エピローグ-2
エリはそう言いつつもベッドの上で座り直して、改まると言う。
「むしろ、おねえちゃん。私も旅に連れて行ってください。
そして、おねえちゃんが言う、完全な世界復元を達成するために、旅をしたい」
ユリは嬉しそうに笑うとエリに抱き着いた。
「さすが、私の妹! そう言ってくれると思ってた!」
だが、そこにベルがつぶやいた。
「そう言いつつ、ユリちゃん、一緒に旅ができるか不安すぎて、昨日の夜なんて、ずっと星空眺めてたよねぇ」
そこにマツバも乗っかる。
「そうっすよ! それで、三分に一回ため息吐いてたじゃないっすか!
俺が昨日記録したところによると、ユリ姐さんの昨日のため息の回数は百七十二回!
そのうち、ベル姐さんと検証し、ちょっとエッチな吐息判定となったため息の回数は……」
「そんなこと数えるなぁぁぁぁぁぁぁ!」
「ああああああああああああああああああああああ!」
ユリのキレイな背負い投げがマツバに決まった。
マツバは病室の窓からきれいに飛び出していった。
ギャーギャーユリとベルが言い合いをしているところへ、ショウとランが入ってきた。
ショウが入ってきた瞬間、エリが顔を伏せたことにユリは気が付いていた。
「皆さん……」
ショウとランは一緒にぺこりと頭を下げた。
「ありがとうございました」
「へ? 何が……?」
ユリがそう言うとショウは言う。
「皆さんのおかげで、僕は目が覚めました。
他人にゆだねてしまっていた人生を、これからは自分で作ってみようと思います。
こんな気持ちになれたのも皆さんのおかげです。どれだけ礼をしてもしきれません」
ショウの言葉にランも続けて言う。
「私も、いつの間にかショウの事をあきらめて、『死』をもって一区切りつけてもらおうなんて考えるようになっていたわ。
こうして、自分の気持ちに素直に向き直させてくれてありがとうございます」
ユリはそれを聞いて手を振る。
「いや、礼はいらないよ。
私たちは至天の案内人なんだ。他者に『死』を与えるのが仕事であり、二人は自分たちの力で『生』を勝ち取ったんだから。
いつの間にか二つ目の『心に刺さった棘』も解決しちゃったみたいだね」
マツバは嬉しそうに頭を下げる。ユリはそこでコホンと咳ばらいをすると言う。
「それで、『生』を過ごし切ったら、私たちに連絡して。『死』を与えるよ。
ま、その前に、ここにいるエリと世界を完全に戻してしまうかもしれないけどね」
ユリはそう言いつつ、ベットに座ってうつむいていたエリを立たせると、ショウの前へ突き出した。
「ちょ、お姉ちゃん……!」
「エリ。向き合って。自分のしたことに」
エリはそう言われて、おずおずとショウの事を見た。
そして、驚いた。自分が知っているショウは顔は真ん丸、おなかも真ん丸な男だった。
だが、今の彼はやせ細り、ほほもこけて、およそ同一人物とは思えなかった。
エリは自分が彼に対してどんな仕打ちをしてしまったのか、ここで自覚した。
「あ、そ、その……。本当に、すみませんでした……。
私は、自分の都合ばかりで……。大進化の後の人達を踏み台にして……」
だが、ショウはその謝罪を受け取らなかった。
「いえ。謝罪は結構です。私は、このような仕打ちを受けて当然の人間です。
あなた方の両親の研究を盗み、そして、勝手に捨てて。
世界をこんなにしてしまいました。
だからこそ、世界を戻せると言うあなたの話に乗ったのです」
ショウはエリに手を差し出した。
「エリさん。これまでご苦労様でした。
そして、これから、ユリさんと一緒に世界を戻す研究をすると言うことで、応援しています。
ただ、私も研究を続けますから、どちらが先に世界を戻すか勝負ですね」
エリは目に涙を一杯浮かべて、ショウの手を取った。
「そ、そうですね……。よろしくお願いします……。うあああああああああああ」
エリは結局涙を我慢できず泣き始めてしまった。
「はい、エリちゃん、エリちゃんの罪はこれからゆっくり精算しようねぇ。
スミレとユースケにもきちんと話をしないとねぇ」
ベルは泣き崩れたエリを抱えてベッドへと運ぶと、エリを横たえた。
そんなエリを確認しつつ、ユリはショウへ訪ねた。
「
これからどこで研究するの?」




