第047話:はぐれ狼(前編)
■戦士見習い:
開放条件:武器を持ってモンスターと戦うこと。レベルが5以上であること。
称号効果:筋力+2%
称号依存スキル:
【兜割り】武器をまっすぐに振り下ろし体重の乗った攻撃を繰り出す。戦士見習いだけでなく戦士系の他の称号でも使用可能。
通常スキル:
【持久力+2%】:パッシブスキル。常に持久力が2%上昇する。最大MPー10
【体技系最大MP減少軽減(小)】:体術系のスキルを使用したときに最大MPの減少を使用MPの45%に抑えるスキル(通常は使用MPの50%)
■盗賊見習い:
開放条件:片手で持てる武器を持ってモンスターと戦うこと。レベルが5以上であること。
称号効果:腱力+2%
称号依存スキル:
【鍵開け】ダンジョンにある扉や鍵付き宝箱を開けることが出来るスキル。
通常スキル:
【スライディング】足を先に体制低く地面を滑るスキル。
【バックステップ】後ろに小さく飛んで相手の攻撃を避ける、もしくは間合いを空けるスキル。
■格闘家見習い:
開放条件:武器を使わずにモンスターと戦うこと。レベルが5以上であること。
称号効果:BP+5%
称号依存スキル:
【回し蹴り】腰を回転させ、上段にその回転エネルギーを乗せた蹴りを見舞うスキル。
通常スキル:
【タックル】肩を前に相手に体当たりするスキル。
【筋力+2%】パッシブスキル。常に筋力を+2%増加する 最大MPー10
■水魔術見習い:
開放条件:【ウォーターショット】でモンスターと戦うこと。レベルが5以上であること。
称号効果:持久力-2%、魔術適正+0.1
称号依存スキル:
【アクアボール】水の塊を投げつける魔術スキル。飛距離が長いのが特徴。
通常スキル:
【魔術系最大MP減少軽減(小)】魔術系のスキルを使用した際に最大MPの減少を使用MPの45%に抑えるスキル(通常は使用MPの50%)
■薬師見習い:
開放条件:採集をすること、ダンジョン関係の薬を服薬すること、レベルが5以上であること。
称号効果:筋力ー1% 魔術補正+0.1
称号依存スキル:
【乾燥】対象の水分を抜き乾燥させる。モンスター、人体にも効果はあるが微量。
【初級薬品作成】ダンジョン産の薬草類を掛け合わせて薬を生成する。
通常スキル:なし
■治癒師見習い:
開放条件:【レッサーヒーリング】を使うこと、レベルが5以上であること。
称号効果:持久力-2%、魔術適正+0.05
称号依存スキル:
【ヒーリング】対象のBPを回復させる。【レッサーヒーリング】よりも回復効果が高い
通常スキル:なし
見上げるとそこには巨大な狼が覗いていた。
「……」
小さく唸り声を上げながら見下ろす2つの双眸、そしてそれを無言で見上げる加藤達13人。数の上では狼の方が圧倒的に不利だ。
しかし、それでも狼は出て来た。この巨体でも隠密能力はかなり高い、実際加藤達も狼みずから出て来なければ見逃していただろう。
「……はぐれ狼……」(加藤)
「レアモン?」(長谷川)
「うん」(白雪)
数秒達ってもどちらも行動を起こさない。『はぐれ狼』は見守るるかのように見下ろしたままだ。
しかし、その視線に柔らかさは微塵も感じられない。ダンジョンのモンスターは大抵人を見れば襲ってくるのだが、それぞれが己が意志を持っているように見える。
だが、モンスターは親から生まれるのではなく、闇から生まれる。その点から見ても自然発生したものでないことは解る。
闇から生まれ灰になって消える、死体が残らない不思議な生物だ。だが小町が解体出来たように血があり肉があり臓器がある。
