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DRD ~転生者が多すぎた~  作者: ふすま
第1章:転生者が多すぎる
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第009話:探索者センター

 五十嵐優(いがらしゆう):ゲーム中の主人公。仲間思い。

 吉野織姫(よしのおりひめ):ヒロインの1人、世話焼き体質であり、五十嵐の幼馴染ポジ

 愛宮由美(まなみやゆみ):双子の長女。ヒロインの1人、白雪の同類

 愛宮沙耶(まなみやさや):双子の次女。ヒロインの1人、白雪の同類

 水無瀬伊織(みなせいおり):小麦肌少女、ゲームでは不明、小町の同室

 平岡昭義(ひらおかあきよし):F組担任


 ■探索者と法律:


 基本的に探索者は万事自己責任である。個人の良識に従った法律は存在するが、破ったところで捕まえる警察も裁く場所もない。

 

 基本的に探索者はレベルに従い強くなる。これを取り締まることは非常に困難だ。


 例えばレベルが高い警察官がいたとしよう、では彼が何があっても警官として職務に忠実と誰が証明できようか、絶対正義とだれが断言できようか?



 ダンジョン内はモンスターで溢れ、住所も標識もない。もし警察を呼んだとして、即座に辿り着けるわけがない。


 駆けつけたとして無傷で相手を倒せる保証もない、損害を負えば人員、物資の補充まで必要になる。


 とはいえ被害を受ける方も無力な一般人ではなく探索者だ。当然反撃してくるし、大抵はパーティを組んでいる。


 襲う側も得られる利益以上に損失が考えられる戦闘は避けるだろう。その考えの基自己責任で運営されている。

 探索者センターは変わった形をしている、漢字の「(くち)」の字がまんまそれだろう。


 建物の真ん中、つまり中庭にダンジョンの入り口がある。逆に言えばダンジョンの東西南北全てを建物で囲った形だ。


 さらにその周辺を(へい)というには少々分厚い壁で囲われている。

 


 建物の幅は全て同じではなく、左右の建物が前後の建物よりも太くなっている。


 これは左右にある建物がメインで前後の建物は渡り廊下や倉庫の役割が主立(おもだった)った目的だからだ。


 また、左右の建物も同じではなく右側の建物の方が左側の1.5倍ほど大きい。

 

 入口も左右の建物正面に設置されている。壁に設置されている門も2つあり、左の門のみ開いている。生徒が集合しているのも左の門だ。


 右の門は昨日に引き続き閉まったままだ。




 点呼が終わると平岡先生が説明を始める。


「さて、今いる左側が一般探索者の入り口で、向こうに見える入口が華族様専用の入口だ。間違えても華族用の入口には入らないようにな、真面目に切り殺されても文句は言えないぞ」(平岡)



 壁と建物の間は庭で隣と繋がっているのだが、やはりこういうところは一般と貴族で厳密に区別を付けるのだろう。



「誰もいませんね」(加藤)


「昨日と今日は探索者センターのメンテナンス日だ、そのタイミングでE組とF組の登録も行っている。誰もいないのはそのためだ」(平岡)


「昨日見たとき人気無かったのはそのためですか」(加藤)


「そういえば僕も気になってました。探索者ってそんなにいのかなって不安になりました」(五十嵐)



 入口は自動ドアが2つ並んでいる。そのまま入るともう1つ自動ドアがありそこを抜けると広い吹き抜けになったエントランスがある。


 天井からは巨大なディスプレイがぶら下がり、床にはソファーや椅子、冊子が設置されている。


 左側には2階への階段とトイレ、自販機、喫煙コーナー等が見える、右側には華族棟へ続く建物への入り口がありこちらは厳重に閉められている。その隣にはコンビニ、大手喫茶店の店舗が続いている。


 喫茶店には『新春いちごフェア』の文字と苺のショートケーキや苺パフェ、シュークリーム、クッキーなんかのイラストが描かれた(のぼり)が立っている。


 店舗の電灯は点いているが見える範囲に人はいない。



 エントランス右側奥にはカウンターがあるがこちらも中に人はいない。平岡先生はそのまま生徒を連れてカウンター正面まで歩いていく。



「よし、そのままここに集まれ」(平岡)



