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第1話:雨の中の出会い

初めて書きましたのでおかしなところも多いかもしれませんが飲み込んで欲しいです。

「見知らぬ人を助けたら、推しだった。」


――第1話:雨の中の出会い――


 冷たい雨が降る夜だった。


 仕事帰りの俺は、駅からの帰り道、人気ひとけのない路地を歩いていた。傘を差していても、服の裾が濡れて肌寒い。早く帰って熱いシャワーを浴びたい……そう思って歩みを早めたその時。


 「っ……くそ……」


 どこかから、小さく苦しげな声が聞こえた。


 俺は思わず足を止め、辺りを見回す。暗がりの中、街灯の明かりが届かない場所に、うずくまる影があった。


 「大丈夫ですか?」


 声をかけると、その影はわずかに動いた。傘を傾けながら近づくと、そこにはフードを深く被った女が座り込んでいた。雨でぐしょ濡れになっているが、フードの下から覗く横顔はどこか見覚えがある気がする。


 「……足、ひねったみたいで……」


 女は苦笑しながら足をさする。どうやら転んで動けなくなっているらしい。


 「病院行きます? それともタクシー呼びます?」

 「いや、大丈夫……ちょっと休めば……」


 そう言いながらも、女の顔は苦痛に歪んでいる。


 (放っておけないな……)


 俺はため息をつくと、しゃがんで彼女の肩を支えた。


 「ほら、立てます?」

 「えっ……いや、悪いよ……」

 「いいですよ、困ってる人を見捨てるわけにはいかないんで」


 そう言って顔を覗き込んだ瞬間――俺の思考はフリーズした。


 (……えっ? ちょっと待って?)


 暗がりで気づかなかった。でも、近くで見れば見間違えるはずがない。


 この顔、この声、この雰囲気……


 間違いない。


 俺の推しだ。

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