木瀬野大和、登場【Bパート】
「みんな、宿題は乗り切れた?」
ゴールデンウイーク明けのグラウンドに集合したメンツに利治が問い掛けた。
「ああ、なんとかな」
隼一が真っ先に呼応した。
「アタシもだ」
零美が親指を立てて答えた。
「ぼ、僕も‥‥大丈夫、だった、よ」
宿題合宿には参加しなかった鉄弥も無事に乗り切ったようだ。
「拙者も大丈夫だ」
「えっ!?」
合宿に参加したメンツが思わず声を上げた。
「美術の先生を恐喝したんじゃないよね?」
利治が厄斗に問い掛けた。
「どういう意味だ?」
(まんまの意味だよ!)
(まんまの意味ですよ!)
心の中でツッコミを入れる隼一、零美、玄夢、桜花。
「――あっ、監督さんがいらっしゃいましたよ」
桜花が盛り上がっている野球部員たちに知らせた。
「お前たち、宿題は全て提出できたか?」
「はいっ!」
六號に元気いっぱいで答える部員たち。
「それは何よりだ。
今日、お前たちに話しておきたい事がある」
「なんです、話って?」
利治が問う。
「明日からこの部に新たな部員が加わる事となった」
「おお、やった! 九人にまた一歩近づいた!」
全身で喜びを露にする利治。
他の部員も同じ気持ちだったのだろう、厄斗以外の笑顔がこぼれる。
「それで、どんなヤツなんですか?」
隼一が問う。
「‥‥実は俺も知らないんだ。
一鳥博士から言われただけだからな」
「ピッチャーが出来るヤツだったらいいな」
玄夢が隼一の左肩を叩いて告げた。
「ああ、そうだな」
隼一が微笑み返す。
● ● ●
翌日の放課後。
「今日からこの野球部に加わる事となりました、木瀬野大和です。
よろしくお願いします!」
身長百七十センチの美形男子が丁寧な言葉遣いで挨拶をした。
「ねぇねぇ、キミ、ポジションはどこなの?」
興味深げに利治が質問を浴びせた。
「野球をする為に造られましたから、どのポジションでもいけます。
ただ、実戦経験はありませんが‥‥」
「造られたって‥‥?」
隼一が問う。
「はい、自分はロボットです」
そう言うと大和は顔の表皮をメキメキと剥がした。
グラウンドには零美、桜花、玄夢、鉄弥の悲鳴が響き渡った。
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