11品目─草食獣ランドと解体屋見習いのエル
マトマの街から歩いて3時間ほどで到着する平原型ダンジョン『ミーメット平原』。
その平原には、主にランドと呼ばれる四足獣のモンスターが発生する。
体高は2メートルほどで、長い体毛で覆われた草食獣だ。
性格は比較的大人しく、群れで生息する。
しかし問題が一つ。食欲だ。
彼らは周辺の草や木々を食い尽くす。
群れが大きくなるまで放置していたときは、平原が荒れ地になるところだった。という記述もある。
なので定期的に狩りで間引くことが必要だ。
幸い、その皮や体毛、肉、骨などは捨てる場所がない。
服飾や皮製品、軽鎧の材料にもなる。
骨は加工品として使用され、その強度の高さでそれなりに人気の品だ。
そして肉。
全体的に引き締まって噛み応えがある肉は、他のモンスターと違ってクセが少なく食べやすい。特に背中の、よく動く肩甲骨辺りの肉は絶品。
そんな良い素材となるモンスターを、ミチとマリュのパーティーは今回初めて狩る。
というのも──。
「……はぁ、なんとか倒せたね」
「うん。倒せたのはいいけど、やっぱり……」
ミチとマリュが横倒しになったランドを見下ろす。
このモンスターは、巨大だ。
体高もさることながら、その重さは1トンに迫る。
とてもじゃないが引きずっても持てるものじゃない。
しかしランドが入るアイテムバッグ──見た目以上の容量を持つ特殊なバッグ──は、買うことはおろか借りるのですら高額だ。
そもそもそんな高額なものを買えるような冒険者でランドを狩るレベルの人たちはいない。
もっと強くて高額な報酬で、それから美味いモンスターを狩りに行く。
だからこそ、ランドの間引き討伐は比較的下のランクの冒険者たちが請け負う。
……のだが、ここでもさらに制限がある。
それは、この大きすぎる獲物を処理する手段があるかどうか。
人にとって美味いということは、他のモンスターにとっても美味いということである。
ただ単に倒して放置すると、より凶悪なモンスターが寄ってくる。
実際、過去に放置したランドを求めて上級者級のダンジョンからモンスターが這い出てきたこともあった。
ということで放置は全面的に禁止。
依頼を受けたあとで放置したことが発覚した場合は、厳しく罰せられる。
では、金も解体する力もない新米冒険者はどうするのか。
答えは──。
「エルちゃん、お願い」
「はいー! おまかせあれっすー!」
ミチが呼ぶと、後方で待機していた解体屋見習いのエルが片手をピンっと上げ、笑顔で応えた。
それから、てててっ、と近づいてくる。
作業用の灰色のつなぎを着て、斜めがけのアイテムバッグが一つ。
ミチとマリュが後ろに下がり、エルが倒れたランドの前に陣取る。
アイテムバッグを下ろし、中から取り出したのは、彼女の身長──標準だがミチとマリュに比べて小柄な体格──よりも大きな刃のスキナーナイフ、というよりもバスターソードだった。
反った刀身は東方の刀にも見えたが、それよりも洗練されておらず、無骨な印象を持つ。
刃幅が大きく、解体のための道具。
エルは刃の半分ほどの長さの柄の上端と下端を両手で握り、バスターソードを振り上げる。
「いきまーす」
そして掛け声と共に、振り下ろされた。
「よいしょー!」
ズバンッ!
