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奔流を泳ぐ  作者: 琴羽
2/16

土曜日が来た。私の所属している美術部は当然、土日の活動などあるはずもなく、私の土日は家の中で費やされることが多い。特に遊ぶ用事のない日は、携帯でサイトを巡ったり、友人たちとメールのやり取りをしたり、時々絵を描いたりして過ごす。そういうゆっくりとした時間も嫌ではないけれど、やっぱり、少し退屈だ。もしここが東京なら、蜘蛛の巣のような電車を駆使して、どこへだって行けるのに。

田舎の世界は退屈だ。駅に行くまでだって遠いし、電車に乗ってからも県内の都心部へ出るまで、また時間がかかる。それに、そこへ行くための電車代だって安くない。私たちはもう子供じゃない。電車に乗るための値段だって、大人たちと変わりない。それなのに、私たちの持っているお金は、大人たちより、うんとうんと少ない。

部屋の中で動画を見て過ごしていると、窓の外から母の声がした。窓は閉めているが、笑いながら話す母の声はうるさくて、窓ガラスの厚さなんてたやすく突き破る。どうせまた隣の家の佐藤さんと噂話でもしているのだろう。

専業主婦である母は私の中学のPTAに入ったり、こうして井戸端会議にいそしんだり、情報収集に余念がない。それがこの町で上手く生きていくコツなのだ、と得意げに語っていたのを思い出す。

バカみたいだ。そんなつまらないことに必死になれる母が分からないし、嫌いだった。

携帯の画面には天月そらのミュージックビデオが流れている。画面の中で彼女が、『広い世界に飛び出そう』と、希望を歌っている。携帯から流れる音楽を上書きするような、母の話し声がうるさかった。私はイヤホンを手にとって、接続端子を携帯に刺す。イヤホンをぎゅっと耳の奥に押し込んで、さらに音量を上げた。

広い世界へ――天月そらの声が頭の中に広がる。

私も早く、広い世界に行きたい。

そこから別の動画から動画へと移っていき、退屈を紛らわす。いつの間にか、もう外から母の声は聞こえてこなかった。天月そらの動画はもうどれも見たことがあるものばかりで、すぐに携帯をいじるのにも飽きてきた。毎週毎週、こんな生活の繰り返しだ。

私の暮らす世界はあまりにも狭く、窮屈だった。

そう思った時だった。退屈を切り裂く音が鳴った。

ピンポーン、と、それは軽やかに家中に響き、私の部屋まで届いた。窓から外を覗くと、宅配便のトラックが見えた。私のだ、と思った。

親に受け取られたらたまらない。箱に入っているから親に中身がバレることはないだろうけど、あれをあの人たちの手に触れられたくない。「私が出るから!」叫びながら階段を駆け下りる。

玄関のドアを開け、宅配の男からひったくるようにして荷物を受け取る。梱包された荷物を両腕に抱えると、それだけで心が躍った。荷物を持って家に戻ると、母が「また頼んだの?」と言ってきたが、そんな言葉、今の私には聞こえない。大きな段ボールに梱包された荷物を抱えて、階段を駆け上る。部屋に入ってドアを閉めれば、私はもう自由だった。部屋の真ん中にそれを置くと、もういよいよ抑えられなくなる。

段ボールにふたをする紙テープを、力任せに引き剥がす。ビリィッと紙を破くような音がして、それが余計に興奮を掻き立てた。

段ボールの上蓋を開いた。その瞬間、興奮は最高潮に達する。段ボールから出てきたのは、透明なビニールに包まれた、二着の洋服だ。そのうちの一着を手にとって広げる。

ああ……。

手に取ったのはトップスだった。フワフワとした質感のブラウス。首元を囲むようにして縫われたレースが目に飛び込んだ。この質感とレースのデザインに私は一目惚れしたのだ。まだもう少しそれを眺めていたい気持ちもあったけど、次へ次へ、と急かす私が勝った。次に取り出しのはボトムスだ。いろいろなデザインの刺繍が散りばめられた、紺色のひらひらしたフレアスカート。想像通りの色合いとデザインに、思わず笑みがこぼれた。

この二つを合わせたら、絶対に可愛い。その確信があって、これらを注文することに迷いはなかった。

今回注文したこのトップスもボトムスも、どちらも同じブランドのものだ。

『アルマージュ』

このブランドは、私の一番のお気に入りだ。ロリータ調でフェミニンな印象が強く、着ていく場所や着る人を選ぶ。けれどこのブランドは、あどけなさの残る私の顔と、白い肌によく似合った。周りの女子が着ているのはほとんど見かけないし、店舗だってあまり多くはないけれど、私だけが着こなせるブランドだっていう気がして、それが逆に嬉しかった。

