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幻現自在のダウナーリリー  作者: 式十
強さと信頼と前触れと
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理不尽な攻撃って大抵は北から来るらしいよ

「……朝か……」

 目を覚ますと、まず携帯ゲーム機の画面と目が合った。昨日の夜は仰向けになってゲームをしていた記憶があるから、多分寝ぼけて落として、そのまま寝てしまったのだろう。

 バッテリー残量がそろそろ危ないのか、電源ランプは赤い光を点滅させていた。そんな事してるから余計に充電が減るんじゃないか?と思いながらも、近くにあった充電台にゲーム機を置く。

 点滅が収まった所で、ぼんやりと部屋を見渡してみた。


 床には「タコ足配線やめて欲ーしいー♪」のCMを完全に無視して無数に張り巡らされた延長コード、某社の据え置き型ゲーム機や聖剣のレプリカが転がっている。

 壁にはゲームの初回限定版についてきたポスターや100均のカレンダーが画鋲で乱雑に貼られていたし、様々なハードのソフトが山の様に積まれていたりもした。

「はー……」

 最早ちょっとした戦場の様である。これはひどい。……自分の部屋だけど。

 気分が沈みそうになるので、しゃーっとカーテンを開けて窓を開けた。こういう時は自然の息吹を感じるに限る。

 ……のだが。


「ふっふーん、ようやく起きたわね魔王!!今日と言う今日はあんたをケチョンケチョンのギッタギタ、おまけに出来立てのアッツアツにしてあげるわ!!覚悟しなさい!!」

 ボクの目と鼻の先には、高くそびえる壁の上で巨大なレーザー砲を構えるバカの姿があった。

 確かこの壁は100mほどあったハズだけど、あんなモノを持ってどうやって登ってきたのだろうか。

「ボク、こんなモーニングコールいらないって前も言わなかったっけ」

「遺言はそんなつまんないのでいいのかしら?まぁいいわ、とりあえず発射!!ファイヤー!!」

 ぼやきもバカには届かず、夕日の様に赤いレーザーが凄まじい音と共に発射された。ボクは欠伸をしながら、右手でその直径2mほどのレーザーに触れる。

「ぎゃあああ!!」

 するとあら不思議、レーザーは面白い様に跳ね返ってバカに向かって飛んでいった。


「……最悪な朝だ……」

 ボクは窓をそっと閉めて、そのまま部屋を出た。

 バカの行方は、誰も知らない。

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