解体する上で最難関とされる極太な背骨ごと、ランドの巨体を、解体屋見習いの少女はいとも簡単に切ってみせたのだった。
「すご……」
「ヤバー……」
マリュ、ミチの順でその技術に呆気にとられる。
「えへへ」
その反応にエルははにかみ、それから刀身の血を拭ったあと、バスターソードをバッグにしまって、代わりに新たな道具を取り出した。
今度はバスターソードよりも小振りな──それでもショートソードほどはある──解体用のスキナーソードを二本、双剣スタイルで両手に握って本格的に解体を始めるのだった。
「おお……これが解体屋」と、マリュ。
「見習いでこれって……」と、ミチが言った。
腕の付け根に刃を入れたり、皮を傷つけないように角度を変えたり。
双剣を巧みに操り、エルはスパスパと解体を進めていく。
「遅くてすみませんっす。うちの親方とかだともっと早いんですが」
「い、いやいや、十分早いよ! すごいよエルちゃん!」
「そうそう、すごい。私たちにはできない」
そう、エルは実際にすごい。
新米冒険者たちがランドの狩りに出るための条件。
それは解体屋を連れて行くこと。
さらに素材を──ランドなら二頭分──渡す代わりに、運搬用のアイテムバッグの費用を解体屋ギルドが出してくれる。
しかし解体屋もタダではない。
連れて行くとはつまり一つのクエストにつき雇うということ。
出せない額ではないが、ぶっちゃけ正規の解体屋を雇うとミチたちでは足が出そうになった。
他の冒険者たちなら一回で五頭はまず狩るだろう。
しかしミチとマリュの予想では、自分たちは三頭がやっと。
それを考えると使える素材は一頭分。肉は食べるとして他の素材を売る手数料などを考えると、むしろ持ち出しが必要かもしれない。
ならば肉を食べなければ、そういう意見はミチもマリュも散々聞いたが、すべてこう返してきた。
『食べないなら、狩る意味などないですし?』
とはいえ食料的にも金銭的にもランド狩りは魅力的。
冒険者ギルドとしても、少し増え始めているランドを狩ってくれる冒険者の頭数は欲しい。
ということで譲歩を重ねて生まれた案は、価格が正規の解体屋の半分以下という金額の、解体屋見習いを雇うことだった。
腕が確かだと解体屋ギルドに認められていれば、見習いだとしても連れて行くことが出来る。
その制度を利用して今回同行を頼んだのが、解体の実践に繰り出したいけれど、とある理由で良い出会いのない解体屋見習い、エルだった。
「いやー、本当助かったっす。アタシ、こんなんなんで一緒に行ってくれる冒険者の方が全然いなくて」
手際よく解体しながらエルが言う。
「まあ、仕方ない。モンスターを殺せない解体屋は」
「ちょっとマリュ!」
「いいっすよ。ホントのことなんで」
そう、エルはモンスター、というより生き物が殺せない。
しかし死んでいるなら大丈夫だそうで、解体はできる。
その手際の良さは天職のようなもので、この姿しか見てない者ならば、エルがまさか生き物を殺せないとは思わないだろう。
解体屋は高いお金で一回ごとに雇うもの。
気に入った冒険者やパーティーがあれば、格安、もしくは冒険者として同行することもある。
なので自らの身は自ら守る。それはつまり、モンスターを殺せないと務まらない。
他の冒険者の手を煩わせることにもなるし、中途半端に傷を負わせたモンスターほど危ないものはない。
だからエルはその解体の腕をもってしても、未だ見習いから昇格できず、実績にも乏しいのだった。
「でも、解体の腕はすごい。上位のクエストでもいけそう」
「うんうん、それは本当にそう思うよ」
「ありがとうございます。でも、上位になるほど、自分の身を守れないといけないっすからね」
上半身を解体し終え、運搬用のアイテムバッグに詰めながらエルが言う。
「一度、お誘いはあったっすけど、でもこんなんなんで、やっぱりダメで。他のメンバーを危険に晒して……」
