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私の手には一人前の証である、師匠から頂いたネックレスがある。
しかし、当然ながら家から手紙等文字のある物は発行されない。
礼儀や作法、実力を持って示さなければ、聖都の学校は入学を許されない。
学校の窓口まで行って、入学を捥ぎ取るのである。
因みに、10歳の姉は親の家紋を借りて入学した。
そうでもしないと、普通は入れない。
9歳で一人前、さらに学校に入りたいと希望を出すのは、本当に異例中の異例なのである。
おのれ師匠め。
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師匠、ありがとうございます。
セ・ヒカリは、貴方に感謝します。
師匠から頂いたネックレスの効果は絶対だった。
見る人が見ればその威光の前にひれ伏し、無礼の赦しを乞うほど。
そう言えば、師匠はトップ10に入るんだった。
師匠に木刀で頭を殴られすぎて、重要な事を忘れてた。
ペンダントを無くしたら殺しますからね。と、師匠にサラッとご飯食べてる時に言われていたけど、その言葉が現実味を帯びて来た。
おのれ師匠、そんな大切な事を興味なさげに言いやがって、やっぱり許さん。そういうとこやぞ!!!
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聖都の未来を担う「基本10代」の若者達を受け入れる学校は、無料で入る事ができる。
しかし、それには貴族としての自覚や、作法が無ければいけない。
日本でも挨拶しない人間は学がないと思われたり、身だしなみがちゃんとしてないと下に見られたりするが。
それを正式に定めた、区別や差別の為のルールがある。
当然の如く、奴隷は存在するし、奴隷の子供やその血族は入学を許されない。
どうやって確かめるんだろう?と思うのだが、その辺は結構曖昧。
平民でも奴隷扱いされる事があるので、貴族サマという風潮があるのは確かな事だろう。
うちの村では、平民も貴族も、一緒に生きる仲間という感じがした。
しかし、人口の多い聖都では、そうは行かなかったのだろうな。
さて。
入学を許され、学校の門を通過した私は、教員に呼び出された学生に案内される。
彼女は11歳の2年生のトップで、急遽入学した私の案内人に選ばれたらしい。
「初めまして。私はセ家の者です。先輩、よろしくお願いします。」
と言うと、萎縮された。
「私は〜の者です」と言うのは、この國で師匠に認められ戒名を頂いたと言う証拠で、神職関係者という事がわかる。
「わ、私はスライだ。よろしく頼む。」
父親であれば本名のセ・アカではなく、父や父様と、立場で呼ぶのが通例だ。
外部であれば、私はスライさんの事を、基本は先輩と呼ぶ。
沢山先輩がいる中で、呼称する場合は、家名であるスライを頭に付けて、スライ先輩と呼ぶ。
普通であれば、先輩はよろしく頼むだけで良いのだが、ちゃんとした名乗りには家名を名乗らなければならない。
まさか年下が神職関係者だとは思わないだろうに、11歳で咄嗟にちゃんと対応出来るのは、凄いことだと思う。
「はい、スライ先輩。よろしくお願いします。」
先輩と仲良く出来るといいな…と思いながら、学舎を見て周った。




