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33話:久しぶりのデート

しおりと久しぶりに会える日。

約束の時間より少し早く待ち合わせ場所に着いた俺は、スマホを見ながら時間を潰していた。


「はじめ!」


元気な声が聞こえ、顔を上げると、しおりが笑顔で駆け寄ってくる。

寒さでほんのり頬が赤く染まっていて、マフラーをぎゅっと握る仕草がなんだか可愛らしい。


「待った?」

「いや、今来たところ」

「ふふ、それ絶対待ってたやつだ」


そう言って、しおりは俺の隣に並ぶ。


「久しぶりに会えて嬉しいな」

「俺も」


自然と笑みがこぼれる。



「今日はどこ行く?」

「特に決めてないけど、しおりはどこか行きたいとこある?」

「んー…久しぶりだし、のんびりお散歩でもしながら決めよう?」


そう言って、しおりは俺の袖をちょっとだけ引っ張る。


「寒いから、どこかで温かいもの飲むのもいいかもな」

「いいね!じゃあ、カフェ探そ?」


少し歩いたところに、落ち着いた雰囲気のカフェを見つけた。

温かいコーヒーを飲みながら、しおりの仕事の話を聞く。


「最近、ナレーションの仕事も増えてきたんだ」

「そうなのか?」

「うん。キャラクターを演じるのとは違うから、新鮮で楽しいよ」


しおりは楽しそうに話す。

忙しくても、ちゃんと仕事を楽しんでいることが伝わってきて、俺も自然と嬉しくなる。


「はじめは、最近どう?」

「まあ、仕事は相変わらずって感じだけど……しおりと会えないのはちょっと寂しかったな」


思ったより素直に言ってしまい、少し気恥ずかしくなる。

しおりは一瞬驚いた顔をした後、ふわりと笑った。


「…私も。だから、今日はたくさん一緒にいようね」


その言葉に、胸が温かくなる。


カフェを出た後、しおりの提案で公園を歩くことにした。


「寒いけど、こうしてのんびり歩くのもいいね」

「そうだな」


公園のベンチに座ると、しおりが隣に寄ってきた。


「はじめ、手、冷たくない?」

「まあ、ちょっとな」


そう言うと、しおりがそっと俺の手を包み込んだ。


「え?」

「こうすれば、あったかいでしょ?」


驚いたけど、しおりの手は温かくて、思わずそのまま握り返してしまう。


「……ほんとだ。あったかい」


しおりが微笑む。


「会えなかった分、今日はちゃんと近くにいたいの」


その言葉に、俺の胸がドキッとする。

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