寂しそうに言うエルに、ミチとマリュは顔を見合わせた。
「それは残念だと思うけど、危険になったのはそんなエルだとわかってて連れて行った冒険者さんでは?」
「うん」
ミチの言葉を、マリュが短く肯定する。
「……え?」
「だから、何かが出来ないと分かってる人をパーティーに組み込んだなら、それを補う前提なのは当たり前じゃない?」
「そう。エルのことを入れるなら、エルが戦えないことを前提で立ち回れるクエストを受けるべき」
「まあ、だからこそ私たちはほとんど危険のないこのクエストについてきてもらったわけだけど」
「ホント、自慢にもならないけどね」
ミチとマリュが苦笑する。
そんな二人を見て、エルも小さく笑みを浮かべた。
「……そんな考え方聞いたの、初めてっすよ」
エルは言いながら、下半身の解体に移る。
手際は先ほどよりも良く、運搬用のアイテムバッグ一つ目が満杯になるのに、そう時間はかからなかった。
「さて、それじゃあせっかく解体屋のエルに来てもらったんだし、私たちもはりきっていこう!」
「おー」
──と、気合は十分だったのだが、結局ミチとマリュが狩れたランドは全部で三頭だった。事前の予想通りだ。
「一頭のお肉は食べる用で、他の素材は売るってことでいいんすよね?」
「うん、それでお願い」
「了解っす。じゃああとは解体だけなんで、お二人は休んでてくださいっす」
「おー」
最後の一頭を倒したあと、エルがさっそく解体に入る。
ミチとマリュは平原型の休憩ポイントである、草が丸く刈られた場所を陣取った。
平原型はその特性上セーフエリアが存在しないのだ。
マリュが持ってきたアイテムバッグから組み立て式の四角いテーブルを出す。
木製で、迷いの森の樫から出来ていて頑丈。
アイテムバッグの軽量魔法がなければ、とてもじゃないがクエストのお供には向かない代物だ。
そのテーブルの上に、ミチがポーチから各種スパイスを取り出しておく。
そして二人で土を掘って、即席のかまどを二か所こしらえた。
マリュが火を起こしている間に、ミチは調理道具の準備。
といっても今回は鍋とフライパン、それからまな板とナイフぐらいだ。
いつもとほぼ変わらない。
一つだけ違うものがあるとすればフライパンの大きさだ。
ミチとマリュは今回の依頼、大物の肉があると予想していた。
なので二人で市場に繰り出し、あーでもない、こーでもないと悩んだ末、街の料理屋でも使われる業務用の大きなフライパンを買った。
大奮発だ。
「ミチ、もう水入れていい?」
「うん、いいよ。お願い」
マリュがかまどの一つに鍋を置いて、中に水を入れる。
料理をすれば食材を粉微塵にしてしまうマリュだが、さすがにこれぐらいは大丈夫。
たぶん、鍋に水を入れるだけなら料理判定されていない。
セーフ。
もう一つのかまどには、ミチが一度フライパンを乗せて、軽く熱したあと、先んじて貰っていたランドの獣脂をまんべんなく引いておく。
獣脂はなかなかの塊だったが、フライパンに吸い込まれるように溶けていき、透明の液体となった。
「お待たせしましたっすー」
そこへエルがやってくる。
三つある運搬用アイテムバッグの一つを開いて、中身を取り出す。
「では、どうぞ」
エルが両手で抱えて出したのは、魔術師組合産の保存布で巻かれた巨大なフィレだ。
「お、おぉ……」
ミチとマリュは同時に、同じような声を漏らした。
大きいだろうなとは想像していても、実物を目の当たりにするとやはり驚きを隠せない。
「重っ……!」
「うわ、ホントだ!」
ミチとマリュは交互にフィレを持って驚愕した。
そしてすぐに、その口腔に生唾を溜める。
「ミチ! 早く、早く料理して!」
「了解! 任せといて!」
ミチは頷き、さっそくフィレをまな板に載せた。
しかしすぐに切ったりはせず、まずは鍋にコンソメとフリーズドライの野菜、世界で広く食べられているジャガモ──東方ではジャガイモというらしい──をゴロッと切ったものをぶち込む。