 カウンターの上には『クエストカウンター』と書かれており、カウンター奥の壁には『←ダンジョン入口』と標識が設置されている。


 その方向の先には駅の自動改札と同じ形の物が設置されていてそのまま中庭へ繋がっているようだ。


 

(おおー、中はこんな風になってたんだ、ゲームだとこのカウンターの絵だけだったもんな)(加藤)



 加藤の感想どおりDRDではクエストカウンターを正面から見た背景があり、『ダンジョンに入る』、『買取をしてもらう』、『探索者センターから出る』の3つの選択肢以外の行動は選べない。


 イベントがある場合のみキャラクターがこの背景の前に表示される。



「まず皆の正面にあるのがクエストカウンターだ。さっきも言ったとおり今日はメンテナンスだから誰もいないが普段ここでは華族様から依頼されているクエストを受注することができる」(平岡)


「クエストの登録の仕方を教えておこう、探索者カードを出してくれ」



 そのまま一通りクエストの受注の仕方を習う。ついでに探索者同士の金銭の受け渡しの仕方を教えてもらう。


 クエストは基本探索者カードだけで受注できるが、質問があったりより詳しく聞きたい場合はここのクエストカウンターで聞くといいらしい。



「フリーの探索者として生きる生き方も悪いとはいわないが、安定を取るなら華族様の騎士団に召し上げてもらうことだろう」(平岡)


「クエストを受注しクリアしていけば華族の方々からも覚えもよくなるはずだ」



 騎士団員=正社員のような扱いになる。



「それ以外にも君達は巨額の学費を全て自分で払わなければならない。クエストを多くクリアすると学費も稼げる上、評価が高ければ学費の一部を免除してくださる」


「無理をしてでもこなせとは言わないが、なるべく受けるようにするといい」



 これはDRDでも同じだ、さらに細かく言うとクエストをクリアしていくと全体的な名声値が上がると共に各公爵家の派閥の好感度が上がっていく。


 この派閥好感度が貴族(・・)の攻略対象には重要な意味を持つ。



 彼等、彼女等はほぼ全てがいずれかの派閥に属しており、本人の好感度が高くとも所属する派閥の好感度が低いと発生しないイベントがある。


 中には所属する派閥の好感度が高く、ライバルとなる派閥の好感度が低くなければならないという(いささ)か面倒な条件が付けられものもある。



「次はいよいよ探索者としての登録だ。そこの改札をくぐってダンジョンの入口まで行ってくれ」


 改札を通りそのまま中庭に出ると、芝生の敷かれた中庭には地面が大きく盛り上がり地下へと続く階段があった。


 階段は結構広く4m程度(ていど)はあるだろうか? 高さも3mはあり小型のトラックなら通れそうな大きさだ。



「思ったより広い……」(五十嵐)


「普通車でもそのまま入れそうな大きさですね」(加藤)


「海外ではダンジョン専用車両なんてものもあるそうだ。日華は車両の使用は全般的に禁止されているが」(平岡)


「入ってみてもい~い?」(白雪)


「かまわんが、探索者でない者は入れんぞ」(平岡)

 

 ※)車両:ここでいう車両は動力付きの車両を指すが、電動系の小型リアカー等は認められている。


 

 そのまま入ろうとした白雪が、なにかに押し戻されるように少しよろける。



「おお~なんか面白い。猫のおなかと羊のバラ肉の二乗を足してルートしたみたいな感触」(白雪)


「想像しにくいわ! 確かに不思議な感覚だけど」(加藤)



 他の生徒達も触ってわいわい騒いでいる。



「いやーこれは猫のおなかというより」(由美)


「織姫ちゃんのおっぱいだね!」(沙耶)


「ほほう! それは是非触って確かめねば」(白雪)


「えっ!?」(織姫)



 胸を両手で隠すように後ずさりする織姫と手をワキワキしてにじりよる黒フード。中身が白雪であっても変質者にしか見えない。いや、中身もまともとは言い難かった。



「やめい!」(加藤)


