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デスゲームが出来るまで!  作者: どこぞの悪鬼
デスゲームの作り方
2/29

デスゲームの作り方1 参加者は公平に(1)

 翌日。

 昨日は己龍によって4時間目から学校に行くことになったが、今日はそんな都合のいいことにはならなかった。

 今はその3時間目。そして嫌いな国語の時間。

 つまり眠いのだ。

 国語の先生はおばあちゃんで、毎回「とても」がつくほどに授業の進みが遅い。

 いつもテストに間に合うか否かギリギリのところなので、テストが近づく度にハラハラしていた。

 もう少し早く進めてくれ、といつもは思っているけど今日はそうならなかった。


(この時間にルールを考えれば!)


 ナイスタイミング!

 あたしは心の中でいままでしたことがないほどに感謝をしていた。

 ……まあ、授業は放棄するけれど。

 こればかりは仕方ないじゃないか。

 3か月以内にルール作りが終わらなかったら、みんなと永遠にサヨナラなんだから。


(始めよっと)


 あたしはノートの一番後ろのページを開いた。




             ☆★☆★☆




(嘘でしょ……)


 これは予想外の事態だ。

 ――内容が一切思いつかない。

 ノートは真っ白のままである。

 正直、デスゲームは物語の中でも好きなジャンルだった。

 あのハラハラ感。最後のさいごまで真実がわからないドキドキ感。

 物語上ではワクワクがたくさん込められたものだった。

 でも、実際に考えるとなるとまるで話にならない。


(ルール説明なんて、別にそれほど必要じゃないと思うけど……)


 ……聞いてみるか。

 つまり、今日できることはない。

 あたしはノートを閉じる。


(無理なものは無理だ。明日やればいい)


 心に言い聞かせ、あたしは教科書を読み始めた。

 大丈夫、問題ない。

 まだ時間はたくさんある――。


「――朝陽さん?」


(……⁉)


 先生はあたしの机の真横で立っていた。

 不思議そうに眺める先生を前にし、あたしは目を見開く。


「大丈夫? 何回も声をかけたのよ」


「はい、別に問題ありません。少し考え事をしていました」


「そう。しっかり」


 クラスメイトの笑い声が聞こえる。それをあたしは無視して教科書を読み続けた。

 先生は教卓に戻り、再び授業を始める。


(放っておいてくれ……)


 その言葉は、心にとどめておいた。




             ☆★☆★☆




 そして、授業が終わった。

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