表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デスゲームが出来るまで!  作者: どこぞの悪鬼
デスゲームが出来たなら
27/33

デスゲームが出来たなら3 結論だけを重視して(2)

『……っ! これ――――』

  

 ずるり、と。

 人が落ちる音がした。


『……? どういうこと……?』


『え、その。意味がわからない……』


「文字通りだよ? あたしは彼を()()した。……これを言うのは針通さんも含めて2回目かな?」


 参加者たちの顔がみるみると青くなっていくのが想像つく。

 このタイミングで()()するの?

 これが()()

 あの子はどうなったの?

 今にもそんな声が聞こえてきそうだ。


「どーせ始末するんだからさ、タイミングなんてどーでもよくない?」


 少しでも気を紛らわせるためにかけた言葉で平静さを取り戻す人なんて、誰もいなかった。

 さすがに話を変えないと。

 でも、その内容が見つからない。

 どうやったら、参加者たちが少しでも元に戻るか。

 あたしにはわからない。

 わからないから、よくある物語のゲームマスター像を浮かべた。

 浮かべたから、話の続きをした。

 間違っているのはよくわかっていた。


「みんな、沖くんが()()されたという事実で終わりかけているんだろうけど、沖くんが()()された理由。わかってるよね?」


 参加者の顔がより青くなっていく様子が頭の中に浮かんでしまう。


(これは言い過ぎたか……?)


 でも事実だし、言わなければいけないことなので諦めるとしよう。

 そして疑問はもう1つ。


(あたし、完全に悪役になっているような……?)


 今更というほど、とっくのとうになっているのでこれも諦めることにする。

 そういうことなので、再びあたしは話を続ける。


「沖くんは他の参加者と部屋が被っちゃったから()()された。……てことは、他にもいるってことなんだよねー、()()されちゃう人」


 あたしはホームボタンの『始末』の名前入力欄からその人の名を打ち、真っ赤なボタンを押す。

 何とも言えない声を出して、彼女はこの世を去った。


「2番! 恋田(こいだ)可愛(えの)ちゃん!」


 返事はなかった。

 それもそうだった。

 だけど、他の参加者の声も聞こえなかった。




               ☆★☆★☆




「3番、佐藤(さとう)(あおい)くん!」


『……はい』


 威勢のいい、正義感が強そうな男の子だった。

 たぶん小学生だろう。


「4番、田村(たむら)悠真(ゆうま)くん!」


『はーい』


 随分と面倒くさそうに返事をした男の子だった。

 普段クラスではうるさいポジションな気がする。


「5番、吉岡(よしおか)ひかるちゃん!」


『はい!』


 あたしと同じ名前で、少し愛着がわいていた。

 名前の通り、明るそうな女の子だ。

 彼女は、月見の次に失敗してほしくなかった。


「6番!」


 海堂(かいどう)(みなと)くん。駒澤(こまさわ)心晴(こはる)くん。

 二人は心底驚いていた。

 まさか自分が間違えてることなど思ってもみなかったのだろう。

 その二人に向かって、あたしは真っ赤なボタンを押す。


「7番!」


 西(にし)夏乃亜(かのあ)ちゃん。

 うわふわとした雰囲気を纏った女の子だ。

 男子からも女子からも一定の人気がありそうな少女だった。




               ☆★☆★☆




 順番に参加者の名前を呼ぶ。

 それは朝に健康観察をしているかのようだ。

 でも、探しているのは体調の悪い人ではない。

 確認するのは、これから()()される人たちだ。




               ☆★☆★☆




 彼女の名前を呼ぶのは最後だった。


「30番! 夢見(ゆめみ)ツキヨちゃん!」


『……はい』


 当の彼女は参加者の中で一番冷静だと思う。

 デスゲームをやっているのにの関わらず、彼女はそれを感じさせない態度を取り続けていた。


(もしかしたら、本当に怖がってないんじゃ……⁉)


 もしそうなら、どんな精神を持っているのだろうか。

 彼女の様子には度肝を抜かれる。



               ☆★☆★☆




 そして、月見の始末はなしで1回目のゲームは幕を下ろした。

 今はつくしさんが()()された人たちの後片付けをやっているだろう。

 終了したらこちらに電話が来るはずだ。

 1回目で()()された参加者は12人。

 禁止事項違反も含めたら13人だった。

 残った参加者は17人。――ノルマ達成まで、あと12人だ。


(最初にしてはかなりハイスペースなんじゃない……⁉)


 最初の1階でここまで削れたのは、あたしにとって嬉しいような悲しいような複雑な気持ちだ。

 タンスの中にあったメモ帳とペンを取り出して、移動後の部屋の入居者を書いた。




 01:友井遥  02:     03:佐藤葵 04:田村悠真 05:吉岡ひかる

 06:     07:西夏乃亜 08:    09:佐々木(ささき)(しゅん) 10:音波(おとわ)風音(かざね)

 11:神崎(かんざき)妃真(ひま) 12:     13:廣瀬(ひろせ)(もも) 14:     15:草薙(くさなぎ)碧斗(あおと)

 16:     17:松林(まつばやし)一馬(かずま) 18:    19:弥勒院(みろくいん)(れい) 20:

 21:     22:     23:柴田(しばた)(うみ) 24:     25:朝日奈(あさひな)理人(りひと)

 26:     27:氷室(ひむろ)晴馬(はるま) 28:    29:山田(やまだ)朝日(あさひ) 30:月見

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