「ごふぅ!」(白雪)



 白雪の頭に加藤のチョップがさく裂する。



「……そこまでだ。こっちに注目してくれ」(平岡)



 ため息と共に、半ば呆れた平岡先生の声が聞こえ、そちらに注目がいく。ダンジョン入口の右脇にはボーリング玉大の水晶玉とその台があった。


 

「この水晶の前にまずあっちを見てくれ」(平岡)



 平岡先生がダンジョンを背中に左方向を指す、そこには何も書かれていない扉と出口と書かれた扉があり両方とも閉じられている。



「あちらが華族専用の入り口と出口だ、反対方向を見てくれ」


 

 反対にも何も書かれていない扉と出口と書かれた扉があり、こちらは両方共空いている。


 先生は何も言わなかったがダンジョンの後ろにもいくつかの扉やシャッターがある。



「何も書かれていない扉が君達がさっき通ってきた入口だ、平民と華族様は別の入口から入ってダンジョンで合流し、別々の出口から出る流れになっている」



 華族棟の建物は施設も異なり、話し合いができるような会議室兼待合室や厨房等が用意されており食事を運ぶウェイター、ウェイトレスも常駐している。



「これからの流れだが、この水晶に手をかざすと探索者登録ができるようになっている。おっと仕組みを聞かれても困る、この水晶はダンジョン側の物で人類側の物じゃないからな」(平岡)


「探索者登録が終わるとダンジョンカードというものが手に入るので、それを持ってそこの出口から出て右に曲がってくれ」


「そのまままっすぐ行くと案内があるからそこで探索者カードへダンジョンカードの取付作業をしてくれる。終わったらロビーに戻ってくれ。質問なければ登録していくぞ」


「すぐにダンジョンには入らないんですか?」(五十嵐)


「ああ、午後になったら入る。登録が終わった後この施設の説明をしてお昼休憩を挟んでからだな。他に質問は?」(平岡)



 他に質問がないことを確認して生徒の登録を始めていく。


 

「それじゃあ五十嵐からだ」


「はい」



 やや緊張しながら五十嵐が水晶に触れると空中に虹色に輝くシャボン玉のようなものが現れる。


 クラス一同が驚いて見守る中、シャボン玉の中にカードが形成されていく。出来上がったカードを五十嵐が手にとるとシャボン玉が消えた、その時一瞬苦痛に顔をゆがめる。



「こ、これが、ダンジョンカード」(五十嵐)



 五十嵐はそれを持って表にしたり裏返したりしながら見ていた。



「これでダンジョンカードの取得は完了だ、後がつかえるからさっさと登録にいけ。そこの出口を出て右だ」


「あ、はい」



 五十嵐は出口に向かって歩いて行くが、ダンジョンカードが気になっているのか視線はちょくちょくカードに行っている。



「それじゃ次石田」(平岡)


 

 次々と名前を呼ばれすぐに加藤の番になる、水晶に触れると頭の中に不思議な声が響く、日本語なのか英語なのか、男なのか女なのか、喜んでいるのか悲しんでいるのか感情も読み取れない、けれども何故か内容は理解できる。


 日本語に訳すとこうだろうか?



『探索者になる意思を確認。一般パスを作成します』



 気が付いたらダンジョンカードに手を伸ばしていた。手にとった瞬間頭を電流が駆け抜けたような感覚がして一瞬顔をゆがめる。



「お~」(加藤)


 

 ダンジョンカードには名前、レベル、HPやパラメーターが書かれている、パラメーターの内容はDRDと全く同じようで少し安心する。


 裏面には幾何学模様が描かれていたが特に意味はなさそうだ。加藤もまた五十嵐と同じようにダンジョンカードを見過ぎて、先生に()かされてあわてて出口に向かって移動していった。



 出口の扉を出ると左右に通路があり左は先程のエントランスに繋がっているようだ。


 通路の幅はかなり広く取られている。鎧や武器を持って入るのでぶつからないようにしているのだろう。

 

