しるべ=導き
「私は神です。」
神って…凄く抽象的な言葉だな。
キリスト神か、アッラーか、はたまた八百万の神か。
「それらの概念には該当しない神です。」
どうやらご丁寧にも、頭の中にある思考を読み返事をしてくれているらしい。
少なくとも現世にいる神々との関係より、より近い関係にあると言えるのでは無いだろうか。
もし自分がこの体験を多くの人に伝えれば、教祖にでもなれるかもしれない。
「それは不可能ですが。」
そう、確かに不可能だ。
何故なら俺は死んだからだ。
不可能と言われてから、前世の記憶が流れ込んでくる。
この現象でさえ、固有名詞「神」に、解らされているだけなのだろう。
「貴方の悩みは何ですか?」
これが神の慈愛というやつだろうか。
「次の世界では、貴方は何を成したいのですか?」
光が見える。
ああ、これが愛なのだろうか。
キリスト教の言う神は愛という言葉さえも、今ならば信じられる気がする。
しかし、その中に、ドロリとした粘着質な何かが、自分の中にあると知覚する。
「神よ。」
「はい。」
「もう一度やり直せるならば、もう一度やり直せるならば俺は。」
「良いのです。」
俺の言葉は、首を切られたかのように、物理的に遮断される。
「言葉に出せば、その願いは、陳腐な物に成り替わります。」
光の中に見た、神の姿は
「思いを秘め、そして旅立つのです。」
余りにも
「私は、貴方の背を押します。」
恐ろしかった。
初めまして。
目標はエタらないことです。
メンタルは豆腐で出来てます。とてもおいしいです。
よろしくお願いします。