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テンシンランマン

 俺は職員室へ向かう。


 「はぁ。やだな、絶対怒られる。」


 職員室の前に着き、ノックをする。


 「失礼します。二年二組の古賀大河です。慧先生に用があって来ました。」


 「おぉ、来た来た! とりあえずこっち来なさい。」


 既にもう怖い。


 俺は覚悟を決め、慧先生の方へ行く。


 「はい、これ。」


 「え?」


 すると、慧先生は俺に恐怖を与えるのではなく、何かのパンフレットのような物を渡してきた。


 「これは部活動についての資料。今日のうちに一つだけでも体験しに行ってみて。」


 「は、はい。分かりました。」


 俺は安堵した。


 そして、そのままその場を離れようと後ろを向いた。


 「待ちなさい。」


 「ひっ…。」


 「私の英語表現の時間、ずっと寝てたみたいだけど、君は一体どんな夢を見てたのかな? 」


 俺は蛇に睨まれたカエルのように、何もできなかった。


 「す、すいません。少し疲れてました…。」


 俺は言い訳をせず、素直に答えた。


 「はぁ。」


 慧先生は幾つかの意味合いがこもったようなため息をついた。


 「まぁ、新しい高校に来て、初めての経験ばっかだったもんね。今回は許してあげる。さ、教室戻りな。」


 「は、はい。」


 俺は職員室を出て、安堵のため息をした。


 ---全校集会開始から十分後


 「ブツンッ」


 突然、スクリーンに映った中継映像が途切れる。


 どうやら故障してしまったらしく、映像が映らなくなってしまった。


 「仕方ない。みんな、視聴覚室に移動して。そこのスクリーンを使おう。」


 慧先生が機転を利かせ、クラスの生徒達は視聴覚室へ移動した。


 「二年二組さーん。大丈夫ですか?」


 画面越しに校長先生から安否確認があった。


 「すぅーーーーー。」


 クラスの俺以外の全員が耳を塞ぐ。


 「大丈夫でーーす!!!」


 誰かがスクリーンの前でとてつもなく大きい声で返事をした。


 教室と同じ席順に座っていたため、俺は一番後ろの席に座っていたが、それでもかなり耳鳴りがした。


 「おぉ…。いつも元気にありがとう。」


 スクリーンには耳を塞いだ校長先生先生が映っていた。


 「こら! 元気なのはいいけど、二年生になったんだから少しは落ち着きなさい。」


 「はぁーい。」


 スクリーンの方を見ると、慧先生に怒られる萌さんの姿があった。


 どうやら、さっきの大声は俺の前の席の萌さんが出したらしい。


 「ほら、萌、席に戻りなさい。」


 萌さんがこっちに向かってくる。


 「ごめんねー。急に大声出しちゃって。えっと、古賀君だよ…ね?」


 萌さんが話しかけてきた。


 「は、はい。古賀大河です。名前覚えててくれたんですね。」


 「まぁね! 私は羽賀萌! よろしくね!」


 イメージ通りの天真爛漫さだった。


 「はい、よろしくお願いします。」


 「ねぇねぇ! 急なんだけどさ、部活動って決まった? もしよかったら今日私の部活体験しに来ない?」


 いきなり萌さんが少し体を近づけ、誘ってきた。


 「孤独人は目を瞑ると会える君に良い悪戯をしたい」を読んでいただき、ありがとうございます。


 第六話は古賀が萌さんの誘いに乗り、「色々」と体験をします。


 次の話が掲載され次第、もしよかったら読んでみてください。

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