デスゲームの作り方3 日常生活も大切に(2)
そのまま時は流れていき、1時間目の数学の授業が始まった。
テストも近いので、今までの復習に時間が当てられていたのだが――。
(――テストがあるの忘れてた!)
定期テストまで残り5日。
その中には土日も含まれているが、絶対に提出しなければいけないワークも、それ以外の自主学習も一度もしていない状況。
(最悪だ……!)
すべてのワークが1ページも進んでいない。
それも全体で150人もいる中で、中の上より上を取らないと1週間の「お母さん特製☆ 勉強合宿」というわけのわからない企画をさせられる。
この合宿(?)は既に二度やらされたことがあった。
一言で言うなら、とても地獄だ。
このままでは、再び地獄が始まってしまう。
ふいに、あの男の顔が浮かんだ。
あの顔。
己龍こと、独裁者「己龍コウ」の顔だ。
あたしに好きな男子などいるはずもなく、浮かぶ男の顔といったら父親かそいつの二択だった。
(あいつめ……!)
頭の中で独裁者は笑っている。
それも苦笑ではない。キラキラとした、気色悪い笑みで。だ。
(あたしのことを一切考えないで話を進めやがって‼)
独裁者なのだから、諦めるしか方法はないだろう。
(絶対に終わらせてやる!)
ふつふつとした熱が心の中で沸き上がる中、黙々と数学のワークに手を出した。
☆★☆★☆
授業が終わったところで、進捗状況を確認する。
……8ページ。
数学だけでも残り20ページ以上あった。
つまり――。
このワークを終わらせるには、あと2時間も必要だと言うのか……⁉
10分休みが始まっているので、他の教科を含めた残りのページ量を見る。
……約120ページ。
あたしのペースは50分で8ページ。
…………すべてを終わらせるのにかかる時間は、およそ12時間半。
どうやら、休日に勉強しかできないことが確定してしまったようだ。
「ヒカルー。ワーク、順調に終わってる?」
あたしは自分の状況を一度流し、「月見は?」と聞いた。
「ぼくはもう全部終わらせてるよ」
「早くない?」
「で、ヒカルは?」
「ついさっき手を出し始めました」
「遅くない?」
あたしは心の中でこう思う。
(あいつめ、自分のことだけを考えやがって‼)
こう思うのは今日で2回目だった。