当然、人間と交流した記録は無く、また、復活したモンスターが前の記憶を持っている様子もない。だが、彼等は長年そうして生きてきたか如くそれぞれのロジックが垣間見える。
「もしかして、襲ってこない?」(長谷川)
「安心していいよ、はぐれ狼はなにもしなくても襲ってくるから」(白雪)
その言葉を真実と示すかの如くゆっくりと前脚を上げ、潰すかのように振り下ろしてくる。
「安心できないよ!」(長谷川)
「総員戦闘態勢!」(加藤)
「逃げないっすか?」(陽子)
「無理にゃ! 相手の方が速いにゃ!」(ミーナ)
「狼だしね~」(白雪)
「誰か戦ったことは!?」(長谷川)
「無い!」(加藤)
「自慢気に言うなよ」(黒田)
「じゃ、黒田はあるのか?」(加藤)
「無い! ネズミのとこにこねーし!」(黒田)
「お前もじゃねーか!」(加藤)
「敵の情報は!?」(長谷川)
「仲間呼ぶっす」(陽子)
はぐれ狼が遠吠えを上げると近くに渦巻く闇が4つ生じ、そしてそれぞれからフォレストウルフが1匹づつ出てくる。
「何処がはぐれ狼なの!?」(長谷川)
「はぐれ狼にすら仲間がいるのにお前等は」(加藤)
「おぃぃ!」(黒田)
「そんなこと言ってる暇無いよ! 加藤と黒田と三段崎さんと僕は雑魚相手で、ミーナ、間宮さん、皆川は本体を、須藤さんは後衛の人達の護衛お願い」(長谷川)
「いや、だめだよコマンドーとして長谷やんは欲しいから3人で押さえて、もしくは小町ちゃんも雑魚相手で」(白雪)
「え!? 私どうしたらいい?」(小町)
「こっちは3人で大丈夫だから、本体へお願い! 多分パラメーターも武器も一番高いの間宮さんだし!」(加藤)
「わかった!」(小町)
「コマンドー!?」(長谷川)
そのとき長谷川の頭にはロケランを構える須藤の姿が浮かんでいた。
「遊撃隊の意味ねー」(メリッサ)
「なにその役割」(長谷川)
「前BPの仕様説明したでしょ、ダメージが無いとBPが振りなおされるって、さっきの狼と戦ってわかったんだけど、どうにも4層のモンスターからBPがありそうなんだよね。やけにゴブリンとか脆いな~って思ってたんだけどね」(白雪)
「そうなんっすか!?」(陽子)
「そうだったの!? うおっと!」(加藤)
狼の攻撃をすんでの所で盾で防ぐ。
「雑魚倒していいんだっけ!?」(加藤)
「倒すときは4匹一緒にたのむにゃ」(ミーナ)
「残り2体の時に、また4体呼ぶから一度に倒さないと逆に辛くなるよ」(皆川)
「あとLPが無いっはずっす。BPが無くなったら即死するんで気を付けてくださいっす」(陽子)
「まじか!」(加藤)
「わかった!」(黒田)
「で、コマンドーは小さいダメージを与え続けてBPの振り直しを妨げるのが役割」(白雪)
「なるほど」(長谷川)
DRDにはアタッカー、タンク、ヒーラーという役割に加え、コマンドー(遊撃)という役割が存在する。プレイヤーにBPがあるのと同様にモンスターにもBP、LPが存在する。
BPの仕様は部位ごとに分配されて配置され、10秒間ダメージが無ければ残ったBPが再分配される。
BPを削りきるとLPにダメージが入り、骨折、出血等の物理デバフが生じる。
だが、モンスターはBPが等分に割り振られず、かつ再等分までの時間も短いためそれを防ぐ役割が必要になってくる。
特に下層のモンスターになってくるとBPの貯蔵タンクと言うべきものを持っているモンスターも出てくる。
再分配されるとこのタンクから補填されるため終わりが見えない戦いに身を投じることになる。
DRDにおける戦闘は、いかに再分配をさせずにBPを減らしてLPにダメージを与えるかが勝負になる。
