26話:恋人になって迎える朝
目が覚めた瞬間、隣に誰かがいるわけでもないのに、胸の奥がじんわりと温かかった。
クリスマスも近づくこの時期に、しおりと恋人になった。
今まで推しだった彼女と、恋人として過ごす日々が始まったなんて、まだ信じられない気持ちだった。
枕元に置いていたスマホを手に取り、画面を確認する。
時間は朝の8時過ぎ。まだ少し早いかもしれないけど、しおりはもう起きてるだろうか?
迷った末に、『おはよう』 とだけメッセージを送ってみた。
数分後、スマホが震える。
しおりからの返信だ。
『おはよう、はじめ!もうすぐクリスマスだね』
「…はじめ、か」
今まで『横田さん』と呼ばれていたのに、付き合い始めた途端に名前で呼ばれるようになった。
その事実がやけにくすぐったくて、スマホを握る手に少し力が入る。
『うん、街もイルミネーションとか増えてきたな』
少しの間があって、またすぐにメッセージが届いた。
『ねえ、今日はお休みだよね?お昼、一緒にどう?』
「……っ!」
思わず布団の中でガッツポーズする。
付き合ってからまだ間もないけど、しおりから誘ってくれるのがすごく嬉しい。
『もちろん!どこか行きたいところある?』
送った瞬間、すぐに既読がつく。
そして、少ししてから返事が来た。
『んー、特に決めてないけど、はじめと一緒ならどこでもいいな』
「…ずるいって、それは」
独り言が漏れた。
しおりはこういうことをさらっと言うから、本当に油断ならない。
『じゃあ、美味しいお店探しておくよ』
メッセージを送ると、「楽しみにしてる!」と返ってきた。
この短いやり取りだけでも、昨日までとは違う距離の近さを感じる。
「……よし」
布団を蹴飛ばし、勢いよく起き上がる。
鏡を覗くと、思っていたよりも顔がにやけていて、自分で自分が恥ずかしくなる。
それでも、しおりと会えると思うと、そんな気持ちすら吹き飛んでしまうのだった
誤って他の話を投稿してしまいました。
本当に申し訳ありません




