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デスゲームが出来るまで!  作者: どこぞの悪鬼
デスゲームの作り方
8/33

デスゲームの作り方2 ルール作りは大胆に(2)

(体育……)


 体育…………。


「ほら、ヒカル。走らなきゃだめだよ」


 体育の授業で恒例の行事。グラウンド2周。

 ()()()がつくほどに足が遅いあたしは現在、月見に散々煽られながら走っていた。

 あたしのいる学校の体育の授業は男女で別れている。それを踏まえてもクラスのみんなは走り終えていた。

 しかし、あたしと月見はまだ半周もある。月見は平均ぐらいの走力はあるので実質たしがダントツで最下位だった。


「走るって言われても、こっちは本気なんだよ⁉」


「おっそ。そりゃあダントツで最下位になるか」


 いつものストレートな毒舌をくらったところで、あたしは先生に聞こえない程度に声を張った。


「そうだよ! 悪かったね‼」


 たとえ恒例行事を終えたとしても体育の授業は続くので、その後も渋々と授業を受けた。

 これでも一応全力なのだ。ルールなんて考えている暇も余裕も一切なかった。

 それは家庭科の授業も同じで、6時間も考えられた絶好の機会は半分以上が授業に溶けてしまっていた。

 4時間目の国語の時間になる。

 1時間目の英語では、大まかなルールは考えられた。けれど、細かいところも付け加えた方がいいのだろうか?

 ……わからない。

 こうなったら、あいつに聞いてみるか。

 結果、あたしは何一つ手を付けなかった。

 禁止事項に手を付けていればよかったことに気がついたのは、放課後のことだった。




               ☆★☆★☆




 ――放課後。独裁者の部屋にて。

 あたしは細かいルールまで作った方がいいのかを確認していた。


「もちろんだよ、ヒカル君。最悪の場合は完成しなくても問題ないが、基本的にはお願いしたい。……あ、できなかった場合は罪として指の何本かを切断させていただくから気をつけてね」


(「ちゃんと作れ」って言えばいいのに……)


 そんなサイコパスみたいなことを口にしなくてもやるのにと思いながら、あたしは部屋を出た。




               ☆★☆★☆




(ルール、今のうちに考えた方がいいよね)


 家のベッドで大の字になって一人の時間を満喫しながら部屋で考え事をする。

 とりあえず、簡単なルールは決められたから次は禁止事項の決定だ。


(…………やりたくない)


 ただし、家には誘惑が多かった。

 動画投稿サイトにある大量の動画。チャットアプリにある友達のメッセージ。さらには大好きなマンガやゲームもある。

 一日のすべてを費やしても終わることのないほどだ。

 このままでは、作業をする時間がない……!

 ――待てよ?

 集中できないのなら、やらないのも一つの手ではないのか?


(家ではやらなくていっか‼)


 作業は学校で集中して取り組もう。

 そうなったらあとは早い。

 あたしはベッドでくつろぎながらスマホを手に取った。

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