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第1章 1-1  これって転生?

「いったいどうなっているんだ?」

 改めて、周りを見渡してみる。絨毯の敷かれた部屋だ。しかもかなり広い。20畳くらいはありそうだ。机やいすなどの家具も、アンティーク調のものが多い。とにかく、見慣れない物ばかりだ。少なくとも、病院ではなさそうだ。おまけに、この小さな手は何なんだ。まるで子供の手じゃないか。

 ひとまず落ち着こう。私の名前は藤谷慎吾。しがない会社員。好きなものはアニメや漫画、小説。自慢と言えば、学生の頃からやっている剣道と合気道。某テレビ番組にも出れるくらいの歌のうまさ。優しい妻とふたりの子供がいて、それなりに幸せな家庭で暮らしていた。でも、病気が見つかって、30代にして死亡。……よし覚えてる。とたんに、家族のことが心配になった。子供たちは元気だろうか? 妻は悲しんではいないだろうか? 最後に見た光景が目に浮かぶ。皆、悲しんでいた。……ごめん。ごめんな。いくらなんでも、早すぎるよな。思わず、今置かれている状況も忘れて、感傷に浸る。

 しかし、子供の姿ってのはなんでだ? 若返り? 変な薬を飲んだ記憶はなし。じゃあ死後の世界か?だが周りを見ても、天使と呼ばれる女の子を銃撃する少年たちがいる様子もないし、黒い着物の鬼がやってきたりする様子もない。そもそも部屋が洋風だし。

 と、奥の方にある扉が開き、そこから若い女の人が入ってきた。驚いたのは、その女性がメイド服を着ていたからだ。とは言っても、やたらとスカートが短いものではなく、所謂クラシックタイプとか言われるスカートの長いものだった。

 恰好はともかくとして、この部屋に入ってくるということは、関係者だろう。と考えた私は、話しかけようとした。が、こちらを見た女性と目が合うと、彼女は「レオン様がお目覚めに!」と言うと、声をかける間もなく部屋を出て行ってしまった。レオン様? 誰だそれは? とにかくどうしたものか。あのドアから出てみるべきか?

 しかし、そう思ったのもつかの間、ドアの向こうから足音が聞こえたと思ったら、ドアが開き、一目で鍛えていると分かる男性が入ってきた。年齢は高校生くらいか? その人物は私を見るなり、こう言った。

「おお! レオン! やっと起きたのか! お前一週間も寝てたんだぞ! 父上も母上も心配してたぞ!」

レオン……。その言葉を聞いた瞬間、頭の中を駆け巡るものがあった。……何なんだ?

 と、ここで部屋にふたりの人物が入ってきた。初めてみるはずなのに、誰なのか分かる。呆然としている私に向かって、最初に部屋に入ってきた人物が告げる。

「どうしたんだ? まさか父上と母上の顔を忘れたのか?」

「父……上? 母上?」

 頭の中にたくさんの情報が湧き出て来る。あまりの量に、めまいがする。次の瞬間、私は情報量に耐えられず、気絶するように再び眠りについたのだった。


時たま出て来るアニメの話だとかは、筆者が好きなアニメです。ぼかしてますけど、ちょっと考えると「あ!」って察せられる感じです。

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― 新着の感想 ―
[一言] コ○ン、Ang○l Be○ts、まではわかったけど最後の黒い着物の鬼だけわからない。 転生直後は肉体の記憶ないけどきっかけで目覚めるタイプか。記憶の整理大変そう。
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