最終的にはLPにを減らし切り相手を倒すことだが、LPへのダメージ=出血、骨折だ、これだけでその部位を麻痺させ戦闘が有利になる。
はぐれ狼は分配が頭、胴、各脚の6か所だけで、胴のBPがやけに多い。セオリーとしてはまず脚のBPを削りきることが最優先となる。
特にアルラウネと違い素早く動き回るので後ろ脚を狙うのが先決となる。
加藤が御供狼の爪の発達した前脚攻撃を避け、噛み付くために近づいた顔を盾で叩いてダメージを与えてのけぞらせる。
御供狼はある程度は召喚元である『はぐれ狼』とターゲットを共有しており、何もしないと『はぐれ狼』をサポートしようと別のターゲットの下に行ってしまうためだ。
さらにその狼を残してもう一匹に剣で切りつける。
「複数相手苦手なんだよ……なっ!」(加藤)
後ろから追いすがった御供狼に向かって体ごと盾で裏拳をかます。
「ちっ、ちょこまかと」(黒田)
機動力はゴブリンと狼では当然狼の方に軍配が上がるようだ、なにせ足の数が違う。
しかし、ゴブリンより知能があるためか、フェイントに引っかかりやすく、また黒田の威圧感のある剣閃は狼を警戒させ、攻撃を躊躇させるには充分なようだ。
短く息を吐き千鶴が薙刀状のレンタルソードを振るう、柄を長く持つため微妙に手元を動かしただけでも先端は大きく動く。
狼の攻撃を先読みするように振られ、それに気づいて距離をとれば誘導弾のように穂先がそれを追って迫る。
御供狼が攻めようとすれば、いつの間にか手元に戻った槍の穂先が串刺しにせんと迫ってくる、こちらもまた御供狼が攻めあぐねる状況を作り出している。この調子でいけば他は『はぐれ狼』に集中できそうだ。
犬のジャブのような振り下ろしでも見上げるほどの大きさになると別格だ、体重は推定700kg程度と言われている。
その一撃は盾で防げても痺れるほどの一撃になる。さらに防げたといっても安心できない、すぐに噛み付き攻撃がとんでくる。
それを後ろに下がって避ける。こういう時に【バックステップ】が欲しいと思うが、あれは【盗賊見習い】のスキルだ。
空噛みして下がろうとする鼻っ柱に槍を突くが、嫌そうに顔をしかめただけでとても効いているようには見えなかった。
「ヘイトスキルないから攻撃来たら各自避けてね」(皆川)
「わかってるにゃん、はぐれ狼の向きもころころ変わるから許してにゃん」(ミーナ)
「よくわからないけど、躱して攻撃すればいいのね」(小町)
「そうそう」(皆川)
思いのほかうまく回っている、懸念点だった小町さんも思いの他良いアタッカーになっている。
むしろ一番のダメージソースとなっているのは彼女だ、小町は美々と共に6層まで行きアタックバード数匹と戦っていた。
それだけでなく、ミーノータウロス、火喰い鳥と強力なモンスター2体と戦っただけの経験値を得ている。
さらには食材を求めて世界中を回った猛者だ、当然狼もしくはそれに近い野生動物とも戦ったことがある。
狼という犬のような形状から攻撃を受けない範囲というものが存在する。相手からの攻撃が来ず、自らが攻撃できる位置にうまく回り込んでいる。
だがDRDプレイヤーでないためBPの概念が今一つ解っておらず攻撃位置はばらばらだが。
「間宮さん出来れば後ろ脚を集中的に攻撃して!」(皆川)
「はいはい」(小町)
皆川に飽きたとばかりにミーナに振るわれた攻撃を側宙(手をつかない側転)で躱す。
「あまいにゃん!」
そのまま狼の側面をすり抜けざまに前脚にダメージを与え、そのまま右後ろ脚に【スラッシュ】を見舞う。
続いてダメージを与えいるのがミーナだ。彼女自身戦い方は美々によく似ている、美々についで柔らかい体を使い、相手の攻撃を躱し、逆に間合いの外から攻撃が飛んでくる。