 壁に『臨時登録所→』と書かれた行先を示す紙が本来のパネルの上に貼られているので、内容に従い右に進んでいくとすぐに開けた場所に出る。


 椅子とディスプレイがあり上には『査定待合所』と書かれたパネルが下げられていて、近くに『査定室』と書かれた部屋があるので買取なんかはここでするのだろう。


 今は開きっぱなしになり職員らしき人が入室するように促している。


 天井からはもう一つパネルが下がっていて『魔灰納品⇒』と書かれていた。



(魔灰ってなんだろう?)(加藤)


 

 確かめてみたいが今は登録が優先だ。そのまま案内に従い中に入るとカウンターが何個も設置されて、そこにいる職員さんが番号の着いたプラカードを振っているので一番近い位置に座る。


 担当してくれるのは恰幅(かっぷく)の良いおばちゃんだ。



「こんにちは」(加藤)


「はいこんにちは、それじゃ探索者カードとダンジョンカード、登録するお金の入った袋を出して頂戴ね」(おばちゃん)


「わかりました」


 

 要求されたものを机の上にだすとおばちゃんは慣れた手つきで探索者カードにダンジョンカードをセットしていく。



 探索者カードにはダンジョンカードを設置する場所が設けられているようで、探索者カードの横にあるスイッチをスライドするとノートのようにカードが開いた。


 そこにはダンジョンカードに合わせた写真立てのような構造があった。



「へーこんなふうになってるんですね」(加藤)


「そうなのよ~探索者カードには色々機種があるんだけどね、全部こういう風にダンジョンカード入れる場所があるの」(おばちゃん)


「この機種は横のスライドスイッチだけど、たまに下に2重スイッチが付いてるのもあるのよ。私らが探索者になったときはこんなもんなくてね~、定期入れに入れて潜ってたのよ」(おばちゃん)


「そうなんですか、落としたりしなかったんですか?」(加藤)


「それがね、ダンジョンカードって落としたりするとなんかわかるのよ。家に忘れたりするとね、『あ、忘れてる』ってそんな感じがするのよ」


「へー」


「宗教関係の人は魂の一部だなんて言うんだけどほんとかしらね~」



 雑談を話していてもおばちゃんの手は止まらない。ネジをすぐに外すと鍵のように見える特殊な器具を使って枠を取り外すとダンジョンカードをはめて、再びネジで止める。


 そのまま袋のお金を計算機に入れ、探索者カードをICトレイの上に置いてタッチパネルで何か操作をしている。



「その器具ってなんですか?」


「これ? 勝手にダンジョンカードを取り外されないようにしているのよ。はい、探索者カードを起動して」



 言われたままに起動すると入金確認が出てくるので「金額間違いない?」と聞くおばちゃんに頷いて、承諾ボタンを押す。


 

「それで登録は完了よ。1階のロビーに戻って先生を待っていて頂戴、これから大変だろうけど頑張ってね」


「はい、ありがとうございます」



 そのまま順路に従いロビーに戻って探索者カードを改めて見る。色々操作してみるがやはり探索者カードからはダンジョンカードの操作は出来ないようだ。


 

(う~ん、ゲームだとダンジョンカードなんてなかったけど、まぁそうだよな探索者カードでパラメーターを見たりやスキル操作が出来たらダンジョンの解析出来てるやんってなるもんな)(加藤)



 DRDではゲーム開始時から探索者カードを持っており、スキルの変更やパラメーターの確認が可能だった。


 そもそも探索者ルールなるものもないのでやはりゲームとリアルでは色々と違うようだ。


 しばらくパラメーターを確認していると黒田も降りてきた。加藤より名前が先の遠藤姉妹はすでにロビーに居てなにか話している。

 

「どうだった自分のパラメーター」(加藤)


「少し筋力寄りだったな」(黒田)


「あってるな」(加藤)


「そうだな。さすがに自己紹介イベントみたいなメッセージを言うのはな……」(黒田)


「俺も、それにDRD知っている人がいる中でそのままのセリフ言うのはな~」(加藤)


「いや、俺は居ても居なくても普通に恥ずかしい」(黒田)