はやる気持ちを抑えることもせず、さっそくその二着をビニールの袋から取り出して、タグを切り外す。着ていた部屋着を脱ぎ捨てて、乱雑にベッドに放り投げた。下着姿となった私は、浮かれ気分で袋から取り出したそれらを身につけていく。

ブラウスの袖に両腕を通し、前のボタンを閉じる。スカートのチャックを引き上げ、ホックを留める。ドクンドクン、と鼓動が早い。鏡はまだ見ない。ブラウスと背中の間に挟まった髪の毛をかき上げる。手櫛で軽く毛の流れを正すと、いよいよ身なりは整った。

恐る恐る全身鏡の前に立つ。ゆっくりと顔を上げ、私は、鏡の中に映る私を見た。

思い描いた私が、そこにはいた。

このままでも十分かわいいが、今の季節に上着がなくては肌寒い。それに、足元も裸足のままでは寂しすぎる。気分が乗り始めていた。

去年の秋に買った、同じアルマージュの春秋用の薄手のコートがあった。それに、ブランドは違うけど、リボン型のワンポイントが特徴の黒いローファーがある。これらを組み合わせればきっと、私はもっと可愛くなれる。

まずは、クローゼットからコートを取り出して、それを羽織り、膝上までの長いソックスを履く。そこまですると、せっかくだから、と学校には付けていけないカラフルなヘアピンもつけた。

もう一度、鏡の前に立つ。私のセンスは完璧だった。全身が一つの世界観で統一されていて、コーディネートにテーマがある。ここまでコーデを作ってしまったし、何より、シューズまで合わせるためにも、出歩かないという選択肢はなかった。

バッグに最低限の荷物だけをまとめて、部屋を出た。浮かれ気分で、飛ぶように階段を駆け下りていく。「今日お昼いらないから」私はリビングにいる母に声だけで伝えて家を出た。

母は、私の服の趣味に理解がない。『無駄にフリフリして恥ずかしい』というのが母による評だった。ちょっと車に乗ってしまむらにでも行けば、もっと安くてマトモなのが買えるのに……と、トンチンカンな嘆きをしていたことを思い出す。別に、あんな人に分かってもらいたいとも思わないけど。

家を出た私は、とにかく気分が高揚していた。お気に入りの洋服を着て外を出歩くだけで、どうしてこんなに心が弾むのだろう。思わずスキップしたくなる衝動にかられながら、自分の身体を見下ろした。毛玉も、糸のほつれの一つもない、おろしたてのブラウスとスカート。それに合わせて身につけたコートも靴も、見慣れている物のはずなのに、新鮮に映る。

今日はこのまま電車に乗って都心部まで行こう。今から誰かを呼んで一緒に行くのも良いけど、このまま一人で優雅に過ごすのも悪くない。そういえば、スタバで新作のフラペチーノが出たって、誰かが話していたっけ。

カツ、カツ、とローファーが鳴らす音を聞きながら道を歩く。時々吹いてくる、秋も深まっていることを感じさせるような風は冷たいが、薄手のコートにちょうどいい。もう少し暑ければコートはいらないし、もう少し寒ければもっと分厚いコートの出番になる。重すぎず、軽すぎず、やっぱり秋の服が一番可愛い。

