塩と豆腐
炊飯器、精米機、ドライヤー、ヘアアイロン、フードプロセッサーが販売されました。
炊飯器と精米機はフソウ国向けがメインになりそうです。(クオンさんは、結構な数を発注してます)
レシピの登録後の公開はホーデン領の店舗のみになりました。(一部のレシピは契約により特定の店舗のみ公開)
これに関しては反発もありましたが、理由を説明したら納得をいただけました。
レシピ公開の方針が決まったので、登録していなかったのを全て登録しました。
貿易に関しては、皇女様を乗せて来た船が出港した後に、入れ違いでクオンさんの荷物を積んだ船が入って来ました。まだ完全に定期的なものではありませんが第1歩としてスタートしました。
(お米は入ってきたのかな? そろそろ無くなりそうなんだよね。後で聞いてみよ)
今年も見本市が開催されました。私がやっていた甘味は、カゼットさんに移管したので今年は参加していません。ギルドの人や町の方が残念がっていました。
私がやっていた屋台は、お祭の名物だったそうです。秋のお祭は是非参加をと言われました。
私は今、キッチンで塩を作っています。ついでにニガリもです。スマホで作り方を調べて、メモしたのを見ながら作っています。
勿論、大豆は夕べから水に浸けていますよ。豆腐とワカメの味噌汁を食べたくなったのです。
豆腐作りの型は、木の端材で作ってキッチンに置いてあります。
今回は、塩、豆腐、厚揚げ、油揚げを作ります
海水を鍋に入れて煮詰めていき、最初の白いものを
濾して除去します。
もう1度洗った鍋に入れ、再加熱してニガリと分けます。
「塩が出来てきたぞ! もうすぐだ」
「お嬢、出来たか?」
ユーナがやって来た。
「もうちょっと」
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「ヨシ、濾そう」
コンロを止め、濾す作業をする。
濾す作業が終わったら、今回は火と風の魔法で乾燥させます。
・
「出来たー。ユーナさん、シンディさん味をみて」
皿に盛ってから、2人に渡した。
味をみた2人は、
「苦くない。塩なのに甘みを感じる」
「岩塩とは全然違いますね。味が柔らかいです」
「そうでしょ、まろやかなのが海の塩の特徴なんだよね」
豆腐作りを始めます。
○ 水に浸けていた大豆をフードプロセッサーで細く
してドロドロ状態します。
○ 濾して、豆乳とおからに分けます。
○ 豆乳を鍋に入れて、温めます。
(沸騰させない事)
○ 温めたらコンロを止めて、ニガリを入れて混ぜ
る。10分から15分程、固まる迄待つ。
○ 型に大きめの布を敷き、固まった豆腐をオタマ等
で、型に移し敷いた布で包む様にして、型の内寸
サイズの板を乗せて、重しを乗せて水を切る。
○ 水が切れたら、桶に水を張り、出来た豆腐をさら
しておく。完成
豆腐を2丁出し、1丁は横に半分に切り、もう1丁は1cmの厚さで切って置く。
油揚げ
○ 低温の油で揚げる。きつね色になったらだす。
○ 高温で揚げる。 濃いきつね色になったら出して
油を切る。完成
厚揚げ
○ 高温の油で揚げ、ひっくり返しながらきつね色に
なったら出して、油を切る。
油揚げのカリカリ焼き
○ 油揚げを斜め、または真半分にしてフライパンで
カリカリになるまで焼く。
○ おろした大根、生姜に醤油をつけて食べる。
大根おろしとおろし生姜、刻んだネギ用意して皿にのせて、醤油を用意する。
「出来たので、試食しましょう」
3人で試食を始める。
「こんなもんかな」
「さっぱりとして良いな。暑い日にはぴったりだ」
「美味しいです。大豆がこの様になるなんて」
「おからを使うの忘れてた、後で作るよ」
「豆かすも使うのか?」
「そうだよ、ダイエットにもいいよ」
「「そうなのか!!」ですか!!」
突然の大声で、ステレオ状態で聞こえたよ。耳が痛い。
「そうだよ、ハンバーグに混ぜても良いし、サラダにしても良いよ。豆腐だってステーキにして醤油ベースのソースにすれば美味しいよ」
「シンディ、量産するぞ。まだ戻した大豆があるから全部豆腐にしよう」
「はい、やりましょう」
「お嬢、豆腐の料理を幾つか教えてくれ」
「はいはい、考えておくね。その前に塩の事を報告してくるよ」
塩を持ちキッチンを出て、執務室に行く。
コンコンと執務室のドアをノックする。
「セリカです」
「良いよ」
執務室に入る。
「どうした?」
「海の塩が出来たので、持って来ました」
「もう作ったのか」
「はい。これがそうです」
お父さんの執務机に置く。
