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オキヅカイ

 「はい! これあげる!」


 綾は俺に白いカーディガンをくれた。


 「明日雨降るから少し肌寒いだろうなーって。だからこれ着て行って! ぶかぶかの方可愛いかなって思って大きめのやつ買ったから、お兄ちゃんでも着れると思う!」


 「ありがとう。今度何か返すよ。」


 「別にいいよ! そのカーディガン私が着てたやつだから新品でもないし。そーいえば、明日何食べるの?」


 「あ、何も考えてなかったな。連絡してみる。」


 「ピロン」


 丁度よく堀さんから連絡が来た。


 「明日はお互いが作った物を持って行こ。家族に作ってもらうとかは無しね。」


 と、メッセージが来た。


 「今連絡来たんだけど、お互いが作った物を持って行って食べるみたい。」


 「え、お兄ちゃん料理出来たっけ?」


 「ある程度は出来るよ。…そーだ、予習として今日の昼飯は俺が作るよ。何食べたい?」


 「本当に?! んーと、親子丼!」


 「分かった。」


 俺は台所へ向かい、冷蔵庫から食材を取り出し、調理を始めた。

 

 ---親子丼 完成


 「出来たよー。」


 テーブルに親子丼を運ぶ。


 「うわぁ、美味しそう! いただきます!」


 俺も綾の隣に座って親子丼を食べる。


 「おいしぃ、お兄ちゃんって、料理…出来たんだ…。」


 朝ご飯の時と同様、綾は口いっぱいに食べ物を詰め込みながら喋った。


 「良かった。親子丼を作る時は、鶏肉の表面を焼く。卵はときすぎない。卵は二回に分けて入れる。これをやれば美味しく仕上がるんだ。」


 「そうなんだ、また、今度…作ってもら…お。」


 二人で箸を進める。

 

 ---完食


 「ふぁ〜。ごちそうさまでした! 美味しかった!」


 綾はリビングにある大きめのソファに寝転がった。


 「少し眠くなってきた…。ソファ空いてるからお兄ちゃんも休もー。」


 「あ、あぁ。でも、俺やる事あるから休んでていいよ。」


 俺は嘘をついた。


 特にやる事はないが、寝てしまったらこの明晰夢から覚めてしまうかもしれない。


 「えぇー。いいからとりあえずこっちに来てよー。」


 「…分かったよ。」


 俺は綾の方へ行き、ソファの下に座った。


 「…すー、すー。」


 綾の気持ちよさそうに脱力された顔から寝息が聞こえた。


 「げ、もう寝たのかよ。早すぎだろ。…まぁ、初めての場所で疲れたのか。」


 窓からは春の暖かい日差し、風が差し込み、カーテンがふわふわと揺れる。


 そして目の前には綾の寝顔。


 「やば…、流石にちょっと眠くなってきた…。」


 「孤独人は目を瞑ると逢える君に良い悪戯をしたい」を読んでくださり、ありがとうございます。


 第十一話は、またまた睡魔と戦います。


 次の話が掲載され次第、もしよければ読んでみてください。

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