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辺境の転生三女 田舎暮らしを満喫したい  作者: トシボー


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セリカからの贈り物

 新しく来た魔導具師の人達は新しい工房に入り、リンダさんも無事引っ越しをしました。

 仕事の割り振りも終わり量産に弾みがつきそうです。フードプロセッサーとドライヤー、ヘアアイロンは量産しましょうとリンダに言った。

 石鹸とリンスは、カゼットさんに渡してテストしてもらっています。

 カゼットさんに作るのが早すぎると言われてしまった。

 海藻関係は順調のようだ。寒天ゼリーがお土産で人気が出て製造が追いつかないそうです。

 手荒れ防止薬クリームも製造が追いつかない程の人気で、近隣の領からも買いにくる事が多いと聞いています。

 調味料の関係は製造量が少ないために領内の1部の料理店での使用になっています。

 パレットさんには、新しく米糠を使った化粧水等を作ってもらっています。


 そろそろカリーナお姉ちゃんに石鹸が届く頃なんだけどな。



 寮に帰って来ると、受付の職員さんに荷物が届いていると言われ、受け取るとセリカからだった。

 部屋に持ち帰り開けようとするけど手が止まった。

 セリカの事だからビックリさせようとして何かしてそうで怖い。

「カリーナさんどうしたのですか? 開けないのですか?」

「セリカが何か仕掛けてそうで怖い」

「そんな事しませんよ」

 意を決しって荷物を開けた。中には、四角いのが10個と瓶が3本、封筒入っていた。

 封筒から中身を出して読んで見る。

「えー」

 思わず叫んでしまった。

「どうしたのですか」

「セリカの新作で、体と髪を洗う石鹸と洗った後、整えるリンスと言うのを送って来た。

 それで手紙に使い方が書いてある」

 手紙をシフォンちゃんに渡した。

 手紙を読んだシフォンちゃんが

「面白い物を作りましたね。今晩試してみましょう」


 お風呂の時間になり、石鹸とリンスを持ってお風呂に行きます。

「カリーナさん、その瓶は何ですか?」

 皇女様から質問が来た。

「セリカから石鹸とリンスと言うのが来たので使ってみようかと思って」

「相変わらず面白いですね、セリカさんは」


 お風呂場に着き、服を脱いで洗い場に来ました。

 さて使ってみましょう。

 タオルと石鹸を濡らしてゴシゴシする物凄く泡立って来ました。

 タオルで体を洗っていると、いつもより気持ち良く洗えます。

「シフォンちゃん、皇女様これ凄く良いです。使ってみて下さい」

 シフォンと皇女様が使い始めてビックリしている。

 さて髪を洗ってみましょう。

 髪と地肌もちゃんと洗って流します。いつもより汚れが落ちています。

 一旦少し拭いてから今度はリンスです。お湯に瓶の中身を少し入れて、かき混ぜてから髪に揉み込む様につけて行きます。髪全体をやったら15分程待ちます。

 シフォンちゃんと皇女様は、私の真似をしてリンス迄やっています。

            ・

 時間になりました。リンスを洗い流してから髪を拭きます。


 部屋に戻って来てから、ドライヤーで乾燥させて行きます。

           ・

 乾き終わりました。今までと全然違います。指通りも良く艶も出てます。鏡で見ても全然違うのがわかります。

「シフォンちゃんどうだった? 私凄く艶が出てるのだけど」

「私もです。いつもと違います」

「カリーナさん」

 皇女様が飛び込んで来た。

「これ凄いです。髪がツヤツヤで肌がツルツルです」

 私も肌を触って見る。

「本当にツルツルだ。それにいい匂いがするよ」

「花かハーブですね。落ち着く様な匂いです」

 シフォンがうっとりしてる。

「本当にセリカさんは良い物を作ります。フソウに連れて帰りたいです」

「遊びに行くのは良いですけど、持ち帰りは駄目です」

「冗談ですよ」

「荷物を分けるますか、石鹸が3個と瓶が1本ずつで分けましょう。余った石鹸は皇女様の侍女さんに」

「良いのですか?」

「あの目をみたら、あげませんとは言えないです。 それと、ドライヤーとヘアアイロンの販売が早まりそうです。セリカの手紙に書いてありましたよ」

「「やった〜」」侍女さん大喜びです。


       ー・ー・ー・ー・ー

 朝起きて、鏡を見て見ると艶はそのままでした。

 櫛通りも良く引っかかる事がないので、物凄く気分が良いです。

 学園に行こうとして寮の玄関を出た時に、

「そこの貴方達、待ちなさい」

 呼んだのは、入寮の時に騒いでいた公爵令嬢だった。王女殿下は一緒では無いようだ。

「何でしょうか?」

「貴方達の髪はどうしてそんなにツヤツヤしてるのですか?」

「石鹸で洗っただけですが」

「その石鹸を寄越しなさい」

「何故?」

「キー、私が寄越せと言っているのですから寄越しなさい」

「ところで、貴方様はどちら様でしょうか? 初めてお会いしましたが」

「私を知らないのですか?」

「はい、知りません。王都なんて年に1回数日いる位なので」

「キー、何処の田舎貴族ですか。私は公爵令嬢ですよ」

「だから何ですか? 人の物を強奪するのが公爵令嬢の仕事なのですか?」

「カリーナさんその辺にしておきなさい」

 皇女様に止められた。

「この国の公爵令嬢と言うのは、程度が低いですね。人にたかるなんて」

「貴方は誰ですの?」

「私は、フソウ国第4皇女ミラージュですが、これ以上の友人への狼藉は許しません。この場で断罪しましょうか?」

「皇女殿下・・・断罪・・・申し訳ありませんでした」反転して走って行ってしまった。

「皇女様ありがとうございます」

「いえいえ、友人を助けたかっただけです」

「そう言ってもらえて嬉しいです」

「あれは、サンニッチ公爵家の令嬢ですね」

 シフォンちゃんがボソッと言った。私にはちゃんと聞こえたよ。


「さぁ行きましょう。今日は魔法の実技ですよ」

 皇女様はいつも元気だ。まるでセリカの様だ。

 皇女様、ありがとう。

 

 

 


 

 

ご覧いただきありがとうございます。

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