「これがそうか。岩塩に比べてサラサラした感じだな」
指に塩をつけて舐めている。
「ちゃんと塩だね。岩塩よりも美味しいかもしれない」
「海の栄養が入っていますから。それでこれがレシピです。ただ、この方法は大量生産が大変かもしれません。もう少し考えてみます」
「わかった。急がなくていいから、これで道が出来たよ。ありがとうセリカ」
「はい。これで失礼します」
執務室を出て、一旦自室に戻った。
おから料理
○ おから入りハンバーグ
○ 卯の花
○ おからのサラダ
○ オークとおからの炒め煮
○ おからの焼売
○ おからとじゃが芋のコロッケ
○ おからとほうれん草の酢みそ和え
○ おからクッキー
○ おからのホットケーキ
豆腐料理
○ 豆腐ステーキ
○ 豆腐のサラダ
○ 餡掛け豆腐
○ 炒り豆腐
○ 卵とじ豆腐
○ 揚げ出し豆腐
○ 肉屋豆腐
○ 冷奴
○ がんもどき
○ カプレーゼ
○ 白和え
○ 味噌汁
厚揚げ料理
○ 照り焼き
○ みぞれ揚げ出し
○ 味噌炒め
○ 肉巻き
○ 筑前煮
○ お酢煮
○ 卵とじ
○ 蒲焼風
○ 肉詰め
油揚げ
○ 味噌汁
○ 卵巾着
「こんなものでいいや。後は選んでもらおう」
キッチンへ向かった。
「戻ったよ〜」
「おう。何を作るんだ」
ユーナが聞いて来た。
「卯の花は作るけど、レシピ書いてきたから作りたいのを選んで」
ユーナにレシピを渡す。
「凄い沢山あるぞ。シンディー選ぶぞ」
「はい。どんなのがあるか気になります」
2人は選び始めたので、私は卯の花を作り始めた。
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「卯の花は終わり。さて決まったかな?」
2人はまだ迷っている様だ。
「決まったの〜」
「全部作りたい」
「そうです」
「決まりそうにないから、豆腐のステーキとオークとおからの炒め煮、白和え、味噌汁、カプレーゼ以上」
「わかった。シンディー作るぞ」
「はい」
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夕食になりました。
「今日は白いのが多いな」
「フソウ国から買った大豆と言う豆の料理です。すり潰して使って、豆腐と言うものにしてから使っています」
「じゃぁ新作なのね」
お母さんがニコニコしながら言って来た。
お父さんの合図で食べ始めた。
「このステーキはさっぱりして良いね」
「カプレーゼと卯の花が良いわ。幸せね」
お姉ちゃんは静かです。ステーキは3枚目です。
今回も好評で良かったよ。
王城では、
「陛下、魔導具が1部販売になりました。炊飯器、精米機は主にフソウ国向けですね。
ドライヤー、ヘアアイロンは女性用、フードプロセッサーは厨房向けです」
「そうか」
「レシピですがこれからは、ホーデン領の店舗のみ公表と成りました。1部店舗のみの公表もあります」
「どうしてその様な事をするのだ」
「先ず人の流動性が下がる事、その場所に行かなければ食べられない物が有った方が良い。それを食べたいから行ってみようと成りますが、全国一律ですとその場所で終わってしまうとの事。
次に人のレシピばかりを当てにして料理人が、ただ料理を作る人になってしまう事。
料理人は職人なのだから自ら新しい物をつくりだ出さないといけない。
その土地によって美味しい物はいっぱい有るのでそれを知るのも料理人である。ただ作るだけならゴーレムでも出来る。だそうです。
それと、王都では、レシピの味の劣化が激しいと聞いています。街中は勿論ですが、王城のパーティーでも料理を下げたと聞いています。美味しい方に進化していれば、流石王都だけあるなと成りますが、これでは、公表する意味が無いので領内に限定します。
これは、ギルドとの話し合いに置いての発言だったそうです。これにおいてギルドも納得しております」
「これは事実なのか」
「はい」
「新年パーティーでは、私が確認して下げさせました。料理長は交代をして、新しい料理長には私自ら話をしています」
「そうか、王城は良い。これからだな。街中に関しては王都名物を作るのに新作料理大会でもやるか?」
「面白そうですね、何処かの部署に企画させましょう」
「最初は、腹が立ったが段々と冷静になれた。目先の事に囚われていた様だ。王都は王都の人間で作って行かなければならんな」
「その通りです。良い物は取り入れても良いかもしれません」
ほっとした宰相であった。
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