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私の戒名は「セ・ヒカリ」
前世の名は思い出せないが、前世は男性、記憶は健忘症で忘れない範囲で残ってる。
今世の性別は女性、年齢8歳、身長は多分130センチくらい。
髪の色は母親と姉に似て赤色、目は青色、髪型はストレートで、肩くらいまで髪は伸ばしてる。
得意な武器は短剣。
師匠から光力までの極意と、戒名を授かった。
私に似て、姉は可愛い。
村には鏡がないから、水に映る顔を見て、その事を知った。
いや、姉や母親が可愛いから、私が可愛いのかもしれない。
目は丸みを帯びていて、優しそうな印象を受ける。
父親(厳つい)と母親(優しそう)は、自分と異なる性質を持っているから惹かれあったのだろうか。
目の前に居る、久しぶりに会った姉の話を聞きながら、思いを馳せる。
「それでね、聖都の学校では魔法が難しくて、とても苦戦したわ…
必修科目だから、留年しないように必死で覚えたの。」
え?魔法って何だっけ?
私5歳の時に、サラッと魔法の概要しか、師匠から習ってない気がする。
「お姉ちゃん、魔法ってどうやって使うの?」
「ん?神職様から習わなかったの?」
「私、対応方法しか習ってない。」
「どんな感じで教わったか、聞いても良いかしら?」
神職から教えられる話というのは、秘伝である事が多い。
例えば光力に関して言えば、一部の人間しか知りえない危険なものとして扱われる。
光力は魂を消費するので、死の危険がある物なのだ。
師匠はそんなこと一言も言わなかったけどな!
考えればわかる。
「例えば、火の魔法を扱う時、指先に集めて目を焼くようにして使えば視力を奪える…とか、かな?」
「そんな危険な使い方があるの…?」
…どうやら言ってはならない事(考え不足)だったらしい。
師匠…!(泣)
「…えーと、魔法の使い方は、魂力とは違うというのは分かるかしら?」
私が笑顔で固まっているのに見かねて、姉が私の頭を撫でながら解説をしてくれる。
天使だろうか。
「うん、それはわかる。」
「魂は肉体とは違う物で、魔力は肉体にある液体に近い物なの。
怪我をすると、赤い血が出るけど、それも魔力の一部だと言われているわ。」
「なるほど〜!それは初じめてきいたっ。」
師匠と比較して、非常に分かりやすい解説、すごく助かる。
賢くて可愛くて優しい姉を持てて、私は幸せだ。
「ほ、本当に何も知らないのね。。。
2年もこの村の神職様から何を習ってきたのか、少し怖くもあるけど、聞いてみたいわ…
聖都で、この村の神職様より偉い人に会う機会は無いもの。
この村でも、会えても話すことは出来ないのだし…」
確かに、村の行事でしか、師匠は表に出てこない。
年齢不詳で、若々しいが、見た目通りの年齢か疑わしい。
謎に満ちた存在だ。
実力があることや、深淵な知識を持つことは確からしい事だろうが…
「お師匠様については、私でも言えない事が多いから…」
「立ち姿からも、その実力の高さは伺えるわ。
少なくとも、聖都で神職様以上の実力者を見かけることもなかったし。」
私の立場では、会える機会もないのだけどねと、自嘲気味に姉は笑った。
家族として贔屓目に見ても、姉は私より弱い。
姉も馬鹿ではないので、幼い頃から私との違いを感じていたのだろうことは、その自嘲からも伺える。
私は師匠に虐められたから強くなれたし、役割の違いだと思うから、何とかしてやりたいとも思うが。
幼い見た目の私が、何を伝えようとしても、皮肉にしかならない。
「それで、聖都の学校はどんな所だったのっ?」
私は誤魔化すように話題を変えた。
「うーん、そうねぇ。
聖都はこの村の何倍も大きかったわ!
数万人の人が暮らしていて、毎日がお祭り騒ぎなのよ。」
聖都で苦労した話や、はたまた恋愛の話まで!
一緒のベットで横になって、姉は寝るまで話を聞かせてくれた。
師匠と過ごした日々は、言える事が本当に少ない。
両親は気を遣って、貴族の厳しさもあり、辛いかどうかさえ聞くことはなかった。
師匠から虐待を受けた日々を思うと、涙が出るほど幸せな一日だった。
私は強く、自分自身がシスコンである事を自覚した。




