デスゲームの作り方2 ルール作りは大胆に(3)
翌日。
昨日より考える時間が多く与えられたあたしは禁止事項についての案を書き出していた。
(今日と明日で完成させればいいか)
心にも余裕があるから、ゆっくり進められる。二日間で完成させられる気は一切ないけれど。
ただ、椅子取りゲームを基準としたゲームだ。ケンカもけがもきっと出てくる。
ましてや参加する椅子取りゲームは命がけだ。暴力で解決させる参加者が出てくる可能性もある。
いいや、可能性ではなく確実だろう。
あたしはノートの一番後ろのページを見た。
……。
…………。
………………。
……………………真っ白。
書かれているものがあるとすればノートに入っている線ぐらいだ。
真っ白と言えるだろうノートに禁止事項案を書き出す。
参加者や運営側への暴力。進行妨害の禁止。
それから……。
(禁止事項ってそんなにないのでは?)
気づいてはいけないところに触れてしまった感がとてもする。
いいや、少ないとは思っても他に出てくるかもしれない。
ただ今のあたしには思いつきそうにない。
思いついたときにまたやろう。
(ある意味)1日で終わらせることができたので、次のステップに進む。
☆★☆★☆
次は椅子取りゲームの細かいルールだ。
音楽はあとで決めよう。曲はよくわからないし選ぶのも難しくないはずだ。
(椅子取りゲームかぁ)
小学生になってもレクリエーションでたまにやる遊びの一つだった。
小さいときはあまり問題が発生しなかったけれど、学年が上がるにつれて抜け穴をついてゆっくり歩いたり、止まったりする人が増えたために年齢が上がるにつれてやらなくなった例の一つでもある。
(……!)
――誰もが通る道であろう、椅子取りゲームで起きていた事件を完全に忘れていた。
曲が流れている最中にとてもゆっくり歩かれたり止まったりする。
その抜け穴を覚えていて再び突く人だっているに決まっている。
あたしはノートに簡単にメモをした。
【椅子取りゲームのルール(途中段階)】
〈全体ルール〉
・参加者は全国から選ばれた、12歳から18歳までの男女30人。
・椅子取りゲームとルールは同じなので、省略する。
〈禁止事項〉
・他の参加者やゲームマスターなどに暴力をしてはいけない。
・曲が流れている最中に止まったり、他の参加者に迷惑がかかる速さで歩いたりしてはいけない。
・ゲームの進行を止めるような行動をしてはいけない。
これでルールが完成した。
だいぶ早いが、己龍から承諾を得ればすべてが終わる。