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一般的な貴族の子供は、10歳まで地元の文化について、先生を雇って学ぶ。
10歳になったら聖都の学校に通い、魔法や武器術、政治的知識、戦闘術(指揮官としての概要)等を学ぶ。
13歳に学校を卒業して、二年間地元で親から内政の勉強をし、それぞれの違いの考察を深めて、15歳で領主になる。
実質的には、親が政権を握るが、子に任させる事も多い。
親が死んだ際、子へと完全に領土への権利が移譲される。
20歳で完全な領主であることは稀だが、一応この國にもそう言った存在は居るらしい。
勿論既に、私は通常ルートから外れている。
戒名を貰った時点で、師匠の傘下に降ると言うことになり、師匠の職業は神職に分類される為、私も一生神職だ。
神職の子は神職だが、師匠は子供がいない。
正真正銘、研究気質のぼっちを極めてる。
そんなぼっちな師匠だが、両親の村に左遷先として受け入れられ。神職から見て「役割」とやらを持つ私に対して、力と知識を授けた。
魔法などの知識に抜けはあり、基本的なことは教わったと思うが、その先は教わっていない。
師匠の立場を継ぐとか、そういうのは定められていないのだろう。
いや、多分だけど…
師匠は身分とか、そういうのに興味がないから…
聞いても好きにしたら?と言われる。
そろそろ私は、9歳になる。
姉の話を聞いたりして、学校に通ってみようかな。
と、考えてみたりした。
師匠はこれまで、間違ったことは言わなかった。
自分なりに考えて、好きな事を、してみようと思った。
ーーーーーー
姉は今年で14歳になる。
学校の話を聞いて、魔法について興味を持った。
前世では魔法といえば、創作の世界にしかなかった。
改めて、師匠に魔法について聞いてみると
「興味ないですが…そうですね。
ヒカリは対応出来ない、自信がないのですか?」
と聞かれた。
師曰く、魔法は文言やルーンによって発動するが、意識によって発現する物が実践において強いらしい。
手に宿すような形の、例えば火を指先で宿す攻撃(目を焼き切ったり)するのが最短最強。
魂力によって対応出来るなら、魔法は必要がないと師匠は言い切っている。
また、不可視の風を爪先で鋭く飛ばし、目や動脈を切る強力な魔法に対しても、皮膚の感覚で空間の揺らぎを感知し、魂力で強化した木刀で対処が可能。
そして、師匠はそれらを全て使って来て、私はその対応は全て出来るように虐められてきた。
実践方法は知っていても、その発現方法や、ルーン、魔法について、本当に何も知らないのである。
師匠が大丈夫と言うからには大丈夫なのだろう。
しかし、知らない物は怖いのである。
対応出来たとしても、学んで置きたい。
と言うのは、正直建前だ。
ファンタジーを感じたい!!!
これに尽きる。
姉が家に帰って来てから、魔法について楽しく語るのだ。
それも決め手の一つだろう。
姉に学校に通いたいと言ったら、姉がその話を両親にしてくれたらしい。
「戒名があれば一人前だ。
9歳の誕生日の次の日に、学校に行って来なさい」
と父親が言ってくれた。
家族との別れを惜しみながら、師匠への挨拶を済ませ、私は聖都へと旅立った。




