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エルフ先生強かったなぁと思いながら、寮で朝ごはんを食べる。
これは直感だけど、全体攻撃系、フィールドを変化させる規模の魂力がある。
戦略的に見ても、そんな感じがした。
小麦のような何かで作られた丸い饅頭のやつと、村にもいた鳥さんたちの卵で作ったスクランブルエッグ。
教國は内陸部にある国だから、塩の値段は高い。
そのため、森で取れる岩塩のような植物が一般に出回っている。
その植物も結構なお値段がするので、メインはこの塩と言っても過言ではない。
塩を美味しく食べるための、間違いなく貴族に相応しい、豪華な朝食である。
日本食と比べると…?
比べるまでもない。2歳の頃に、諦めが付いた。
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いや、諦めるのはまだ早いのかも知れない。
あの戦闘から数日後に、エルフ先生が、そこまで強いなら魔獣討伐組合に行ってくればいいんじゃない?という提案があった。
お金は多少の仕送りがあるから良いけど、贅沢三昧とは行かない。
ふらっと討伐に行って、お金が貰えるなら、それで美味しいご飯も作れる可能性はある。
魔法科目の息抜きに(才能もなく、滅茶苦茶苦戦してる)、体を動かすのも良い。
今日のクラスは午前中で終わったので、午後から組合署に行ってみる。
組合は國営で、いにしえの役所みたいな感じだ。
数千年の歴史がある組合で、石畳みが敷かれており、魔物の血が染み込んでるような感じがする。
まぁ、綺麗には掃除されているが。
最近(ここ三百年くらい)になって、魔獣の解体場と、受付が分けられたというのは、エルフ先生談。
そんな歴史的建造物の受付で、話を伺う。
「…?
どうしたの?こんな所で。」
そう言えば、私は9歳児だった!?
「あ、いえ…私は、セ家の者です。
組合に登録したいのですが、可能でしょうか。」
師匠から貰ったペンダントを、背伸びしてカウンターの上に乗せた。
「こっ、これは失礼しました。
神職の方で戦闘職の人は珍しいですが…
もしかして、他の職種などご希望ですか?」
「戦闘職で合っています。」
師匠は、聖都の神職は軟弱で〜とか、一回だけ言ってたっけ…
そんなに珍しいのだろうか、比較対象が周囲に居ない…
「では、こちらのコインをお渡しします。
銀貨一枚と交換になりまして、コインの枚数・成績に比例して、上級の依頼を受けることが出来ます。」
書類とかが無いから、殆ど人力でやっているのだろう。
担当窓口がそれぞれあって、簡単な依頼から、難しい仕事を振り分けているような感じだろうか。
窓口に立つ人は皆エリートのような風貌で、テキパキと仕事をしてる。
「うーん、それなら。
簡単なもので、魔獣を討伐したいと思います。
その窓口はどちらにあるでしょうか?」
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よし!
最初はスライムの討伐らしい。
ゲームとかで出て来るような液体性の魔物を15匹。
ちょっと多い気もするが、それだけか弱い生き物なのだろう。
街を出るのに二時間、そしてそこから一時間程、街道を進んだところに、スライムの溜まり場があるとかなんとか。
確かに、30匹くらいの塊が見えた。
うん、弱そう。
ちゃっちゃっと殺ってしまおう。
魂力を手元に集中させ、剣を手に取り出す。
後は綺麗に捌くだけ。
スライムの表皮が採取箇所になっていて、1匹のスライムから数グラムしか取れない高級食材と言われてる。
味はコンニャクみたいな感じ。
これ、日本円に換算して数万円…?と、思ってからは、村で一回食べて以来、食べてない。
尚、スライムの皮は消化出来ないので、栄養素もない。
魔獣は基本的に不味い。
ただ、鳥や家畜の餌としてや、貧困層には人気があるので、屑肉としての需要が大きい。
スライムは、かなり美味しい方だと言われてる。
水の部分は雑草の香りがする。
まぁ、好きな人は好きかも知れない…
プロの組合人としてやっていくならば、プロ意識を持たねばならない!という事で、綺麗に水抜きして30匹鞄に詰めた。
余裕過ぎたので、帰りは魂力の鍛錬も兼ね、ダッシュ走って帰った。