美々は基本素手で戦うことを好み、滅多に武器を使うことは無いがミーナは逆に武器やスキルを積極的に使っていくスタイルだ。
皆川もアルラウネ同様基本的に攻撃は盾を使ったり躱したりするのが基本だが、ミーナや小町に視線が向くとすぐに【チャージ】を使いダメージを蓄積させる。
相手にとっては非常にストレスになる攻撃だ。『はぐれ狼』も顔が嫌がっているように見える……。
対して『はぐれ狼』の攻撃は基本的に前足による叩きつけや、爪による攻撃、そして一撃必殺の噛み付きだ、基本的にレベル5で挑むものではない。
雑魚と呼んでいた御供狼も通常のフォレストウルフより少し弱いくらいの強さだ。
パラメーター差が大きく出るのは防御面だ、『はぐれ狼』の攻撃はどれもまともに貰えば、かなりのダメージになる。
そのためどうしても攻撃は避けることが大きく3人の内1人はどうしても攻撃の手を緩め、回避に専念せざるを得ない。
皆川もメインでターゲットを取るために自前のレッサーヒーリングをミーナ、小町にかけ敵対心を稼ぐ必要があり攻撃が無い空白の時間帯ができやすい。
その合間合間にコマンドーの長谷川、陽子が魔術でダメージを与え再分配を防いでいく。
白雪と七森は待機だ、攻撃に向いていないとかではなくMPが尽きたときのための交代要員だ。
スキルを使うたびに最大MPは減っていくが、MP自体は待っていれば回復していく。2つのペアの中で長谷川と白雪がメインとなり陽子、七森はサポートとなる。
ヒーラーの2人は『はぐれ狼』の方は皆川のレッサーヒールにまかせ、御供狼の相手をしている3人に向かってヒールを行っている。
時々ヒールのし過ぎによって御供狼が襲いかかってくるが、須藤がそれを攻撃して撃退している。
そのような一進一退の戦いが30分近くも続いている。狼の再召喚も2回起きており、やはりレベル差による基本パラメーターの低さが影響しているようだ。
着実にはぐれ狼のBPを削っているが、加藤達の疲労もまた蓄積されている。
戦いに新な場面が来たのは、それからすぐのことだった。
はぐれ狼が鳴き声を上げると共に大きく跳躍する。向かった方向は白雪達後方担当がいる方向だ。さらに鳴き声を聞きつけた御供狼達も加藤達からターゲットを白雪達に向けて駆け出す。
「やばい、そっち1匹行った!」
1匹は加藤が上手く防ぐが、残り3匹が白雪達コマンドー組へ向かっていく。
「きゃっ!?」(千鶴)
「しまった!」(黒田)
黒田と千鶴が進路を塞ぐように邪魔をするが、一匹が千鶴に噛み付こうと飛び掛かってくる.
千鶴の脳裏に最初の戦いで顔に迫るゴブリンの口が思い起こされ思わず怯んでしまう。黒田がフォローを入れてそれを止めるが、その脇を2匹が素通りしていく。
「おおおおっっっ!」(須藤)
【タックル】をつかい白雪達の下に降り立ち、攻撃を仕掛けようとする『はぐれ狼』の前脚に攻撃を加え攻撃を阻害させるとすぐに、その近くにまで来ていた御供狼の1匹を豪快に蹴り飛ばし塵に変える。
残り1匹が須藤にターゲットを変え飛び掛かるが逆に捕まえると爪で引っかかれるのも構わず、そればかりか両腕で締めるようにロックしそのままスープレックスで頭を地面に叩きつける。
『はぐれ狼』の方は、皆川達が追って近づくとすぐに飛び離れ距離をとる。積極的に攻撃をせずにまずはBPの再分配を狙っているようにも見える動きだ。
だがコマンドー長谷川もそれを許すはずも無く。
「【ストーンバレット】! やばい、そろそろMPに余裕無い」(長谷川)
魔術で再分配を防ぐが、長時間の戦いで体力もMP最大値も限界が近づいていた。
「シュコーシュコーシュココー……」(白雪)
