39話:何気ない時間
付き合って半年が過ぎたけど、しおりは相変わらず可愛い。
いや、むしろ日が経つごとに可愛さが増している気がする。
俺のことを好きでいてくれるっていう安心感と、それでもドキドキさせられる不思議な感覚。
そんなことを考えながら、今日はしおりの家に遊びに来ていた。
「ねえ、映画観よ? この前、面白そうなの見つけたんだ」
しおりが俺の隣にちょこんと座りながら、スマホで映画のタイトルを見せてくる。
俺は彼女の顔をちらっと見て、思わず笑ってしまった。
「ん? なに?」
「いや、しおりって映画観る前からめっちゃワクワクしてるよな」
「だって楽しみなんだもん!」
ぷくっと頬を膨らませる姿が可愛くて、つい頭をぽんぽんと撫でる。
すると、しおりは「もう!」と言いながらも、満更でもなさそうに目を細めた。
映画が始まると、しおりは夢中になって画面を見つめる。
でも、途中でふと気づいた。
さっきまで普通に座っていたはずのしおりが、いつの間にか俺の肩にもたれかかっている。
「……寝た?」
小さな寝息が聞こえてくる。
そっと顔を覗き込むと、しおりは完全にリラックスしていて、無防備な表情で俺の肩に寄り添っていた。
「……かわいすぎるだろ」
誰に聞かれるわけでもないのに、小さく呟く。
俺は動かず、そのまましおりの髪をそっと撫でた。
こんな何気ない時間が、一番幸せなのかもしれない。




