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ハズカシサ

 またしても俺は堀さんの後を追いながら歩く。


 「…あ、そーだ。そーいや、慧先生が集会終わったら職員室来なさいって言ってたよ。」


 「え?なんでですか?」


 「なんでって、あんたさっきの授業中ずっと寝てたからでしょ。」


 俺は血の気が引き、体がゾワッとした。


 中学の時と同じなら、きっと慧先生もかなり怖い。


 「ま、まじですか…分かりました。」


 「あと、学年集会で自己紹介もさせるから考えといてっても言ってた。」


 俺は嫌な予感しかしなかった。


 ---体育館到着


 各クラスの生徒達が、体育座りで周りの人と駄弁っている。


 どうやら二学年の生徒数はざっと三百人過ぎくらいのようだ。


 「はーい、二組が来たので集会をはじめまーす。」


 マイクを持った名前の知らない先生からの開始の合図があり、集会が始まった。


 ---数十分後


 「んじゃ、次は転校生の紹介をします。」


 周りの生徒のほとんどが体育座りで寝ている中、自己紹介のタイミングが来た。


 「え…?転校生?」


 「男子?女子?」


 さっきまで寝てた人達が一斉に起き始め、ザワザワし始めた。


 「んじゃ古賀君。前に来てください。」


 俺は立ち上がり、歩き始める。


 「お、おぉ〜。」


 朝と同じ、百点中五十点くらいの反応だった。


 「古賀大河です。よろしくお願いします。」


 俺は粋がらず、普通に自己紹介をした。


 「!!」


 俺の目の前には、体育座りでスカートの中が見えてしまっている女子生徒達がいた。


 勿論、手で隠している人もいたが、半数以上は油断して隠していなかった。


 「ゆ、夢の中だから、別に大丈夫だよな?」


 俺は見逃さないように、しっかりと目に収めていった。


 「はい、んじゃ、古賀大河君はうちの二年二組に所属してるので、話したい人は話しに来てねー。」


 慧先生が隣に来て、そう言った。


 「…こら、スカートの中覗かないの。」


 「?!?!」


 慧先生は誰にも聞こえないように小声で言ったが、集会中でマイクを持っている為、丸聞こえだった。


 「え?い、いや、見てませんよ!!」


 体育館には二学年の生徒達の少し引いたような「ははっ」という笑い声が響いた。


 慧先生は申し訳なさそうな顔をしつつ、笑っていた。


 多分、慧先生は意図的にやったのだろう。


 「うわー、俺の学校生活詰んだかも。…でもまぁ、夢の中だし、無問題って事にしとくか。」


 「はーい、んじゃ、これで学年集会を終わります。次の全校集会は教室のスクリーンを通じてやるので、教室に戻ってください。」


 これからの俺の学校生活を暗示させているかのように、生徒達が次々といなくなっていく。


 「よ、へーんたい。」


 堀さんが話しかけてきた。


 「最悪ですよ、本当に。しかもこれから職員室行って説教って。」


 「でも、本当は見てたんでしょ? 目線がバレバレ。」


 「…はい。どっちも自分のせいなんで腹括ります。」


 「ふふふっ」


 堀さんは普通に笑った。


 誰もいなくなったと思っていた体育館の中には、人が数人残っていた。


 「孤独人は目を瞑ると逢える君に良い悪戯をしたい」を読んでいただき、ありがとうございます。


 第五話は、新しい出会いがあります。


 次の話が掲載され次第、もしよかったら読んでみてください。


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