冒頭 始まり
今回が初投稿です。
拙い部分が多くありますが、生温かい目で見てくださいw
一応誤字などは確認して居ますが見つけたら教えてください。
あとはこうするといいんじゃない?とかここおかしくない?と思ったらどんどん言ってください
今のこの世界は地獄だ。
はるか昔、この世界は平和だったらしい、いつまでも平和が続くだろうと人々は思っていた。
しかしいつまでも続くだろうと思われていた平和は脆く消え去った。
とある国が私利私欲の為に戦争を起こしたのだ。
それによって全世界を巻き込んだ大規模な戦争が起こった。
各国は核兵器を使用した。
核兵器によって世界は荒れ果て、生物は大きく数を減らした。
このまま世界は滅びるのかと誰しもが思っていた。
しかし世界が滅びることは無かった。
生物達は突然変異によって環境に適応した。
適応しただけなら良かったのだが姿形も大きく変わり果て、人を襲い始めたのだ。
人間達もただ滅びるのを良しとせず長い時をかけ環境に適応し、生物達と戦う術を見出した。
凶暴化した生物達と戦う討伐師、それを支え武器を作る鍛治師。
鍛治師と聞けば分かるだろうが武器は刀剣類だ。
銃なども作ることが出来るが相手によっては効かなかったりするので牽制目的でしか使うことはない。
なのでメインとして戦う為には刀剣類が必須となる。
なので一人の討伐師には一人の鍛治師というのが常識となっている。
そしてその二人のことを人々は(ソウルメイト)と呼んだ。
「紗夜、出来たか?」
そう言った青年の髪は黒く、瞳は吸い込まれるような深い青色をしていた。
青年の名は鏡刀弥
戦争後から今までの長い歴史の中で代々討伐師をしてきた一族だ。
その為、刀弥は討伐師である。
数多くいる討伐師の中でも高ランクの敵を幾度となく倒して来ている実力者でもあった。
「ごめん、まだ掛かりそうなんだ。良かったらそこで待っててくれる?」
そう答えた少女は黒く艶やかな髪を後ろで束ね、ポニーテールにしていた。
顔は煤などで汚れていたが、それでもとても美人なのが見て取れる。
彼女の名前は天国紗夜、はるか昔に有名だった鍛治師の一族だった。
先の会話でも分かるように紗夜はの鍛治師だ。
「わかった。時間はあるから急がなくていいぞ」
刀弥はそう一言言うと近くにあった椅子に座った。
「うん、ありがとね」
紗夜は刀弥に一言礼を言うと、再び手元を見て、真剣な表情に戻った。
心臓の音すら聞こえて来そうな硬質な空気の中、刀弥はただじっと紗夜の手元を見つめた。
紗夜の作業は何度見ても感心させられる。
人に見られていても一切集中を切らすことなくただ目の前の鉄に槌を一定の感覚で打ち付け続ける。
昔から数え切れない程槌が鉄を叩く音を聞いてきたが、飽きることはない。
それから数十分経った。
刀作りで一番大切である焼き入れの工程が終わり、様々な角度から眺めていた紗夜が、大きく頷いた。
「よしっ完成!」
まだ幾つかの工程が残ってはいるが、刀作りの上で焼き入れが終わればほぼ終わったと言ってもいい。
紗夜が焼き入れを終えた刀の出来映えを刀弥が確認する。
「今回もいい刀が出来たみたいだな」
刀弥から見ても満足の行く出来らしく、何度も刀身を眺め、褒めていた。
この刀は普通の刀とは大きく違う。
この刀はただ玉鋼を使って作られた刀ではなく、変異種から取った素材と合わせて作られた物だ。
なので従来の刀より硬く、切れ味も格段に良くなっている。
古来の刀は玉鋼だけでも切れ味が抜群だったらしいのだが、どうしても刃こぼれを起こしてしまう、なので変異種達の素材を合わせ作ることで強度などを補った。
そして強い刀を作りたければ素材も良くなければいけない、なのでより強い変異種を倒し素材を手に入れ刀を作るというのが必須となる。
なので強い刀を持っている者は必然的に強い変異種を倒したことになる。
刀を見れば討伐師のランクが大体分かるのだ。
「刀弥がいつも最高の素材を取って来てくれるからだよ」
「お前の腕もあるからこそ最高の刀になるんだろ?ありがとな」
