、ユーナさんに頼まれたお使いです。夕食のおかずに私の好きな物を買って来いと言ったので、市場に来ました。
いつもの魚屋に寄ると、
「親父、どうした!!」
「お父さん、お父さん、目を開けて!」
中を見ると、魚屋のおじさんが倒れていた。
私は中に入り鑑定を使うと熱中症の初期症状だった。痙攣もお越している。
私は、2人に濡らしたタオルを数枚持って来てと指示を出してから、胸元のボタンを外して魔法で、冷風を送った。
「持って来ました」
「首の周り、脇の下、足の付け根の股間側に置いてあげて。
サツキさん、私の水筒に塩分補給水が入っているから用意しといて。それと、どちらかはお医者さんを呼んで来て」
「はい」
男性が出ていった。
暫くするとおじさんが気がついた様だ。
「んーあれ、目眩がしてふらっとして」
「お父さん、急に倒れたからビックリしたわよ」
「おじさん、これ飲んどいて。多分熱中症だから塩分が足りていないから」
「すまねぇ」
おじさんは、サツキさんからカップを受け取り、ゴクゴクと飲んだ。
「もう少し、横になっていた方が良いよ」
「悪いな、そうさせてもらうよ」
「親父、先生を連れてきたぞ」
「おう、心配かけたな。少し復活した」
「大丈夫そうだな。ビックリしたぞ」
「先生も悪かったな、嬢ちゃんに助けてもらったよ」
「嬢ちゃん?」
お医者さんが、私を見た。
「セリカ様、対応ありがとうございます」
お医者さんが私に頭を下げた。
「先生、頭を上げて。おじさんは熱中症の初期症状だから、そろそろ痙攣も治まってきたはずよ。
先に見てあげて」
お医者さんは、おじさんの診察を始めた。
診察を終えると、お医者さんが私の所にきた。
「セリカ様、適切な対応ありがとうございます。
それで、何かを飲ませたと言ってましたが?」
私は、塩分補給水の事と熱中症の症状となった時の対応の話をした。お医者さんは熱中症の事をあまり知らない様だ。
「おじさん、大丈夫みたいだから行くね」
「嬢ちゃん、迷惑かけたから魚を持っていってくれ。お礼だ」
「そう言われたら断れないわね。今日のオススメは何?」
「今日は、太刀魚がいいぞ」
「本当に、私は太刀魚が好きなの!!」
「そうなのか、お~い包んでやってくれ」
沢山の太刀魚を持った私を見てユーナさんがビックリしていた。
この日の太刀魚は最高に美味しかった。
太刀魚の日から3日後、お父さんに呼ばれました。
呼ばれた理由ですが、塩分補給水の事でした。
何でも、今年は熱中症の患者が多いので、予防として販売して欲しいと言わました。
レシピとしてなのか、製造品にするのか話し合いましたが、決着がつかないので、クオンさんを呼ぶ事になりました。
翌日、クオンさんとカゼットさんが来て、今回の経緯から話ました。結局は、両方になりましが、レシピ販売は、全国公開となりました。医療に関係するので全国公開の方が後々の事を考えると一律でやった方がいいそうです。
2人が帰った後、直ぐにレシピと熱中症の症状や予防に関してのレポートを書き、お父さんに確認してもらってから、商業ギルドに登録をした。
この時書いたレポートは、国の医療関係者に衝撃が走ました。これにより熱中症による死亡者が激減しました。
熱中症騒動も終わり、今日は家族とパレットさんやメイドさん達と海に来ました。
5歳になったので海の中に入る許可をもらいました。但し足がつくとこ迄です。
休憩所も作ったよ。
準備運動をしていると、お姉ちゃんが言って来た。
「セリカ、なに変な事してるの?」
「足が攣ったりしない様に、準備運動をしているの」
「えー大丈夫だよ。深いとこには行かないから」
「やっといた方がいいよ」
「先行くね」
お姉ちゃんはさっさと行ってしまった。
私も行こうかな。
お姉ちゃんとパレットさんと遊んでいると、お姉ちゃんが止まった。
「どうしたの?」
「右足攣った。痛い」
一旦、浜迄戻ってから、お姉ちゃんの攣った方の足を伸ばしてあげた。
「ありがとう。もう良いみたいだから、少し休むよ」
お姉ちゃんは休憩する所に行った。
海に戻って平泳ぎ、クロール、背泳ぎをして泳いでいた。
お昼を食べてから、浜を散歩していると太めの木がが倒れていた。
「これを使って何か出来ないかな?」
海で遊ぶ物を考え始めた。
「そうだ! 波乗りボードを作ろう」
イメージをしてモデリングを発動させ、数分後にサーフィンボードを小型にしたのを作った。
ボードを持って海に行き、うつ伏せになって手で、漕いで波の良さそうなとこへ進む。
良さそうな所に来たら立つ準備をして波を待つ。
「おっ来そうだ」
波が来たので、素早く立って浜に向かって波に乗って行く。浜の近く迄来るとボードから降りて、また波のきそうな所に行って、ボードに乗って戻ってくる。
「結構楽しい」
「セリカ、何してるの?」
浜近く迄戻って来ると、お姉ちゃんが私の側に来て言った。
「波乗りして遊んでるの」
「面白そう! 私にも貸して!」
「良いよ。丁度休憩しようとしてやから」
お姉ちゃんにやり方を教えてから、浜にあがり休憩をした。
体力がまだ少ないので、疲れて30分程寝てしまった。
起きて周りを見ると、お母さんが波乗りボードに乗っていた。お姉ちゃんは、私の隣で寝ている。
暫く、ボーっとしていると、お母さんがやって来た。
「セリカ、これ面白いわ。今度私のも作ってね」
「はい」
結構気にいった様だ。
そろそろ夕方近くなったので、帰る事になった。
今日、初めての海水浴はとても楽しかった。
やっぱ海は良いね。
数日後には、何故か波乗りボードが流行っていた。
町の誰かが私達のを見て始めたらしい。木工細工の親方のところにも注文がいっぱい入るそうだ。
活性化することは良いことだよね。
王城では。国王と宰相が話をしていた。
「レシピ登録がされ、今回は全国一律となりました」
「領内のみなのにどうしてだ?」
「熱中症と言う症状の予防と初期症状への対処のためです。詳しくは、レシピと一緒になって発表されたレポートをご覧下さい」
国王にレポートが渡され、読み始める。
・
「良く出来ておる。これは医療の現場で役に立つ物だな。この様な事まで知っているとは、一度話してみたいものだ。それと、この塩分補給水を王城と学園でもでも採用しよう。これからの季節に必要だ」
「はい、直ぐに手配致します」
国王は、この事で再度王家に取り入れをするか考え始めた。
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