表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻現自在のダウナーリリー  作者: 式十
強さと信頼と前触れと
21/121

底獄への誘い

「……へえぇ、何アルこれ!!どういうメイズアル!?こんなの見た事ないネ!!」

 白銀の遺跡を見るなりトランは目を輝かせて駆け出し、あっと言う間に吹雪でかすんで見えなくなった。きっとポーチからルーペやハンマーを取り出して、あちこち調べ始めているに違いない。流石は二等星攻略者だな、としみじみ思いながら、僕も駆け足になって大声で言葉を返した。

「そうだねぇ。存在が隠蔽されてるから、今まで知られてなかったんだけど……もう誰も知らなくていい様にするのが、今の僕達の仕事かな」

 ……しかし、一切聞かれていなかった様だ。思わず振り返って淋の方を見ると、彼女は案外落ち着いた表情で遺跡……メイズを見ていた。

「怖くないのかい?」

「……ええと、どこかで見た事ある、って訳じゃないけど……ここと似た様な場所にいた気がするの……」

 よく見ると、海をそのまま固めた様な蒼い瞳には、恐怖の色といつもの涙が浮かんでいる。

「すると……何か思い出しかけてるって事かな?」

 淋は小さく頷く。僕はその頭を軽く撫でて、彼女の後ろにいる存在を見た。

「それにしても、よくこんなに集まったねぇ……」

 彼女の後ろには優しげな目のシロクマや、角の先に冷気が渦巻いているユニコーンなど、白い体色こそ同じなものの、四十種類、百匹以上はゆうに超えるクリーチャー達が揃っていた。

「ここのみんなは仲良しなんだって、だから全員連れてきたよーってさ」

 淋は肩に乗ってきたユキリスを見つめて笑っていた。なかなか絵になる光景だ。

「……はー。なるほどすごいアル、超硬度アル。叩いても傷ひとつつかないし電気も通用しないネ……こんなに無機質的で「侵入者ブッ殺す目的で出来た感」をかもしてるメイズなんか見た事ないネ、バチバチしてきたアル……」

 トランもトランで、遠くでぶつぶつ言いながら楽しそうにしていた。彼の勘は未来予知の様に鋭く、正確だ。実際トランの独り言は、このメイズ、及びメイズキーパーが「造られた」理由をほぼ的確に表していた。

 かつては異能者を一掃するため、今はこの国に逃げ込んだ人間を抹殺するために残された失敗作。それが目の前のメイズである。

「……二人とも、行こう。澪が危険だ……準備は出来てる?」

 僕が澪の名前を出すと、二人は各々の武器を構えて威勢良く返事をした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