もう一度、自分の身体を見下ろしてみる。歩くたびに揺れるスカートが可愛かった。

――が、そんな風に浮かれていたのが良くなかった。

「おい」と、しわがれたような、怒気のこもった声が隣の方から聞こえた。慌てて身体を向けると、苛立った顔の老人の男がいた。茂だった。

「最悪……」

思わずつぶやいたその声が、聞こえていたかは分からない。ただ、茂はキレていた。

「貴様、人の前を歩くのに、なんの挨拶もないとはどういうことだ!」

どうやら、またくだらないことで怒っているようだった。歩くのに夢中になっていて、茂の姿が見えていなかった。バカなことをした、と今更ながらに後悔した。

「……すみません」

とりあえず謝ってみても、茂の表情は変わらない。何があっても許す気なんてないように見えて、謝るのもバカバカしくなってくる。

「ふん。そんなふざけた格好をしているから挨拶の一つもできないんだ。ちょっとこっちに来い」

茂の右手が、私の胸ぐらを無造作に掴んだ。シワだらけの真っ黒な手が、おろしたての真っ白なブラウスを掴んでいた。

頭の中で何かが切れた音がして――直後、考えるよりも先に身体が動いていた。

「離して!」茂の右手を、叩くようにして振り払っていた。

「貴様、なんだその態度は! いったい、どういう教育を受けているんだ。どこの家のもんだ!」

大きな声で茂が怒鳴る。こんな大声で騒がれては、近くの家の人にまで聞こえてしまう。ひょっとしたら、私の家まで届いているもしれない。もしも母がそれを聞いていて家を出てきたら、最悪の展開だ。長く伸びた太い眉毛をこれ以上ないほどに釣り上げて、燃えるような瞳で私の顔を射抜いている。今からどれだけ謝っても、茂が許すことはないだろう。

私は走り出していた。

「なっ、待て!」

いくら大人の男と言えども、しょせんは死にかけの老人だ。たぶん、逃げ切れる。茂も慌てて走り出したが、老人らしくやはり反応が遅い。私と茂の間には、あっと言う間に距離ができていた。このまま逃げ切れると思った。

が、履いている靴がダメだった。かかとが高くなっているローファーは、走るのに適さない。転ばないようにするだけで手一杯で、全力で走れない。走るたびに、カツ、カツと鳴る音が、今は恨めしかった。距離が縮まることはないが、広まることもない。体力だけが減っていった。

「いつまで追ってくんのよ」

どこへ向かって走っているのかも分からないまま、ただ逃げるために走る。さすがに体力は私の方があるかと思っていたが、茂はまるで疲れた様子を見せない。角を曲がり、通りを走り、また角を曲がっても、それでも茂が後ろにいた。まったく、頭はボケてるくせに身体だけは頑丈なやつだ。

逆に、私の方が先に体力が尽きそうになっていた。運動なんて体育の授業くらいで、それだって全然真面目にやっていない。少し走るだけで、すぐに息が切れてきた。こんな時になって、自分の体力不足が恨めしい。

――その時、突然視界が横になった。足をひねった感覚がして、自分が転んでいるのだと気づいた。

とっさに手をつこうとしたがうまくいかずに、走る勢いのままに、地面の上を滑るようにして思いきり転んでしまっていた。

「痛っ」

膝のあたりに激痛がして、見るとソックスの膝のあたりに擦った後があった。きっと布の奥では、出血だってしているだろう。けれど、そんなものよりも目についたものがあった。スカートの裾に、思いきり擦れた跡があり、糸がほつれてしまっていた。

「ホンット、最悪!」

叫んで、立ち上がる。他にも傷ができていないか気がかりだったけれど、後ろからは茂が迫っている。私はまた、走り出した。

走って、後ろを確認して、また走る。もう、茂が近かった。地面に打ち付けた膝が痛んで、思うように走れない。このままでは追いつかれる。

この先の角を曲がって少し走れば、山の中に入る。山の中なら木や草が生い茂り、姿を隠すにはうってつけだと思った。角を曲がり、山の入り口の手前までたどり着いた。

この山は登山用の山でもなければ、人が普段から手入れをしている山でもない。立ち入るのに、一瞬だけ躊躇をした。後ろからは今も茂が迫っている。

何もこの山に入るのは初めてではない。この辺りの子供は、みんなこの山に親しんで育ってきた。私だって幼い頃はよく友達と遊びに入って、山中を走り回った記憶もある。道ならたぶん、覚えている。私は、覚悟を決めて山の中へと踏み出した。

山の中に入れば姿を隠せるのではないかという読みは当たった。少し奥の方に入っていけば、背丈よりも高い草や身体よりも幹の太い大木が林立している。追いかけて来た茂の姿は、すぐに見えなくなった。

姿が見えなくなった後も、本当に逃げ切れたのか不安で、音を立てないようにしながら、しばらく山の中を歩き続けた。

山の中に入ってから、もう十分ほどが経っただろうか。辺りにはもう何の気配もなく、いよいよ逃げ切れたのだという実感が湧いてきた。逃げ切れたことによる安堵がこみ上げると、忘れていた膝の痛みが再び強く主張をしてきた。

もう逃げ続ける必要もない。足を止めて、立ち止まる。焦りが消えたことで、そこでふと冷静になってしまった。

私は、何をやってるんだろう。

おろしたてだったはずのお気に入りのブランドの洋服は乱れ、山道を走ったせいで、いたるところが汚れている。糸がほつれてしまったスカートの裾に改めて目を向ける。誤魔化しようもないほどに擦り切れた跡があり、あまりにもみすぼらしい。

