デスゲームの作り方2 ルール作りは大胆に(4)
「……大量の修正が必要だね」
それが己龍の答えだった。
「いったい、何がいけなかったのでしょうか?」
本音を言えばルールの制作を破棄したいがそうともいかない。
加えて、残り2か月ですべて完成させなければいけないので、あたしは改善点を聞いた。
「まず、題材の椅子取りゲーム。それだけだと味気ないね。もっとひねり出したようなアイデアを生み出してほしい。それと、『ゲームの進行を止めるような行動』だけではなく、『ゲームの進行を遅延させる行為』も追加してくれ」
その後も、あたしは己龍に膨大な量の修正点を伝えられた。
めちゃくちゃ要約すると、「題材がつまらないからもう一度考え直せ」ということだ。
――やり直しである。
(今までの1か月の意味は⁉)
あたしはつくしさんを見た。
目はあったのだが、すぐに逸らされた。
☆★☆★☆
――――わからない。
(どうしたらいいの?)
今までの1か月が無駄になったルール。その提出期限が残り2か月を切っている。
ただ、いくら考えてもぱっと浮かばない。
人に協力してもらうのも許されないから、参考にすることなんてできなかった。
たった一人で全部完成させないと。
そう言い聞かせながら国語のノートの一番後ろのページを開く。
白紙のままだ。新たな閃きもない。わかりきっていたことであった。
『椅子取りゲームだけではつまらない』。
もっと考えて、あいつを楽しませられるゲームの内容を見つけないと。
失敗したらあたしが死んじゃう。
(なんで『嫌だ』って言えなかったんだろうなぁ)
あたしに任されていたものはとても大きなものだったんだ。
気づくのが遅かった。「遅い」を超えて「遅すぎた」とさえ言えるかもしれない。
最初に断っていたら、普通の生活ができたかもしれないのに。
受け入れてしまったから友達を守ることを諦めてこうして己龍のためにルールを作っている。
後戻りはできない。
考えることもできない。
あたしはノートを閉じた。
これがスランプってことなのだろうか。
……慣れているわけではないしスランプではないか。
だったら、何と言う現象だろう?
よくわからない現象に陥って1日目。
内容は一切閃かず、そんなことばかり考え続けていた。




