デスゲームが出来たなら2 信じない者に恐怖を(3)
『終わったのであれば、他の参加者に報告してください。これで恐怖心を植え付けることもできるでしょうしね』
「……はい」
では、とつくしさんは電話を切ろうとする。
「……あの」
『何ですか? クワハさん』
「…………怖く、ないんですか?」
『…………』
つくしさんはそこまで冷酷な人ではなかったはずだ。
それこそ、「恐怖心を植え付ける」とか、そんなことは言わないはずで。
つくしさんは正義感がとても強く、誠実な人だ。そして何より、デスゲームに月見が参加すると知ったときに己龍に歯向かってくれた。
……そんなつくしさんが、淡々と人の殺し方を説明していることが不自然だった。
『……えぇ、確かに怖いですよ。私が止められなかったせいで、子供たちが始末されているのですから』
つくしさんのせいじゃないです。と言おうとしたけどやめた。
今は話を聞くのが第一だ。
『……でも、少しだけ期待してるんです』
あたしの中に疑問符が浮かぶ。
『…………実を申しますと、私は己龍さんのことが嫌いです。この独裁システムもやめてほしいと考えています』
いつも冷静なつくしさんが、今だけは早口になっていた。
それもそうだと思う。だってそんなこと、誰にも話せないだろうから。
『だから、このゲームの参加者の皆様とクワハさんには、ぜひともあの人に勝ってほしいんです』
『……陰ながら申し訳ありません。ですが、私はクワハさんたちを応援しています』
あたしは電話を切った。
何と伝えればいいのかよくわからなかった。
残り時間に築いて、あたしは急いで『回答』をした。
☆★☆★☆
アラームが鳴った。
つまり、次にやることは2つ。
あたしは首元のチョーカーから参加者の全員に電話をかける。
「はぁーい、どーお? 情報収集は出来たかな?」
あたしが声を上げると、何度目かわからない参加者たちの批判的な言葉が続く。
ただ、そんな声など気にしちゃいけない。
「まず1個ご報告。このコールタイム中、参加者の一人が旅館から出ました。これにより、禁止事項違反で始末済みです」
参加者たちの声が大きくなる。
その声はどれも震えていた。
「そんなことある訳ない」とか、そういう系ばっかりだ。
だから言ったじゃん。とあたしは声を大にする。
「これはただのデタラメなんかじゃない。正真正銘のデスゲームなんだよ……! 始末した彼女の様子だって見せることができる…………‼ わかった⁉ 君たちが生き残る道は、これをクリアするしかないの‼」
……もう始末した彼女にも声が届くように。あたしはさらに声を大きくした。
これが1つ目。そしてもう1つ――。
「コールタイム開始から10分が経ちました。今から『椅子の指定』に入りまーす。選択を間違えて、後悔しないようにね?」
そう。
今から参加者たちの運命の時間が始まる。