「最悪……」

そうつぶやくと、目の奥がじわっとなった。

泣くな。泣いてしまったら、あんなやつに屈してしまったことになる。ぎゅっ、と両手を握って、溢れ出そうとしている涙を食い止める。立ち尽くしているとますます惨めに思えてくるから、行く当てもないけれど、とりあえず歩き出す。

慣れ親しんだ山だったはずなのに、今の私がどこにいるか分からない。どっちの方向に歩けば山を抜けられるのかさえ、検討もつかなかった。周囲をぐるりと見回してみても、三百六十度似たような木が立ち並ぶばかりで、記憶を掘り起こす手がかりになりそうなものは何もない。

今自分がどこを歩いているのか、どこへ向かって歩いているのか、それさえも分からない。何も分からないけれど、それでも歩き続けるしかない。むき出しになった足を草が撫でるのが不快でも、足を取ろうとするぬかるみが鬱陶しくても、それでも歩くのを止めるわけにはいかなかった。

山の中は、イメージほど静かじゃない。鳥が鳴き、木々がざわめき、無音となる瞬間はそれほど多くない。昔は何も気にしなかったはずなのに、今はこのざわめきが少し怖かった。近くでガサッと音がするたび、私の身体は小さく跳ねた。一人で山の中を歩くことが、こんなに心細いことだなんて思わなかった。

私が異変に気づいたのは、そこからまた五分ほど歩いた時のことだった。何かが違う、と思った。決定的な違いは分からないが、明らかにさっきまでと何かが変わった。なんとなく不安なような、落ち着かないような気分になって、警戒しながら歩く。注意深く耳をそばだててみて、そこで気づいた。

そうだ、さっきからやけに静かだった。

別に行く当てなんてない。どこに向かって歩けば、町に出られるかなんて分からない。それなのに、私には何か道が見えているような気分になった。

そこからの私は、まるで何かに導かれるようだった。私の足は確かな目的を持っているみたいに前へ、前へと進んでいく。この先に進んでいけば何かがある。そんな予感みたいなものがあった。

やがて、根元が腐りかけた一本の巨木が目に入った。その巨木の横を抜けた、その瞬間だった。

それは、突如として目の前に現れた。

それを目の前にして、私は思わず足を止めた。木々がわずかな隙間で林立するこの山の中で、その場所は不思議なくらいに開けていた。

その広い空間の真ん中に、それはあった。

そこにあったのは、綺麗な円形を描く、ポッカリとした一つの穴だった。

その穴は底も側面も真っ暗で、まるで深さが見通せない。いったいどこまで続いているのか、ただ闇だけが続いていた。

「何、これ……」

まるでコンパスで線を引いたかのような綺麗な円形をしていて、自然発生したものとは思えない。誰かがここでボーリングでもしたのかと考えたが、自分自身その考えには納得できていなかった。そんな当たり前の理由では説明がつかないくらいに、それはあまりにも異質だった。

あたりを見回せば、いつもと何も変わらない山の景色が広がっているのに、ここだけがあまりにも異常だった。日常の中に、異質なものが混ざり込んでいるみたいで、けれど、その見た目ほど違和感を覚えていないのも確かだった。

すべてが闇に塗られたそれは、見るものに不気味な印象を与える。直径にしてちょうど一メートル程度の穴だが、それでもやはり恐怖を覚えた。

見つめていると、心がざわついて落ち着かなくなる。その感情に、きっと間違いはないと思う。が、不思議なほどに、私はそれから目を離せないでいた。

私は真っ暗なその穴に、心を惹かれていた。


結局、その日はそのまま家に帰った。

意外にも、あの穴があった場所は山の入り口からはそう離れていなかったようで、ふらふらと歩いていたら、すぐに視界の奥に街の景色が見えた。山を抜けた時、時間はまだ昼頃だったが、電車に乗って都心部へ行くという私の計画は中止になった。あのみすぼらしい格好では電車に乗ることもできなかったし、それになにより、その時の私にはもう駅に行くまでの気力さえ残っていなかった。

自分の部屋に戻った私は、すぐさま服を脱ぎ捨てた。改めて明かりの下で見てみると、脱いだ服があまりにもボロボロで、下着姿のまま泣いた。

買ったばかりなのに、お気に入りの服なのに……

やがて涙が落ち着いてくると、ぐうー、とお腹からは間抜けな音が鳴った。そういえば、お昼はいらない、と言って家を出て行ったことを思い出す。お腹を満たすためのものすら、私には用意されていない。

あまりにも惨めだ。収まりかけていた涙がまた溢れてきた。


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