デスゲームの作り方4 最後まで入念な準備を(2)
「それなら、もう決めてあるよ」
(……え?)
そんなこんなで得た己龍の回答は、まさかの「もう決めてある」。
ゲームの雰囲気と全然違っていたらどうしよう。
そう考えているあたしに、彼は1枚の紙を差し出す。
何枚かの写真が載っていた。
写真に写っているのは普通の旅館だった。
「宿泊部屋は33室だそうだ。……ヒカル君の分もきちんと1部屋用意しているから、安心してほしい」
「は、はい……」
あたしは疑問に思っていることがあった。一体どこで椅子取りゲームをするというのだろうか?
「……椅子取りゲームができるホールはどこにあるのでしょうか?」
「――君の作ったルールには『椅子の数はすべてのゲームにおいて変動しない』とあるだろう?」
それは、あたしが特殊なゲームにするために工夫した最大の点だった。
「このゲームで本来の椅子取りゲームと決定的に違う点はここだ。椅子の数が変動しないということは、本来のようにしたら1回戦で生き残りの参加者が確定してしまう。
しかし、トータルは10回戦だ。……そこに何かしらの意図が含まれているのだろう。
つまり、椅子を置かなくても成り立ってしまうのを。いいや、椅子を置けば成り立たない椅子取りゲームを君は考えた。……私は間違ったことを言っているかな?」
あたしは唾をのんだ。
――――正解だ。
彼は既に、あたしが3週間かけて考えたルールの違和感に気づいていた。
どうやら、彼は簡単には倒させてくれないらしい。
もしかしたら、己龍は既に今あたしが考えているルールの具体的な内容を察しているのかもしれない。
「……言われてみれば確かにおかしいですね」
「つ、つくしさん⁉」
「ずっといましたけど?」
一方で、本当に申し訳ないが存在を忘れていた秘書――つくしさんは気づいていなかった。
「もし良かったら、来週の日曜日に下見に行かないかい?」
「え、いいんですか?」
「もちろんだよ。それで、もっと良いルールの案が閃くかもしれないからね」
己龍はそう言いながら微笑んだ。
あたしは家に着いてすぐに予定が入ったことを伝えると、自分の部屋で動画配信サイトを開いた。