 

 しばらくしていると他のクラスメートも続々と降りてくる。


 

「いや~大変身だったね~」(小町)


「ちょっ! いうなし!」



 小町が見知らぬ女性と一緒にロビーに戻ってくる。


 

「こまっちゃ~ん、隣の子は誰子ちゃん?」(白雪)


「ふっふっふ、なんと水無瀬伊織ちゃんよ!」(小町)



 ロビーに集まってる生徒の視線が集中する。水無瀬伊織は小町と同室の日焼け小麦肌の少女だ、それが今は色白美少女になっていた。


 皆の視線を浴びた伊織は顔を真っ赤にして小町の影に隠れる。



「みんな見んな!」(伊織)


「今のは(みんな)と見んなを掛けたものだね。これは審議の必要があるね」(白雪)


「違うし!」(伊織)


 

 恥じらっている姿なかなか可愛らしい。小町に話を聞いたところ理由はわからないが探索者になったとたん色白になったそうだ。


 

「ふ~む、審議は終わったよ! 伊織ちゃんの小麦肌を奪った犯人はこの中にいる!」(白雪)


「「なっ! なんだって~」」(愛宮姉妹)


「審議が推理になっているんだが?」(加藤)

 

「ふっお笑いをこよなく愛する審議探偵白雪によると! 犯人はダンジョンカードだ!!」(白雪)


「「なっ! なんだって~」」(愛宮姉妹)


「探索者は怪我や病気とは無縁の存在になるらしいからね。日焼けってのは文字通り火傷だから治されちゃったんだよ」(白雪)


(そして多分私の紫外線アレルギーも)(白雪)

 

「そ…そんな……あーしは2度と小麦肌になれないってこと……」(伊織)


「残念ながら……手は尽くしたのですが……」(白雪)



「いや、なにもしてないじゃん」(加藤)


「偏頭痛も治るんだろうか?」(長谷川)


「肩こりはどうだろう?」(皆川)


「……肥満も病気と見なされるか気になるにゃん」(ミーナ)


 

 ミーナの言葉に女性陣がざわりと湧く(美々は除く)。


 

「肥満そうな人……皆川君かにゃ!」(ミーナ)


「え!? ぼ、僕ぅ!? 別に肥満ってわけじゃないよ」(皆川)


「じゃぁちょっとお腹見せてもらってもいいかにゃん?」


「や…やだよ恥ずかしいし」


 

 腹を隠すようにあとずさる皆川。じりじりと近づく女子達。


 

「大人しくお腹を見せるにゃん、私達のスィーツライフが掛っているにゃん」(ミーナ)


「まった! 元が太っていたかわからないと意味ないんじゃないか?」(黒田)


「Ohー! 確かに」(メリッサ)


「誰か知ってる人いないかにゃん? 長谷川君とかどうかにゃん?」(ミーナ)


「いや、しらないよ。そもそも男の裸なんかまじまじ見たりしないし」(長谷川)


(須藤君の裸はついまじまじとみちゃったけど)


「まぁしょうがないにゃ。ともかく太っているかどうかだけでも確認しとくかにゃん」(ミーナ)


「な、ちょっとまって」(皆川)


「肥満は無理だろ、みんな登録したときに恰幅のいいおばちゃんいたの見ただろ?」(加藤)


 

 加藤の言葉に皆「あー」と納得を見せる。



「待つにゃん、一般人の可能性だってあるにゃん」(ミーナ)


「黄色いカードさげてなかったろ、あと実際俺探索者だって聞いたし」(加藤)


「そんにゃー……」(ミーナ)


「でもこれから毎日のようにダンジョンでモンスターと戦うんだしダイエットなんて気にしなくていいのでは?」(白雪)


 

 白雪の言葉に再度「あー」と納得の声が上がる。



 こうして皆川の貞操は守られたのだった。

 2024/1/22 ストック9/29


 お読みいただきありがとうございます。拙い文章ですが次話も楽しみにして頂ければ幸いです。よろしければ、ブックマーク、評価、感想なんかもお願いします。

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