安物だが、昔食べていたようなクズ野菜ではない。
マリュとのパーティーで、ほんの少しだけだが実入りが良くなったのだ。
そんな鍋の中に塩とブラックペッパー、匂い付けのリザリーフを入れて蓋をする。
リザリーフはスープの匂いづけに定番の物で、これを入れておくとコンソメと喧嘩せずにグッと飲みやすくなるのだ。
今回作ろうとしているステーキなどの味が濃くなりやすい主菜とは相性がよくなる。
「ミチさん、手際いいですね」
「でしょ。私の相棒、すごいんだ」
エルの賞賛に、マリュが鼻高々になっていて、ミチは思わず苦笑した。しかし、悪い気分ではない。
良い気分のまま、いよいよフィレに取り掛かる。
保存布を必要な部分まで解いて、フィレを切る。
残りはまた保存布を巻いて、エルにアイテムバッグに入れてもらった。
続いてフィレにナイフを入れていく。
元々が大きいので、ステーキにするにしてもかなり分厚い肉の塊が出来るが、こんなときのためのフライパンなので気にせずそのサイズで三等分した。
そしてそれぞれの肉に塩、コショウを始めとした香辛料を振りかけて軽く揉みこむ。
それからフライパンをかまどに乗せ、熱している間に、ナイフの背で肉を軽く叩き、柔らかくしていく。
本当はもう少し馴染ませる時間が欲しいのだが、この場には腹を空かせた乙女が三人。
ここまで来たら、待ってなどいられない。
「焼くぞー!」と、ミチの気合の声。
「おー!」と、マリュが拳を突き上げる。
「お、おー!」
困惑しながらも乗ってくれるエルの声がしたところで、ミチはフライパンに肉をそっと落として焼き始める。
ジュウッ!
良い音を立てて肉が焼け、油が爆ぜる。
「アッチ! うぉりゃー!」
一度は跳ねた油で怯んだミチだったが、せっかくの大きなフライパンだ。
勇気を持って焼かずにどうする、とばかりに肉を焼き、木製のトングでひっくり返す。
両面に焼き目をつけたら、一旦皿に取り出して次の肉を焼き始める。
こちらにも焼き目がついたら三枚目。
そうして全部に焼き目をつけたあと、再度一枚目をフライパンに入れる。
今度は最初より短い時間。
三枚分繰り返したあと、最後にまた一枚目から分厚いサイドの部分を焼くように押し付けて、まんべんなく焼き目がついたら完成だ。
「ほい、お待たせしましたー!」
「待ってました!」
「おおー……!」
街の料理屋などで出るものと遜色ない見栄えのステーキが、テーブルに並ぶ。
そしてミチは最後に黒パンを三つ取り出し、真ん中を裂いて貝のように開くと、フライパンに残る肉汁をパンで拭いた。
スープをそれぞれのお椀に盛りつけたら、ランドのフィレステーキとコンソメスープ、黒パン(美味しい肉汁付き)の出来上がりだ。
「よし! 食べよ食べよー!」
ミチが地面に座ると、いよいよ食事の開始だ。
「いただきます!」
三人分の声が重なり、それぞれが一斉に食事にかぶりついた。
ミチはステーキにフォークとナイフを入れて食べやすいようにカッティング。それから一つを口に運んだ。
マリュはミニナイフでステーキを畳むようにして刺し、豪快にかぶりつく。
エルは一切れカッティングして、口に入れる。
「美味しっ!」
「美味いっ!」
「……ふわぁっ!」
三者三様、舌鼓を打ち、あとはもう会話もなくひたすらに美味い食事を口に運んでいく。
「うまーい! やっぱりミチは天才だー」
「褒めすぎだって……でも、ホント美味しい。ランド、有りだな」
パンとスープも交互に食しながら、ミチは自分たちで狩ったランドの美味しさに驚いた。
これまでは解体屋を雇えないのはもちろん、ミチ一人だけでは一頭狩れるかどうかも怪しかったので、挑戦できなかったのだ。
「それもこれも、エルちゃんのおかげだよ」
「へ? あ、アタシですか?」