「そう言ってもらえると頑張った甲斐があるよ」
二人で完成した刀を見ながら礼を言い合う。
端から見るとおかしな光景のようだが双方の信頼無くして最高の刀というのは出来ない。
なので刀弥達はいつも互いに尊敬し信頼することを忘れないようにしている。
それが良い刀を作る条件だというのを知っているから。
「はい、これが今回の刀だよ」
「悪いな、それじゃ少し試してみるよ」
試し斬り用に置いてある大人の胴体程もある丸太の前に深く腰を落とし、刀を体の後ろに隠す。
俗に言う居合いの構えを取り集中する。
さらさらと風が吹き、木の葉が数枚飛んで来たところで一息に刀を振り抜く、神速とも言える速度で振り抜かれた刀は、いつの間にか鞘に収められている。
そして斬られたはずの丸太は、寸分違わずさっきまでと同じ位置にあるように見えた。
紗夜が近寄り丸太の上を少し押すと、丸太は横にずれ、真っ二つになった。
断面を見ると鏡のように綺麗に斬られていた。
「今回も最高の出来だな。これなら次の任務も安心して行ける。」
「次はどこに行くんだろうね?」
試し斬りをした刀を紗夜に預け、二人である建物に向かう。
周りと比べて格段に大きな建物の前に辿り着いた二人は、入り口に立っている番の人に挨拶し、建物の中に入っていく。
迷路のような通路を歩いて行き、ある部屋の前で立ち止まる。
「鏡刀弥」「天国紗夜」「「ただいま参りました」」
「来たか、入ってくれ」
「「はい」」
返事をしてから目の前にある大きな扉に手を掛け、押し開く。
中に居たのは30代半ば位の男性だった。
身体つきは30代とは思えない程がっしりしていて、相当鍛えてあることが服の上からでも伺える。
彼の名前は鏡正宗、刀弥の実の父であり今は討伐師のトップでもある。
「急に呼び出してすまないな。今日は二人に私から依頼をしたいんだ。」
「父さんから……ですか?」
今まで依頼は幾度と無く受けて来たが今回は少し事情が違うようだった。
机の上で真剣な表情をして頷く正宗に、二人は姿勢を正した。
「最近、どうも変異種達の行動がおかしい気がする。二人に依頼と言うのはそれを調べて来て欲しいんだ。」
「行動がおかしいとは?具体的にどのようなことなのですか?」
「今までは独立して個々で襲って来ていたんだが、どうにも最近協力して襲って来ているようなんだ。もし統率個体がいるようなら早急に討伐してもらいたい。」
正宗の話を聞いて、二人は緊張の色を濃くした。
もしその話が本当ならかなり厄介なことになる。
個々で戦って来たからこそ辛うじて勝てた場面が何度もあったからだ。
「わかりました、早急に調査し、統率個体を見つけ次第、討伐します。」
「ありがとう。期待してるよ」
詳しい資料を正宗から受け取り、部屋を出ようとすると正宗から止められた。
「紗夜ちゃん、最近息子とどうだい?」
「えっと……良くしてもらってますよ?」
いきなりさっきまでとは口調が変わり、ニヤニヤしながら聞いてきた正宗に、戸惑いながら答える。
「そっか。数年前を思い出すなあ、刀弥が紗夜ちゃんとソウルメイトになるっ!て言って聞かなかったんだよなあ」
「今その話はしなくていいだろっ!?」
顔を赤くして反論する刀弥をニヤニヤしながら眺める正宗、こう言ってはなんだが、ただの親バカにしか見えない。
「刀弥、紗夜ちゃんとソウルメイトになったからにはちゃんと責任は取れよ?」
「わかってるよ!言われなくても責任は取るさ」
そんな二人の会話を聞いて紗夜は顔を真っ赤にしていた。
それもそうだろう、ソウルメイトとは運命共同体、すなわちパートナーと言うことになる。
男女間でソウルメイトになると言うことは、プロポーズと同じ意味を持つのだ。
それが常識なので、ソウルメイトは男女ペアであることが多い。
「それはともかく、今回の依頼は不明瞭なところがある。気をつけて行ってこい」
「……わかった。行ってくる」
ふざけたり真面目になったりと、コロコロ変わる父親に少しげんなりしながらも、二人は部屋を退室した。




