遭遇
拓巳からバイクを受け取り、町の外に出た二人は、荒野の中を走っていた。
昔は緑豊かだっただろう道を走る。
いつもこの光景を見るたびに二人は寂しさを感じていた。
(ここにも昔は人が住んでいただろうに)
いくら自分たちが戦争を起こして自業自得で滅びかけたのだとしても、やはりどこかやるせない、人が生きていた跡が無数に存在する道無き道を、二人はただ走り抜けた。
今二人が向かっている場所は海の中にある都市、旧EUであるアクアコロニーだ。
水中に一つの都市を築く、それはとても困難だが、反面防御もしやすい、そして水の中は比較的戦争の影響は受けていなかった為変異種もそれ程多くはなかった。
その為あまり戦闘部隊を持っていない都市でもあった。
そこを目指しているのだが、アクアコロニーまで結構距離がある。
戦闘がなければいいのだが、そこまで変異種達は優しくなかった。
「ッ!?」
突然刀弥がバイクを停止させ、岩陰に隠れた。
それが何を意味するのか紗夜はわかっていた。
即座に刀弥とは違う岩陰に銃を持って隠れる。
しばらくすると足音と共に変異種が姿を現した。
獣のような形だが大きさはゆうに3メートル以上ある。
4足歩行で全身を覆う毛は針金のように尖っていて、掠っただけでも大怪我をすることがわかる。
ただ歩いているだけなのに見ているこちらは冷や汗が止まらない、それはそうだ。
仕掛け方を間違えばこちらがいとも簡単にやられてしまう。
戦う前からもう戦闘は始まっているのだ。
二人は攻撃を仕掛けるべく隙を狙った。
紗夜は岩陰を移動して出来るだけ刀弥から離れるように動いていた。
紗夜は刀弥のサポート役の為、変異種の意識を紗夜にむけて、刀弥が一撃で倒す事にしていた。
それを決めるとき、刀弥は反対した。
なぜなら一時的とは言え紗夜に変異種の注意が向くからだ。
しかし危険なのはお互い様、私も刀弥を守りたいと言われ、渋々認めた。
それからこのやり方でやり続けていた。
このやり方が通じない相手もいるが、そのときは臨機応変に行動して倒してきた。
どうやら今回遭遇した変異種は単体なようなのでいつもの戦法で倒せるだろう。
そんなことを思っているうちにどうやら紗夜が配置についたようだ。
刀弥は思っていたことを頭の隅に追いやった。
目の前の敵を倒すことだけに集中する。
頭の中で敵の動きをシュミレーションする。
一歩間違えば死あるのみ、そんな中で勝率を上げるためには限りなく無限に近い相手の動きをシュミレーションして戦う必要があった。
昔あった剣の達人同士が試合をする時、お互いが件を抜いたときにほとんど勝敗は決まっているらしい、それはお互い