「そー! エルちゃんがいないと私たち、このクエストそもそも受けられなかったし。こんな美味しいお肉の味、知らずに過ごすところだったよ」
「うんうん。エルのおかげ。ありがたや」
「い、いや……そんな……」
エルが顔を真っ赤にして、両手を振って謙遜する。
けれどミチもマリュも本心だ。
実際問題、この手際の解体屋を雇うとなると二人の現段階の稼ぎでは足が出る。
いや、もしかしたらもっと腕の悪い解体屋でも足が出る。
と、シビアな金銭的な理由もあるが、エルの腕は本当にミチとマリュにとってとてもありがたいものだった。
戦闘中も何かとフォローしてくれて、正直に言ってしまえば、新米冒険者二人では三頭もランドは狩れなかった。
「また今度、うちのパーティーに協力してほしい」
「うんうん! 私もそれ、言おうと思ってた!」
「……え?」
二人の本心からの願いに、エルは固まる。
「嫌だった?」
「あ、いえ、違うんです。あ、アタシなんかが、そんなことを言ってもらえるなんて」
「またそういうこと言うー」
ミチがステーキを食べながら苦笑する。
「へ?」
「エルちゃんが雇われの身とはいえ、パーティーに加わってくれて本当に助かったんだよ。だからまた、一緒にクエスト行こう。嫌じゃなければね」
「い、嫌だなんてとんでもないです! あ、アタシのほうからもぜひ、お願いします!」
エルが頭を下げると、ミチとマリュは顔を見合わせてハイタッチする。
「やったー!」
「勧誘が成功して飯が美味い!」
喜ぶ二人を見て、エルがやはり困惑したような、嬉しいという感情に戸惑っているような顔をした。
「じゃあさ、もっと長くエルちゃん雇えるように、私たち頑張って稼がないとね」
「うん。精進が必要だね。まあどのみち、ドラゴンを倒すなら強くならないと」
「ど、ドラゴン……っすか?」
新米冒険者からはあまり出ない言葉に思わず聞き返すエル。
「そうそう。ミチの夢。ね?」
「うん。ドラゴンを討伐して、食べるの」
「えぇ?」
エルが先ほどよりも困惑した表情を見せる。
「うん。やっぱり変かな?」
「いや、変というよりは……途方もないなーと。それにドラゴンを食べる冒険者もいるでしょうけど、ほとんどは納品してお金に換えますし」
「でもまあ、お金も欲しいけど、ドラゴン……美味しいそうじゃない?」
「それは……すぐには同意しかねるっすけど」
エルが言うと、ミチが笑う。
「うん。でも、いつか必ず。それで今日ね、私気づいたことがあるんだけど」
「はぁ……?」
「ドラゴン討伐できても、たぶん解体できないなって」
「あ、それ私も思った」
マリュがスープに浸したパンの端を食べながら同意する。
「だからもし私たちがドラゴンを討伐できたら、エルちゃんが解体して」
「ドラゴンを? アタシがっすか?」
「うん。ダメかな?」
「いや、それはいいんすけど……アタシでいいんすか?」
「むしろ君がいい!」
マリュが即答する。
ミチもコクコクと力強く頷いた。
「ドラゴンを倒すときはぜひ!」
「あはは!」
ミチの力強い言葉に、エルは思わず笑ってしまった。
モンスターを殺せない解体屋見習いに何を言うのかと思ったら、ドラゴンと来たものだ。
親方が聞いたら身の丈知らずと罵られるだろう。
だけどなぜか、エルには、ミチとマリュの言葉がスッと入ってくるのだった。
「……じゃあ、ドラゴンを討伐するときにはぜひ」
「いえーい!」「いえーい!」
ミチとマリュが再びハイタッチ。
その様子を見て、エルもまた笑みをこぼすのだった。
「でも、まずは……」と、エル。
「まずは、ランドを五頭以上倒せるように頑張ってくださいっす」
「……はい」
「……頑張ります」
ドラゴンへの道は、まだまだ遠いのであった。
ー・ー・ー・ー 今日の食材 ー・ー・ー・ー
・草食獣ランドのヒレ肉×5キロ
・各種香辛料 適量
・コンソメスープの素 キューブ型×3
・野菜フリーズドライ キューブ型×3
・ジャガモ(小玉)×4