29話:クリスマスデート
ついにクリスマス当日。私は早くから準備をして、しおりさんとのデートに備えていた。
普段の仕事の疲れも、この日のために乗り越えてきたと思うと、気持ちが軽く感じられる。
午後、しおりさんとの待ち合わせ場所に着くと、すでに彼女はイルミネーションの下で待っていた。白いコートを着て、顔を少し赤らめながら微笑んでいる姿が、とても美しかった。
「しおり、待たせてごめん」
「ううん、全然。はじめが来るのを楽しみにしてたから」
彼女は笑いながら私に手を差し出してくれた。私はその手をしっかりと握り返すと、二人で街を歩きながらクリスマスの雰囲気を楽しんだ。
「今日は何をしようか?」
しおりさんが笑顔で尋ねてきた。
「うーん、イルミネーションを見に行こうかな。あとは、ちょっと美味しいものでも食べに行こうか」
「いいね、イルミネーションも楽しみだし、ディナーも楽しみ!」
しおりさんの目が輝いていて、私も嬉しさがこみ上げてくる。
夜が深まり、街はさらに幻想的な雰囲気に包まれていた。私たちはイルミネーションの広場に到着し、そこでしばらく立ち止まった。周りにはカップルが多く、特別な一日を楽しんでいる様子が伺えた。
「すごいきれい…」
しおりさんが息を呑むように言うと、私もその景色に心を奪われた。目の前に広がる光の海は、まさに夢のようだった。
「しおりと一緒に見れて、よかった」
私は素直にそう言った。しおりさんも微笑んで、少し照れくさそうに答える。
「私も、はじめと一緒に見れて嬉しいよ」
その言葉が、温かく私の胸に響く。
クリスマスの夜、二人はお互いにとって一番大切な存在だと実感した。そして、帰り道でしおりさんが言った言葉が、私の心をさらに温かくさせた。
「これからも、ずっと一緒にいてね」
「もちろんだよ」
「約束だよ」
「うん、約束」
二人の手がぎゅっと握られ、未来へと続く約束を交わしたクリスマスの夜。




