表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

月夜譚 【No.201~No.300】

安心できる味 【月夜譚No.249】

作者: 夏月七葉

 たとえインスタントの味噌汁でも、あるのとないのとでは全然違う。食事の合間に啜るこの温かさが、どんなにほっとすることか。

 知らず知らずの内に、味噌汁が心の支えになっているとは思わなかった。食事時に脇にあるのが当たり前で、何日も口にすることがない日々など、想像もしていなかった。

 しかし、今なら分かる。自分にとって、味噌汁は結構重要な位置にいたということを。

 青年は一汁三菜の食事を黙々と進め、最後に少し残しておいた味噌汁を飲み干して、満足そうに息を吐いた。

 昨日まで、彼は海外出張に出ていた。本来ならば数日で帰ってこられるはずだったのだが、トラブルが相次いで、結局は一ヶ月ほど帰国できないでいたのだ。

 やはり母国は安心する。何より、慣れ親しんだ味はそれを更に強く印象づけた。

 今度から出張に行く時は、インスタントの味噌汁を持参しよう。

 青年はそう密かに決意した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