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デスゲームが出来るまで!  作者: どこぞの悪鬼
デスゲームが出来たなら
21/33

デスゲームが出来たなら1 「本物」だって伝えよう(2)

「メッセージに送ったのは簡単な内容だよー。1回目のゲームでは口頭で詳しく説明するし、椅子の指定以外の時間だったら質問も受け付けられる。どうしてもわからなくなったときはこのルールを開いてみてね」

 

 あたし――クワハは大きく息を吸い、ついにゲームの開始を宣言した。

 そして、今は細かな説明に入っている。

 参加者の声は未だに聞こえる。

 うるさかったので、チョーカーによって首元から出る音のボリュームを最小に設定した。


「食事は1階の食事亭に。お風呂は1階の入浴室か、部屋にある風呂場を使ってね。あ、入浴室はもちろん男女別に区切られてるよ

 服や下着はタンスに入ってる。足りないときはそれを着てね。他にわからないことがあったら、『31』に電話するように」


 一通りの説明を終えると、無音のはずの空間から一人の男の子の声が聞こえた。

 あまり慣れないことにそれは首元からだった。


『バカげてる。そんなの嘘に決まってんだろ? 俺は帰るぜー』


(……もうちょっと静かにしてくんないかな。あたしも運営側だけどさ、嫌でこれをつけてるんだよね)


 あたしにも参加者と同様に首元にはチョーカーが着けられていた。正直言って慣れないし、とても首がかゆい。だけどとっても便利で、あたしからだけに限るがこのチョーカーには電話をする機能付きだ。


『そうだ……! これは嘘に決まってる‼』


『クワハは己龍の名前を使って遊んでるだけだよね?』


『そんなことするのなら己龍を殺してくれよ……!』


 最初に声を荒げた男の子をきっかけに、次々と参加者が非難の声を上げる。

 音は最小にしているはずなのだが、たくさんの声が重なって首が細かく震えている。

 話すこともままならない中、あたしは大きく息を吸って、普通だったら絶対に聞こえない位置にいる参加者たちに呼びかけた。


「あーあ、うっさいなぁ。本当に黙ってくんない? おまえらが声を荒げるせいで振動起きてんだよ。それで話せなくなってんの。」


『そんなの知ったことかよ‼』


「あなたにとってはどーでも良くても、あたしにとっては大惨事なの。わかる?」


『……あなた、己龍の名前を使っておいて、何も恥ずかしくないので? 所詮はただの嘘っぱちでしょう?』


 一人の男の子に代わって嫌味を多く含んで話し出した女の子には、続けて「なんて愚かなこと」と嘲笑しているのが目に見えた。


「考えてるよ? じゃなけりゃ、こんな依頼受け付けてないってー。考えてないのはあたしじゃなくて、君たちの気持ちだよ?」


『……っ』


 女の子は何も言わなくなった。言い争いに勝ったときに出てくる、あの甘くてふわふわとしたような感覚に陥る。


『……あの』


 他の参加者がデスゲームの存在を怪しんでいる中、突然一人の少女が声を上げた。


『「ゲーム開始10分前にコールタイムが始まる」と書いてあるけど、肝心のゲーム開始時間が明記されていない。だけど、1日に行うゲームの回数は指定されている……。具体的な日時は今わかるの?』


 それは今まで、といっても10分もない時間で初めてのタイプの質問だった。


『……ちょっと、あなた本気で受け取っているつもり⁉』


『どうせ嘘なんだから、そんなことよりも別の質問をしろよ‼』


『本当かどうかはわからない。でも、このまま続けても埒が明かないのは事実でしょ? だから私は話を進めるために質問した。……それに悪いことなんてある?』


 彼女の言う通りだ、とあたしは思った。

 それはデスゲームを進めるために必要だと思っていた質問だったから。


「……具体的な日時は不明。あたしが始めようと思ったら全員に連絡をするよ。だから参考になるのは放送だけ。わかった?」


『うん。ありがと』


「いえいえ。こちらこそ話を進めてくれてありがとねー」


 あくまで初対面の、ゲームマスターと参加者としての関係性でいられるように、慎重になりながら彼女と話す。


(月見……)


 だってその質問をしたのは月見だったから。

 あたし――()()()が、あたし――()()()だってバレたら、そのときは首元の振動で話せなくなるときに比べて100倍以上の大惨事が待っている。


(絶対に、気づかれないようにしないと……!)


 今こうやって接して改めて感じたことだった。このことは深く心に刻んでおこう。


「……他に質問はない?」


 次の質問を確認する。ゲームマスターとして、やらなければいけないことだった。

 少しガヤは聞こえるが、質問はなさそうだ。

 あとで確認したいことができれば聞くといい、3()1()()に。

 それができない参加者が生き残れるとは考えられない。

 自分の行いを反省して、始末されるといい。


「じゃあ、早速だけど、始めようか」


 最初はこのタイミングで行うと決めていた。


「ゲーム開始15分前になりましたー! コールタイムを開始しまーす‼」


 音を最小にしていても聞こえていたガヤは、あたしの合図でぴしゃりと止んだ。


「どうして15分前からかって? そりゃあ、説明しなきゃいけないことがあるからね。5分で説明を終わらす。10分前になるまでは、質問はNGで。それを行った奴は――」


「――()()、するからね?」

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