第九話 美しきサポーターの独り言 (2)
お読みいただき、有難うございます。
そして、すみません。1~8話までを大きく修正、追加してしまいました。
私はとある弱小探索者ギルドに所属する美しきサポーター、エーンベソル・メントン。
今は食後に一人、自室でお気に入りの赤ワインを飲んでる処。至高の一時ね。
この前拾った少年、ミー君のお陰で美味しいワインが毎日飲めるようになったの。
魔力は吸い放題でお肌はプルンプルンだし、体調も絶好調ね。
それにしても、東地区から取り寄せた最高級のグラスで飲むワインは、やっぱり一味違うわね。
そう言えば、ダンピールになってからもう十日くらい経つけど、特に身体に問題はなさそうね。
それどころか、お肌の艶も十代の頃みたいになったし、毎日身体から力が溢れてくるくらいなのよね。
どうやらお祖母様が気にし過ぎだっただけみたい。もう気にするのは止めましょう。
と言う事で、これからもミー君には、もっともっと頑張って貰わなきゃね。
でもミー君の最初の印象は、とっても弱そうで将来性の欠片も感じられない、可愛いだけの弟って感じだったのよね。
すっごく魔力は美味しいしから、ついでにお小遣い稼ぎになればいいかなって思っただけ。
それにサポーターとして仕事をしてる素振りを見せるのに丁度良かったから。
でも、まさかゴブリンにやられちゃうなんて思わなかったわ。ここまで弱いと私のお小遣いも稼げないじゃないのよ。泣きそうな顔して帰ってくるから、思わず真面目に助言しちゃったわよ、もう!
お陰でまたミー君の血が飲めたから、良かったんだけどね。
まぁ私が助言してあげたんだから当然なんだけど、なんとか狩りが出来るようになったみたいね。
でも助言するのは少し早かったかしらね。もっと死んでもらって血を吸っとけば良かったわ。
ま、いいか。あの調子ならまたすぐ死ぬでしょ。
とりあえずミー君には、ずっとずっと私に感謝してもらわなきゃ。
だからゴブリンの素材代金は一律十エールって事にして、後は私が貰ってあげてるわ。当然よね。
ミー君ったら、毎日真面目に狩ってくるから、結構な稼ぎになってるわ。
そうそう、ミー君の新人支援金が管理局から振り込まれたんだけど、五千エールもあったのよ。びっくりしたわよ。
たかが新人にそんな大金、贅沢すぎよ。最初から甘やかしたら駄目になっちゃうから、私が預かる事にしたわ。
それと、闇市に流した魔法書が一万エールになったのにも驚いたわね。女は何かと入り用だから、ありがたく使わせて貰ったわ。
そして私のミー君が、やっとの思いでLv2になりました、パチパチパチ。ま、私がついてるんだから当然なんだけどね。
レベルアップしたミー君の魔力は、また一段と美味しくなったわ。もうミー君が帰って来るのが待ち遠しくて……朝から魔力吸っちゃう訳にもいかないし、悩ましいわぁ。
そう言えば、あの子、最初はゴブリンの血を浴びたまま帰ってきたのよね。あのままじゃ抱きしめて魔力吸えないから、着替えて出直してきて貰ったわ。一体どうやったらゴブリン程度の魔物の返り血を浴びるのか、不思議でしょうがないわよ。
それと最近、魔力吸うときにミー君が抱きしめてくるのよね……ちょっと調子に乗ってる気もするけど、まぁ少しくらいは良い思いさせてあげないとね。元々視線がエッチだったから仕方ないけど、これ以上エスカレートしそうになったら、お仕置きね。
そう言えば、ミー君は明日から二階層ね。ワーウルフと言えば……黙ってたら……ジュルル。
私も少しうっかりさんな処があるかも知れないから、新しい『帰還の魔石』も準備しとかなくちゃ。
二階層に上がれば稼ぎも増えると思うし、これでワンランク上のワインが飲めそうね、ウフッ。
全く話は変わるけど、フレンさんが担当してる小娘が最近、ミー君の事を嗅ぎ回ってるのよね。何も教えてないのに、獣人は鼻が利くからすぐ気付いたみたい。
もし私のミー君にチョッカイ出したら許さないわ。フレンさんの目が届かない所で、尻尾を引っこ抜いてやるんだから!
~~~前回のベソルの収益~~~
<ステータス上の所持金額>
前回繰り越し 4,480エール
新人探索者の支援金 +5,000エール
火の魔法書 +10,000エール
サポーター日当 +1,000エール
ゴブリン素材代合計 +3,100
ゴブリン魔石代合計 +1,200
食事代 -2,100エール
赤ワイン代 -2,100エール
ドレス代(3着) -8,000エール
魔力エステ代 -2,000エール
ティーカップセット -1,000エール
ワイングラスセット -1,000エール
残高 8,580エール
<裏帳簿>
前回繰り越し 1,500エール
帰還の魔石 450エール
お小遣い 200エール
ゴブリン討伐代金(ミー君取り分) -715エール
総額(借金扱い) 1,435エール
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前半はここまでとなります。
後半が書けたらまた投稿します。