白雪も既に倒れそうで、息をするのがやっとな状態だ。
「【チャージ】!」(皆川)
ストーンバレットが当たり怯んだ先に皆川が【チャージ】でさらに怯ませる。
「ナイス!」(ミーナ)
さにミーナが続いて切りつける。なんとか起き上がったはぐれ狼が再び跳躍するが
「いらっしゃい!」(小町)
いち早く駆けつけた小町が鉈を振るう。
「まずいな、俺達も御供を積極的に倒してはぐれ狼のほうへ向かう?」(加藤)
「おう!」(黒田)
「わかりました」(千鶴)
はぐれ狼が動き回るようになり入り乱れての戦闘になりつつあった、加藤達もお互い残った御供狼を切り飛ばし援護に駆けつける。
再び大きく飛び跳ねる狼。長谷川、白雪達の魔術が空中迎撃に集中し、ミーナ達も着地地点に向けて走る。
が、はぐれ狼は、何も無い空間を踏みつけさらに飛ぶ。
「なっ!?」(ミーナ)
「嘘だろ!?」(加藤)
はぐれ狼が空中でもう一度飛んだのだ、そんなことをした記憶もないし情報も無い。DRDには無いスキルだった。
狙いを定めた目線の先には……ぽかんと狼を見つめる陽子が居た。
(あ……これ死んだ)(陽子)
「あぶないっ!」(七森)
あれ? 自分ってこんな人間だったっけ? 陽子を突き飛ばした時の感想がそれだった。
なんでこんな事したんだろう、自分でも解らない行動に自らが困惑する。迫る狼のかぎ爪、全てがスローモーションに見える。
須藤さんが自分目がけて走ってくるのが見える、その後ろでミーナが死にそうな顔をしているのが見れた。
だめだ、死ねない、何があっても死ねない。ミーナの顔を見たときそんなことを思った。しかし、上から降ってくるその影が全てを闇に飲み込ませていく。
「健兄ぃ!」(ミーナ)
「いやーーーっ」(陽子)
七森を踏み潰し『はぐれ狼』は勝ち誇ったかのようもさらに踏みつけようとする。
「させません!!」(須藤)
須藤が入り背中ではぐれ狼の無慈悲な踏みつけを防ぐ。はぐれ狼はさらに何度もそれを踏みつける。呻き声を上げながらも必死に耐える須藤。
「早く! 七森君を!」
その声に気が付いた面々があわてて七森を須藤の下から引き釣り出す。
「「ヒール!」」
メリッサ、楓からのヒールが飛ぶが。七森はぴくりとも動かない。
「健兄ぃ! 健兄ぃ!」(ミーナ)
「ごめんさい! ごめんさい!」(陽子)
取り乱し駆け寄るミーナと陽子、アルラウネとは逆である。
「落ち着いてください!」(楓)
珍しく楓の大きい声にびっくりして止まる2人にゆっくりと健の胸を指さす。その胸は静かだが上下していた。
「大丈夫、生きています」(楓)
踏みつけられる直前、僅かに燃えた生存本能が生死を分けた。逃げることは出来ない中、横から突き飛ばした姿勢をうつ伏せになるよう体を傾け、手を開いて自ら倒れ込むことで踏みつけによるダメージを体全てを使って地面に流す。
あとは運だ、偶然爪と爪の間に頭が入り貫かれなかったこと、肉球がわずかな緩衝材の役割を果たしたこと。押しつぶしは打撃攻撃に当たるためBP5か所にダメージが分散すること。
これらに加えてレベル5の効果に加え小町の食事によって増加したBPがLPへのダメージから守っていた。
ミーナは安心すると共に怒りの視線を『はぐれ狼』に向ける。
「絶対にぶっ殺す……」(ミーナ)
その視線をまっすぐに見返す『はぐれ狼』……既に再分配の時間は過ぎてしまっている。
ストック 47/47
「ストック切れたね」(メタ雪)
「切れたな」(メタ加藤)
「12月までは残したかったがな」(メタ黒田)
「どーすんのこれ?」(メタ雪)
「どーしよっかね」(メタ加藤)
「どーにもならないだろ」(メタ黒田)




