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3-30 魔王ソフィアと聖女アナスタシア

第3章最終話エピローグになります。

ほぼソフィアの一人称視点。最後だけちょっと三人称。

私の名前はアナスタシア=フォン=バーンシュタイン。


滅亡した帝国の皇帝の子孫ソフィア=エレノヴァ=ヴォーセンブルグだと思い込んでいるちょっと可哀想な少女だ。本当の年齢は38歳だが、13歳の少女として学園に通っている、と思い込んでいてたまに変な事を言ってしまう。


と言うわけで、2度目の処女である。そんなところまで元通りにする必要があるのかどうかはよく分からないが治したというわけでは無いのだろう。時間が逆行したかのように新品?の身体になった。自分で言うのもなんだが銀髪に翠色の瞳の美少女だ。


身長が縮んでしまい、慣れるまでは大変だったが今ではこれが普通になっている。そもそも久しく身動きが取れない暮らしをしていたのだから、不便を感じていたことの方が不思議とも言える。

再び同じ体型まで育つのか心配なパーツがあるがその辺りは遺伝とかそう言った物であって欲しい…。

そもそも身長も伸びてくれるのだろうか。まあ、小さいのは小さいので需要はあるか。


容姿はもともと血縁者ではないかと思うほど似通っていたが、さすがに同一人物というには無理があると思うのだけれども両親すら気がついていない。認識なんとかいう魔法らしい。学園周りではもともと彼女が魔法を使っていたらしく、そもそも違和感を感じる者は居ないようだ。


彼女が譲ってくれた人生は生活にも困らず、結婚を強要されることもなく、とても良い環境だった。


3人の友人はこの複雑な事情を理解してくれている。

エミリアとラダとマーガレットだ。

流石に彼女たちを騙すのは私ももう1人のアナスタシアも忍びないので説明してある。普通こんな話を信じられる物ではないと思うのだが、なんの疑問も抱いていない様子に逆に驚いた。


エミリア嬢も相当良い子で良くしてくれるが、ラダとマーガレットはこれまでの恩返しで今度は自分たちが、などと言っていて申し訳ないやらなんやらだが、半分は私のためではないと考えれば多少は気が楽かもしれない。


もう1人、エミリアの兄であるハリスも理解者の1人ではある。彼の存在は私にとって複雑だったりもするがハリスとともにエミリアをからかうのはとても楽しい。



しばらくはもう1人のアナスタシアと共同生活をしていた。彼女はそこに居るようで居ないような人で、普段は私と侍女のアーニャ以外には見えてすら居ないようだった。友人たちだけで居る時に時々混ざってきていたが、その時ですら部外者の目に止まることは無かった。



そうこうしていると、もう1人のアナスタシアは元在った世界に帰るのだという。

やはり神様とかそう言った類の存在だったのだろうか。

皆別れを惜しんだが疑問を持つ者は居なかった。

いつかは別れが訪れる事を知っていたかのように。


彼女は古い友人に私のことを頼んで行ったそうだ。非常に心強い。


と言うか、ちょっと怖い。

ドラゴンは帝国の象徴だったが実物を見たことはなかった。

実はあの城砦から運んでくれたのも、身体を若返らせたのも彼らしい。

いや、彼なのか彼女なのか良く分からないが。


あと、魔法など未知の技術の知識をまとめた本、魔導書を残していった。

いくつかの魔法のアイテムとともに。

大半の内容は本人以外には無効らしく、私が理解し使用できるのはほんの一部のようだ。


こんな物は使わずに普通の少女として生きるも、世界を制服するも自由にして良いとメモが添えられていた。




それから300年後。


飽きもせず戦争を繰り返す人類に対し、私は最初の魔王を名乗り、魔物を操って戦争を起こした。

世界中にダンジョンを作り、モンスターを溢れさせた。


その裏で聖女を名乗り奇跡を起こし、魔法やスキルといった能力を人々に伝えていった。


ダンジョンコアは人類を攻撃するとともに人類に魔法の武器などを与えた。


そんな事をしたところで、これと言って意味はないことは知っていた。

気まぐれと言うか、暇だったのかもしれない。

私を導いてくれていた者たちはもう1人も残ってはいなかったから。




『ソフィアか。久しいな』

私がダンジョンコアを統合する魔道具、マスターコアの使い方を覚えたての頃に作ってあげたダンジョンに来ていた。


「やあ、君も随分と大きくなったね」

『ああ、そうだな』

全長が70mは超えたであろうドラゴンがそこにいた。


『随分派手にやっているようじゃないか。私も混ぜてくれれば良いのに』

「君が介入したら一回で国が滅んでしまうじゃないか。それじゃあ、面白くないんだ」

『まあそうだな』


「それでだ、さすがに私もそう長くはなさそうだから、君に一つお願いがあるんだ」

『なんだね?』

「彼女から授かったこの魔導書を、ふさわしい者の手に渡るよう預かってはくれまいか」

『そんな事ならお安い御用さ』

「そうか、それじゃよろしく頼むよ」


改造を重ねられた魔導書の表紙には封印されていることを示す鍵と鎖の図が描かれていた。

真の所有者たる資格を持つ者であれば簡単に解除することが出来るだろう。


いつかその者の手に届くことを信じて。

これで第三章は終了です。ここまで読んでくださった方ありがとうございます。

第四章もある予定なので良かったらよろしくお願いします。


そろそろエターナルしそうな感じになって来ましたが(


最後、なんかアナスタシアが嫌になって逃亡したみたいな感じになってしまったのですが、もうちょっとこう、上手い手段としてソフィアと入れ替わったよ、って感じにできたら良かったかもですね。


ラダとマーガレットは完璧で優秀な淑女として狙った男をゲットして幸せになります。本人も優秀ですしね。

エミリアとハリスがどうなったのかはご想像にお任せします。

ソフィアも普通の年齢の間はそれなりに暮らしていたのかな? 分かりませんが、なんかややこしい立場に追いやってしまったので、ちょっと心配ではあります(オ


一番気になるのはエミリアの両親だったりしますが、どう言う人だったら面白かったですかね(オ

ちなみに本当の両親は国王夫妻、かな? たぶん。

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