30話:初詣デート
冬の澄んだ空気の中、神社へと続く道を歩く。
付き合い始めて初めての年明け。しおりと一緒に迎えられたことが、なんだか特別に感じた。
「初詣なんて久しぶりかも」
「俺も。しおりは毎年行くの?」
「ううん、忙しいと行けなかったりするから、こうして来るのは久しぶりかな」
境内に近づくにつれ、少しずつ人が増えてきた。
屋台の明かりが灯り、甘い香りや焼き物の香ばしい匂いが漂ってくる。
「すごい人だな」
「ね、でもお祭りみたいで楽しい!」
しおりが楽しそうに屋台を眺める姿を見て、ふと手を繋ぎたくなる。
だけど、そういうことにはまだ少し慣れなくて、俺はポケットの中で拳を握るだけだった。
本殿の前まで進み、並んで手を合わせる。
しおりが何を願っているのか、ちらりと横目で見ると、真剣な表情だった。
「…何をお願いしたの?」
「えっと…それは秘密!」
「そっか」
俺は心の中で「しおりがこれからも幸せでありますように」と願っていた。
せっかくだし、おみくじ引こう!」
「よし、どっちが運がいいか勝負だな」
おみくじを引き、開く。
「やった、大吉!」
「俺は…中吉か」
「ふふ、でも十分いいよね」
しおりが嬉しそうに微笑みながら、おみくじを結ぶ。
「寒いし、甘酒飲まない?」
「いいね、温まりそう」
屋台で甘酒を買い、並んで一口飲む。
温かい甘さが体に染み渡る。
「はじめとこうして新年迎えられて、なんだか幸せ」
「俺も。しおりと一緒にいられる年にしたいな」
そう言うと、しおりが恥ずかしそうに笑った。




